ヘルメットの着用義務とは?頭や顔、首を守るために着用は不可欠【バイク用語辞典:交通ルール編】

■ヘルメットの安全性や構造、重量、視野の確保など7つの要件を道路交通法で規定

●着用が義務付けられているヘルメットには、PCSマークのほか、SGマーク、JIS、SNELLなどの規格が存在

ヘルメットの着用の本格的な義務化は、1975年に始まりました。背景には、1960年代のバイクブームの中で若者の死亡事故が多発したことがあります。ヘルメットは、デザインやスタイルで選びがちですが、何よりも安全性の確かなものを選ぶことが大切です。

ヘルメットの着用義務や安全性の規格について、解説していきます。

●ヘルメットの装着義務はいつ始まった?

今ではヘルメット装着は当たり前で、義務付けられていますが、その昔はノーヘルでも問題のない時代がありました。しかし、1960年代のバイクの普及とともに若者の死亡事故が急増したこと、また高速道路の整備が進んだこともあり、これらを背景にバイクのヘルメット装着の義務化が始まりました。

・1965年:高速道路でのヘルメットの着用の努力義務(罰則なし)

・1972年:最高速度規制が40km/hを超える道路でのヘルメット着用の義務化(罰則なし)

・1975年:政令指定道路区間で51cc以上のバイクでヘルメット着用の義務化(罰則あり)

・1978年:すべての道路で51cc以上のバイクでヘルメット着用の義務化(罰則あり)

・1986年:原付も含め、すべてのバイクでヘルメット着用の義務化(罰則あり)

●ヘルメットに関する安全基準

ヘルメット
ヘルメット

バイクのヘルメットに関する安全基準については、道路交通法で以下の通り規定されています。

・左右、上下の視野が十分とれること

・風圧によりひさしが垂れて視野を妨げることのない構造であること

・著しく聴力を損ねない構造であること

・衝撃吸収性があり、かつ、帽体が耐貫通性を有すること

・衝撃により容易に脱げないように固定できるあごひもを有すること

・重量が二キログラム以下であること

・人体を傷つけるおそれがある構造でないこと

ただし、具体的な構造や強度については規定されておらず、国内外で製品安全協会のような団体やJISのような国の機関などが独自に規格を設定しています。ヘルメットメーカーでは、これらの規格に適合するように設計し、衝撃吸収試験や耐貫通性(尖ったものに対する強度)試験、ロールオフ(ヘルメットが脱げないか)試験、チンパー(顎の部分の強度)試験などを実施しています。

●代表的なヘルメットの規格

ヘルメットの安全性を示す規格としては、代表的なものとしてPSCマークやSGマーク、JIS規格、SNELL規格などがあります。

安全レベルは概ね20210604、SG<PSC<JIS規格<SNELL規格の順に高くなります。

ヘルメットの規格
ヘルメットの規格

・SGマーク
PCSマークと同様、消費生活用製品安全法に準じていますが、国ではなく製品安全協会が所定の安全基準に適合していることを示すマークです。通常は、PCSマークとGSマークがセットになっているケースが多いですが、SGマークの取得は任意なのでSGマークが無くても国内で販売できます。

・PCSマーク
消費生活用製品安全法という国が定めた所定の安全基準に適合したことを示すマークです。国内で販売されるバイク用ヘルメットには、このマークの取得が義務付けられています。

・JIS(日本産業規格)マーク
ご存知のように産業製品全般に関する規格を定めたマークです。PSCやSGよりも厳しい規格ですが、この取得も任意なのでマークが付いてなくても販売は可能です。

・SNELL規格
世界で最も厳しいことで知られるアメリカの規格です。ヘルメット自体の強度を重視しており、「Arai」や「SHOEI」のトップモデルがSNELL規格を取得しています。


好みのデザインやスタイルのヘルメットを選ぶことは、ライダーの楽しみのひとつです。一方、バイクの死亡事故の約半分は、頭部の損傷に起因するのでヘルメットの安全性は非常に重要です。乗るバイクに適したヘルメットを価格と安全性のバランスで選択することになりますが、適切なサイズとフィット性が大前提です。

Mr.ソラン