「WRX STIチューニング最前線」車検対応仕様で最高速に挑んでみた!

「WRX STIチューニング最前線」車検対応仕様で最高速に挑んでみた!

ギヤ比変更で最高速記録を更新!

ステージを選ばないマルチファイター仕様のVAB

過去に284.51km/hという最高速をマークして周囲を驚かせた老舗“マルシェ”のWRX STI。あくまでも車検対応の範囲内で、“ステージを選ばずタイムが出せるクルマ”がコンセプト。筑波サーキットは1分フラット、鈴鹿サーキットは2分17秒台の実力を誇り、自走でどこにでも向かうことができるチューニング好きの理想的なクルマ作りといって良いだろう。

エンジンはHKSのキットを投入した2.2L仕様で、タービンにはトラストとともにキット開発を進めたTD06H-20RXをセット。高風量でありながらブーストの立ち上がりに優れているのが特徴で、ウエストゲートタイプの排気バイパスにより、ブーストのタレが少ないのもポイントだ。前置きインタークーラーキットとエアインクスキットも高出力を生み出すのに欠かせないパーツだ。

ピークパワーは、マルシェオリジナルECU制御により511ps(ブースト1.8キロ)を獲得。高回転でブースト圧がタレないよう、燃調や点火時期のセッティングを追い込んだそうだ。

ミッションにはVABよりもハイギヤード設定のレガシィ純正6速を投入。これについては「最高速重視のセットアップですね」とマルシェ坂本さん。

車高調はテインのモノレーシング(F14kg/mm R16kg/mm)。アライメントまで含めて、高速域でも不安なくアクセルを踏んでいける仕様としている。ブレーキはエンドレスで、フロントは6ポットモノブロックキャリパーに355mmローター、リヤは4ポットキャリパーに332mmローターをインストール。ホイール&タイヤは、ボルクレーシングZE40(FR10J+39×18)とディレッツァ94R(FR255/35)の組み合わせだ。

インテリアはノーマル風の雰囲気を維持。変更点はフルバケットシートレール(ブリッドジータIIIプラス)くらいで、軽量化も特にされておらず快適装備満載だ。

エアロパーツにはバリス製をチョイス。パーツ構成は、前後バンパー、サイドステップ、フロントワイドフェンダー、エアボンネット、フロントアンダー、リヤディフューザー、GTウイングだ。

こうしたアップデートが功を奏し、2021年5月に行った最高速テスト(ドライバー:稲田大二郎)では、自己ベストを上回る287.87km/hをマーク(GTウイングレス状態)。リミッターを解除した純正車両の最高速は240km/h前後。そこから50km/h近いスピードアップは、パワフルなエンジンとそれを活かすボディ、そしてサスセッティングの賜物だ。

車検対応のストリート仕様でこの記録は十分すぎるレベル。ベース車両を徹底的に見極め、弱点の補強と長所の引き延ばしでトータルパフォーマンスの底上げを図る老舗の技。WRX STIの生産は終了したが、チューニングはまだまだ終わらないのである。

●取材協力:カーステーションマルシェ 群馬県前橋市亀里町1224 TEL:027-265-6789