【レースフォーカス】アップデートを遂げたKTM…オリベイラがカタルーニャで挙げた今季初優勝/MotoGP第7戦

 MotoGP第7戦カタルーニャGPでは、KTMのミゲール・オリベイラ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)が2021年シーズン初優勝を飾った。第6戦イタリアGPに続く、2戦連続の表彰台獲得である。KTMはイタリアGPから新しいフレームを投入し、そして燃料面で、新しいパートナーシップを結んでいた。
 
 オリベイラは2列目4番手スタートだったが、絶好のスタートを切って1コーナーを過ぎるころには2番手に浮上。2周目には先頭を走っていたジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)を交わしてトップに立った。12周目にはファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)のオーバーテイクを許すも、遅れることなくトップを奪還し、今季初優勝を上げた。KTMとしても2021年シーズン、初めての勝利となった。
 
 2020年シーズンにはKTM全体として、3勝、5度の3位表彰台を獲得。2021年シーズンからはコンセッション(優遇措置)の適用から外れた。しかし、2021年のシーズン序盤は、苦しい戦いが続いていた。
 
 第6戦イタリアGPの話に戻るのだが、KTMはイタリアGPから、新しいフレームを投入していた。第6戦イタリアGPでは、オリベイラが2位表彰台を獲得した。これはスペインGP後のテストで初めて走らせたものだという。ここから第7戦カタルーニャGPにかけて、流れが上向きになっていったようだった。
 
 また、ブラッド・ビンダー(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)が362.4km/hのトップスピードを記録している、という点についても触れたい。確かにトップスピードは、昨年からすでにその実力を見せていた部分ではある。ただ、今季については、KTMが新たなパートナーシップを結んだことも、一つの要因のようだ。5月25日、イタリアGPより、レッドブル・KTM・ファクトリーレーシングのKTM RC16が、ETSレーシング・ヒューエルスの燃料を使用することが発表されている。ETSレーシング・ヒューエルスが供給するのは、マニュファクチャラーやチームと協力して設計された、カスタムメイドの燃料であるという。
 
 これについては第6戦イタリアGPのレースウイーク中、オリベイラが「(ムジェロでは)チームが使っている燃料のおかげで、トップスピードが上がっているみたいだ。もちろんこうしたすべてが、速く走るための要因になる」と語り、ビンダーも「僕たちは新しい燃料を得た。これで少しだけスピードが増したんだ。新しいフレームと新しい燃料の組み合わせでよくなった」と述べていた。

■2021年、まずは1勝を挙げたKTM。オリベイラの今後についての見解は

 さて、再び第7戦カタルーニャGPの話に戻る。オリベイラは決勝レース後の会見のなかで「ムジェロからのアップデートはとても役立っている」と認めている。上述のような新しいフレーム、燃料といった要素がうまく機能しているようだ。さらに「みんなが最大限努力して、小さな問題を解決しようとしている。KTMは僕たちが必要とするすべてのことに対応してくれているんだ」と、KTMへの信頼を語った。

「他に何ができるのかというと、僕たちが必要とする最大限の努力をすることだ。必要なときにはいつでも対応できるツールがあると期待している。僕たちは安定したバイクを持っていて、様々なサーキットで対応できるいいパッケージがある。そして、これは過去に僕たちに欠けていたものだった。2019年のような、ちょっと……というバイクもあった」

「今は、ライダーにとって、さらに乗りやすいバイクになっていると思う。僕たちはしっかりとしたチームで取り組んでいる。技術だけではなくライダーにとっても価値のあるものをファクトリーにフィードバックしていると思う。僕たちができるのはそういうことだけだけど、今後もこういう形でレースに臨みたい」
 
 新しいフレームやアップデートによってバイクがよくなったことで、今後も安定したシーズンを送ることができるか、と質問されると「はい、と言いたいところだけれど、この手の質問に明確な答えを示すのはラクなことじゃない」と、オリベイラは現実的な回答をしている。オリベイラというライダーは、比較的いつもクレバーな答え方をするのだ。
 
「どのサーキットにも特徴がある。レースを完走するため、いいパフォーマンスは発揮するため、そして予選でいい結果を出すためには、常に多くの細かいところに取り組んでいかないといけないんだ。でも今は、どの部分でもうまくいっていると言えると思うよ。過去には、ムジェロのようなサーキットは苦戦していたけれど、(先週は)いい週末を過ごすことができた。だから、今後のレースでもうまくいくことを願っている。シーズンが終わるまでは未知の世界だ。昨年はレースをしていないところもあるからね」

 チームメイトのビンダーは、レース中にマーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)との接触などがあり、タイヤに問題を抱え、さらに残り3周で「タイヤが完全に終わってしまった」レースだったそうだ。
 
 ビンダーは「ミゲールが優勝したのはほんとにすごい。彼に敬意を表したい」とチームメイトを祝福しつつ、「全体としてに、チーム全体が素晴らしい仕事をしてくれている。バイクはとても強く、残りのシーズンでも競争力を発揮できると思うんだ」と、マシンのポテンシャルについて前向きな様子だった。
 
 2021年シーズンも前進を続けるKTMを、裏付けるカタルーニャGPのオリベイラの優勝だったのではないだろうか。