BMW M GmbH代表マルクス・フラッシュに聞く今後。LMDh活動への参加も示唆

 6月3〜6日、ドイツのニュルブルクリンクで開催されたADAC・トタル24時間レース(ニュルブルクリンク24時間耐久レース)。この場で、BMW M GmbH代表取締役のマルクス・フラッシュへの単独インタビューに成功した。BMWのモータースポーツ活動はカスタマーレーシングが継続されていく一方、DTMドイツ・ツーリングカー選手権でのクラス1規定の終了、フォーミュラE活動終了など転換期となっているが、夏ごろには新たな動きがありそうだ。フラッシュはLMDhでの活動も示唆している。

 BMW M GmbHは市販のMモデルを手がけるほか、M2 CSレーシングなどカスタマーレーシングカーの販売も手がける。そんなBMW Mの代表取締役を務めるフラッシュは、自らBMW M2 CSカップクラスにジェントルマンドライバーとして参戦。さらに期間中に行われた新型BMW M4 GT3、ストリートバージョンのM4カブリオレ、Mパフォーマンスパーツ仕様のM4のプレゼンテーションを行うなど、多忙なレースウイークを過ごした。

 そんなフラッシュにまず聞いたのは、2022年に本格デリバリーがスタートするBMW M4 GT3について。6月26日に開催されるニュルブルクリンク耐久シリーズ(NLS)にテスト参戦する予定で、ホモロゲーション前とありSP9-Xクラスから出場する。そこで、9月にFIAのホモロゲーションを受けた後、今季NLS以外のレースにテスト参戦をする予定はあるのかを聞いた。

 フラッシュはこれに対し、「開発テストでは何度もノルドシュライフェで走行を重ねてデータ収集は行っているものの、NLSで初めてニュルレースに出場するので、新M4 GT3がどのような走りを実戦でみせるかはまだ分からない。その結果によっては他のレースにもテスト参戦をする可能性も考えられる」と、今季中の他レース参戦も示唆した。

 2021年からGT3カーで争われるDTMを主催するゲルハルト・ベルガーともその件に関して何度も話し合いを重ねているとのことで、今季DTMのどこかのラウンドにも、状況が整えば参戦する可能性もあるという。なお、DTMは2023年から電気自動車でのレースも企画しているが、GT3同様にベルガーとは“より魅力的なモータースポーツ”というテーマで意見交換をしているという。フラッシュとベルガーはともにオーストリア人で、馬が合うようだ。

 またBMWモータースポーツでは、2019年にクラス1規定のDTMが終了してから、20%のリストラを行ったといわれるが、社員エンジニアに聞き取り調査を行ったところ、主に40代以降のエンジニアが対象で、実質的には30%程が早期退職者を募りリストラの対象となったという。また、ワークスドライバーも数名が契約を終了、もしくは自由契約というかたちに変更になっている。

 一方BMWは今季限りでのフォーミュラE活動終了を表明しているが、そのエンジニア陣が新規に立ち上げられるLMDhプロジェクトを担う可能性があるという。残留しているエンジニアの大半は新GT3プロジェクトに携わっているが、すでにその開発業務がほぼ終了しているだけに、今後はその中からLMDhプロジェクトへと移動になる可能性もある。現時点では目立った社内の動きはまだないが、彼らも自身の今後の活動の方向を楽しみにしているとの情報を得ている。

 なお数年前からGT3やGT4、M240iレーシングやM2 CSらのセクションは、BMWモータースポーツの管轄から離れ、カスタマーレーシングとしてM GmbHに移管されている。

 今後の活動についてはBMWモータースポーツから7月に発表されると言われているが、アウディやポルシェとともにBMWがル・マンのグリッドにつく日が来るだろうか。なお、ニュルブルクリンク24時間のレース前には、WECにデビュー予定のグリッケンハウス007 LMHがデモランを行ったが、デモ走行前のパドックでアウディやBMW、ポルシェのエンジニアらが興味深く007 LMHを観察するシーンも見られ、ジェームズ・グリッケンハウス自身がエンジニアたちに解説をしている場面も見られた。

BMW M GmbH代表のマルクス・フラッシュは自らニュルブルクリンク24時間にドライバーとしても参戦した。
BMW M GmbH代表のマルクス・フラッシュは自らニュルブルクリンク24時間にドライバーとしても参戦した。
BMW M GmbH代表のマルクス・フラッシュ
BMW M GmbH代表のマルクス・フラッシュ
ニュルブルクリンク24時間のスタート前にデモランしたグリッケンハウス007 LMH
ニュルブルクリンク24時間のスタート前にデモランしたグリッケンハウス007 LMH