「D1ライツで圧倒的な強さを見せるPS13シルビアの全て」GPマシンに匹敵する強烈ドリフトスペック!

「D1ライツで圧倒的な強さを見せるPS13シルビアの全て」GPマシンに匹敵する強烈ドリフトスペック!

TOPTULのマシンをヴィトー好みにモディファイ!

630馬力の2JZ-GTEを搭載するモンスターシルビア

D1ライツシリーズの開幕戦で3位入賞。さらに5月末に開催された名阪の2連戦では、第2戦で優勝、第3戦でも2位と、一気にポイントを稼いでシリーズランキングのトップに躍り出たのが、PS13シルビアを駆るヴィトー博貴選手だ。

ヴィトー選手は、21歳の時にドリフト天国誌主催の全日本学生ドリフト王座決定戦で優勝した実績を持つ関西屈指の達人。相棒のPS13シルビアは、かつてフォーミュラドリフトジャパンにて柳杭田選手が使用していたTOPTULのデモカーで、それをD1ライツのレギュレーションに合わせてリメイクしつつ、ヴィトー選手の好みに沿うようパーツ変更やリセッティングを施したという。

心臓部は2JZ-GTEで、HKSのキットを使って排気量を3.4Lまでアップ。ハイカムや大容量サージタンクなども組み込まれ、まさしくフルチューンエンジンという仕様だ。マシンメイクは島根県のウエストオートが担当しており、制御はフルコンのLINK G4+フューリーが担う。

組み合わせるタービンはGCGのGTX3584RS。3.4Lにはやや小さめのサイズだが、D1ライツが開催されるショートコースにはベストと判断。フォーミュラドリフトジャパン参戦時はレースガスを使用してブースト1.3キロ時に830psを発生させていたが、D1ライツは市販ガソリンの使用が絶対だ。そのためハイオクガスでセッティングを取り直し、現在はブースト1.5キロ時に690psを発揮する仕様となっている。

冷却チューンも徹底。各クーリングパーツのコアは、フロントのコアサポート周辺にまとめて配置。さらにインタークーラー上にはウォータースプレーのノズルをセットし、急速冷却を可能にしている。右フロントタイヤの前方に確認できるコアはパワステクーラー用だ。

車高調はレーシングギアのフォーミュラXダンパー(F11kg/mm R4kg/mm)をベースに減衰力を変更。テンションロッドはZ.S.S.製で、ロアアームは風間オート製の25mm延長タイプ、切れ角アップはN-style製の中村直樹ナックルにて達成している。

ミッションはTTI製の5速シーケンシャルドグで、D1ライツシリーズではまだ装着率の少ないクイックチェンジ(デフ)もインストール。その他、リヤナックルは割れにくいGT-R純正を流用するなど、駆動系のメイキングは完全にD1GPレベルだ。

タイヤはヴァリノのペルギアで、フロントに08Rの245/40-17、リヤに08RSの265/35-18という前後異径の組み合わせを履く。ホイールはN-styleの極(F9.5J-3 R9.5J+12)。

室内は競技仕様として作り込まれているものの、純正のダッシュボードやドアトリムは残されている。ロールケージやスポット増し補強は必要最低限に留め、ウインドウ類はリヤの3面のみアクリル化。シートはブリッドのジータで、運転席側のみハンス対応モデルとなっている。

助手席側のクォーターにはドライバー冷却用のダクトを設置。これについては「ファンが内蔵されているわけではないので走らないと風は入ってこないんですが、かなり涼しいですよ!」と、その効果を実感しているそうだ。

トランク内には安全タンクやコレクタータンクなど燃料系パーツをまとめて配備。パーコレーション防止のフューエルクーラーもセット済みだ。ウォータースプレー用のポリタンクは重量バランスを考慮し両サイドに配置している。

第2戦の決勝では「名阪でよく一緒に走っている」という高木美紀選手と対戦。1本目は高木選手が振り出し直後に乱れて接近できなかったこと、2本目では後追いのヴィトー選手がきっちりと寄せていったことで決着。D1ライツ参戦2戦目にして初優勝を決めた。

なお、翌日の23日(日)に行われた第3戦では優勝こそ逃したものの2位を獲得。この結果、第3戦終了時点でのドライバーズランキングは2位に25ポイントもの差をつけて首位に立ったのだ。

「目標としていたD1GPライセンスは獲得できたので、来年の参戦に向けてチャンピオンを取りに行きたいですね」とヴィトー選手。一線級のマシンで躍進を続ける男がどこまで記録を伸ばしていくのか、その動向には注目していきたい。

TEXT&PHOTO:Daisuke YAMAMOTO