F1タイヤアクシデント多発問題、ハミルトンの左リヤにもカットが見つかる。ピレリ、原因はデブリの可能性との見解

 2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP決勝で2回のタイヤトラブルが発生、F1公式タイヤサプライヤーのピレリは、デブリによってタイヤが傷ついたことが原因である可能性が高いとの初期の見解を示した。

 ランス・ストロール(アストンマーティン)は51周のレースの30周目、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は44周目に、それぞれ左リヤタイヤがバーストするという問題に見舞われ、ストレートで激しいクラッシュを喫した。幸いふたりにけがはなかった。

 ストロールのクラッシュの後はセーフティカーが出動、フェルスタッペンのアクシデントの後には赤旗が提示され、レースが中断された。

2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP ランス・ストロール(アストンマーティン)のタイヤがパンク
2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP ランス・ストロール(アストンマーティン)のタイヤがパンク

 ピレリのF1およびカーレーシング責任者マリオ・イゾラは、日曜の段階での見解として、パンクの原因はタイヤの摩耗ではなく、デブリによりタイヤが傷つけられたことであるとの予測を示した。

「トラブル原因としてタイヤの摩耗は除外していいと考える。バクーで最もストレスがかかるのは左リヤタイヤではなく右リヤだからだ」とイゾラがコメントしたとFormula1.comが伝えた。

「調査前に何らかの結論を示すつもりはないが、デブリによりカットされたように思われる。繰り返しになるが、あのタイヤ(左リヤタイヤ)は一番ストレスがかかるタイヤではないからだ」

「ちなみに、他のマシンが使用した同じタイプのタイヤで同じ周回数をこなしたものを調べたが、何の問題もなかった。従って、予備調査においては、外的要因、つまりデブリや縁石といったものが原因なのではないかと考えられる」

「他の要因としては、チームによると、兆候や前兆のようなものはなかったという。彼らからのテレメトリーを見る必要があるが、彼らの報告によれば、兆候もなければバイブレーションもなく、タイヤの問題は見られなかったという」

2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がタイヤトラブルでクラッシュ
2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がタイヤトラブルでクラッシュ

 イゾラは、フェルスタッペンのアクシデントについては、ストロール車のデブリを踏んだことが原因かもしれないと述べている。

「マックスに関しては、ランスのマシンのデブリかもしれない。ランスについては、正直言って今の段階では分からない。彼のクラッシュの前には何もインシデントはないからだ。だがトラック上に何かがあった可能性を否定できない」

「2018年にはボッタスがメインストレートで大きなデブリを踏んで、突然タイヤの空気が抜けた。あのケースでは画像でそれが確認できたし、デブリがタイヤをカットしているのが分かった。だが今回のケースはもう少し複雑なようだ」

「当然のことながら、画像も使って調査を行う。画像や動画など、何が起きたのかについて理解するのに役立つものがあれば、それを利用する」

 ピレリは、赤旗中断中、ルイス・ハミルトンのメルセデスの左リヤタイヤにも切り傷を見つけたという。それはセカンドスティントで履いていたハードタイヤのだった。

「ルイス・ハミルトンの左リヤタイヤのイン側ショルダーにもカットを見つけた。(フェルスタッペンの事故の際と)同じスティントで使用されたものだ」とイゾラ。

「切り傷はかなり深くて大きかった。6~7センチぐらいだ。だが、その傷は構造にまでは至っていなかったので、タイヤ全体の破損にはならなかった。切り傷があるだけの状態だ。赤旗が出て、ルイスがピットレーンに入ってきて、タイヤを交換した後、そのタイヤに切り傷があるのを見つけた」

 ピレリは問題のタイヤをミラノの研究所に空輸し、詳細な調査を行うという。2週間後のフランスGP前までにチームに対して調査結果の報告を行う予定だということだ。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)