WRC経験者ケビン・アブリングが2021年WorldRXにフル参戦。ルノー・メガーヌをドライブへ

 過去2年間のスポット参戦期間を経て、WRC世界ラリー選手権でも活躍したケビン・アブリングが、2021年のWorldRX世界ラリークロス選手権へのフル参戦プログラムを発表した。「以前より確実に速くなった」と語るオランダ出身の32歳は、ゲラン・シシェリ率いるアンコラプテッドに加入し、ルノー・メガーヌR.S.RXスーパーカーをドライブする。

 多くのジュニア・ラリーストの例に漏れず、地元のラリークロス選手権でキャリアを開始したアブリングは、16歳になるまでにオランダとベルギーで3度のタイトルを獲得。2007年から本格的にラリーへと転向し、R3規定のルノー・クリオでは史上最年少のジュニアWRC優勝も記録している。

 その活動と並行し、より環境に優しい技術と代替燃料に特化したモータースポーツ・プロジェクトにも携わってきたアブリングは、2010年にオランダ人ドライバーとして初めてバイオメタノール車をラリー競技に持ち込んで勝利を飾ると、2012年にはケン・ブロック主催のイベント“ジムカーナ・グリッド”にもZ33型ニッサン・フェアレディZでゲスト参戦し、バイオメタノール燃料車初の表彰台を獲得している。

 2011年からはフォルクスワーゲン・モータースポーツの契約ドライバーとしてWRCに参戦する傍ら、母国ではVWとともに2012年にバイオガス(GCN)技術を使用したレースカーも導入。しかし本職のWRCでは、同時期に頭角を表してきたセバスチャン・オジエやアンドレアス・ミケルセンに押されるかたちで徐々に参戦機会を失うことに。

 すると2015年からは心機一転、ヒュンダイ・モータースポーツに移籍してi20 WRCをドライブするも、シーズンを通してWRC2との掛け持ちプログラムで戦うなど、トップカテゴリーのシートには恵まれない状況が続いてきた。

 その後、2019年からはラリークロス界に“復帰”し、ESモータースポーツが開発を担当したシュコダ・ファビアRXスーパーカーでWorldRXの2戦にエントリーすると、双方ともに4位の好成績を残してみせる。

 その活躍を土台として、2020年はGCK UNKORRUPTEDに開発ドライバーとして参加し、今後も電動化に向けた同チームのプログラムを支援する計画だという。

2020年には、すでにGCK UNKORRUPTEDに開発ドライバーとして参加していたケビン・アブリング
2019年にはESモータースポーツが走らせるシュコダ・ファビアで、ノルウェーとスウェーデンの2戦に参戦した

■「メガーヌについての理解はますます深まりつつある」とアブリング

「僕はこれまでにも、いくつかの素晴らしいプロジェクトに取り組んできたけれど、この先のモータースポーツで起こること、その未来にとてもワクワクしているんだ」と語ったアブリング。

「ここまでの継続を踏まえた上で、今季は並行して世界レベルのチャンピオンシップ全体を戦うチャンスを得るために取り組んできた。昨季はフィンランドへの遠征を含め最新のプロジェクトとテスト活動のおかげで、これまで以上に速く走れるようになったと感じている」と、ドライビング技術向上の自信も口にするアブリング。

「これまで、すべてのチームメンバーと緊密に連携してきたが、メガーヌについての理解はますます深まりつつある。一緒にWorldRXの勝利を目指し、プッシュする日が待ち切れない気分だ!」

 初期にはプロドライブと協業でマシン開発を行なってきたGCKだが、今季プログラムに向けては引き続きフランスのエンジニアリング企業、FORSテクノロジーズと提携し、ルノー・メガーヌとクリオの戦闘力向上を続けていくという。

 2021年のWorldRX新シーズンは、7月23〜24日にスペイン・バルセロナで幕を開け、その後ドイツ、スウェーデン、フランス、ラトビア、ベルギー、ポルトガルでの全8戦が予定されている。

「これまで以上に速く走れるようになったと感じている」と自信を深めるアブリング(写真はルノー・クリオR.S.RXスーパーカー)
2021年のWorldRX新シーズンは、7月23〜24日にスペイン・バルセロナで幕を開ける