SBK第2戦エストリル:レイ対レディング、レース2のトップ争いは王者に軍配。野左根は13位フィニッシュ

 スーパーバイク世界選手権(SBK)第2戦エストリルラウンドがポルトガルのエストリル・サーキットで行われ、レース1はスコット・レディング(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)、スーパーポール・レースとレース2はジョナサン・レイ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)が優勝した。SBKに参戦する唯一の日本人ライダー、野左根航汰(GRTヤマハ・ワールドSBKチーム)はレース2で13位フィニッシュを果たした。

 第2戦エストリルラウンドは、MIEレーシング・ホンダ・チームがマシンの開発を目的に欠場。今季、同チームからエントリーしていたレアンドロ・メルカドが参戦せず、第2戦には全22人のライダーが参戦した。

 土曜日のレース1は、気温19度。路面温度39度のドライコンディションで行われた。ポールポジションにはレイ、2番手にはレディング、3番手にはトプラク・ラズガットリオグル(パタ・ヤマハwith BRIXXワールドSBK)が並ぶフロントロウ。野左根は16番グリッドからスタートした。

 先頭で1コーナーに飛び込んだのは2番グリッドスタートのレディング。2番手にはラズガットリオグルが続き、レイは3番手に後退する。レイのすぐ後ろにはマイケル・ルーベン・リナルディ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)がつけ、この4人がトップ集団を形成。2周目にはリナルディがレイを交わして3番手に浮上した。
 
 しかしその翌周の1コーナーのブレーキングで、レイがリナルディをオーバーテイク。3番手を奪還する。そうする間にトップのレディングと2番手のラズガットリオグルはレイ、リナルディとの差を広げ、3周目で1秒のアドバンテージを築いた。4人だったトップ集団はトップのレディングと2番手のラズガットリオグル、そして3番手のレイと4番手のリナルディに分かれていった。
 
 レース中盤の10周を終えて、トップは依然としてレディング、2番手はラズガットリオグル。一時は0.5秒ほどに広がったふたりの差は、中盤に再び縮まっていく。一方、4番手のリナルディはレイから大きく遅れ、3番手のレイは次第に2番手のラズガットリオグルに接近。レイは1秒ほどあったラズガットリオグルとの差を少しずつ削っていった。
 
 こうして残り5周、トップを走るレディング、2番手のラズガットリオグル、3番手のレイの差はわずかとなった。残り3周には2番手のラズガットリオグルと3番手のレイとの差はほぼないに等しく、レイがラズガットリオグルを交わそうと勝負を仕掛ける。ラズガットリオグルとレイが争う間に、レディングはわずかながら差を広げた。
 
 最終ラップ、再びレイがラズガットリオグルに勝負を挑むも、ラズガットリオグルがイン側のラインを締めてレイのオーバーテイクを許さない。ラズガットリオグルとレイの2番手争いは最終コーナーまで続いた。
 
 レディングはそのまま逃げ切り、トップでチェッカーを受けて開幕戦アラゴンのレース2に続く今季2勝目を挙げた。2位を守ったのはラズガットリオグル、レイはわずか0.038秒差で3位だった。
 
 4位はギャレット・ガーロフ(GRTヤマハ・ワールドSBKチーム)、5位はリナルディ。野左根は16番手からスタートし、序盤は17番手で周回を重ねた。その後、集団のなかで14番手にポジションを上げ、最終的にポイント圏内の15位でフィニッシュした。
 

■レース2:接戦のトップ争いは転倒で決着

 日曜日の午前中に行われたスーパーポール・レースでは、レイが優勝。2位はラズガットリオグル、3位はレディングが獲得。野左根は15位だった。この結果によりレース2はレイがポールポジション、ラズガットリオグルが2番グリッド、レディングが3番グリッドというフロントロウ。スーパーポール・レースの結果がレース2のグリッドに反映されるのは9位までのため、野左根はスーパーポール(予選)の結果のまま、16番グリッドからのスタートとなった。
 
 レース2のスタート前には、SBKライダーやチーム関係者などがグリッド上に並び、ロードレース世界選手権Moto3クラスのライダーであり、5月29日に行われたMoto3クラスの予選中の転倒により死去したジェイソン・デュパスキエへ黙とうが捧げられた。
 
 レース2は気温24度、路面温度43度のドライコンディション。スタートで飛び出したのは、レディングで、2番手にはレイ、3番手にリナルディが続いていたが、リナルディが1周目でレイにオーバーテイクを仕掛け、レイと軽く接触しながら2番手に浮上。レイはこの接触によりやや後退する。
 
 2周目を迎えて、トップはレディング、2番手にはリナルディ、3番手にはラズガットリオグルが続き、ラズガットリオグルの後ろにはガーロフが続く。
 
 しかし、2周目の6コーナーでリナルディとガーロフがクラッシュ。ガーロフが6コーナーのブレーキングでマシンの挙動を乱し止まり切れず、前を走っていたリナルディに接触したのだ。リナルディは巻き込まれる形での転倒となり、上位を走っていたふたりのライダーがここでリタイアとなった。
 
 3周目を迎えてトップはレディング、2番手にはラズガットリオグルが続き、一時は6番手に後退したレイが早くも3番手につける。2番手を走るラズガットリオグルは、スタート時にレッドシグナルが消灯する前にマシンを発進させてしまうジャンプスタートを喫していた。このため、ダブル・ロングラップ・ペナルティが科されることになる。
 
 ラズガットリオグルは5周目に1回目、その翌周に2回目のロングラップ・ペナルティを消化し、6番手に後退。代わってレイが2番手にポジションを上げた。レイの後ろ、3番手には9番手スタートのチャズ・デイビス(チーム・ゴーイレブン)がつける。
 
 ダブル・ロングラップ・ペナルティにより6番手にポジションを落としたラズガットリオグルだったが、猛烈な勢いで追い上げ、9周目にはアレックス・ロウズ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)をとらえて4番手に浮上した。
 
 トップはレディングが守っていたが、レイが次第にその背に迫り、10周目にはふたりの差が0.7秒、11周目には0.3秒ほどになる。レイは11周目にファステストラップを叩き出して、レディングを追い詰めていく。
 
 じりじりとレディングとのギャップを詰めるレイ。15周目にはテール・トゥ・ノーズとなった。メインストレートでレイがレディングに並びかけるも、レディングがポジションを守る。しかし、3コーナー立ち上がりでレディングに先行したレイが、4コーナーで完全に前に出たとき、レディングのフロントがグリップを失った。ここまでトップを走り続けたレディングはスリップダウンを喫し、すぐさまマシンを起こしてレース復帰したものの、大きく後退した。
 
 残り5周を切って、トップはレイ、2番手にはデイビス、その約6秒後方の3番手を走るのはラズガットリオグル。2番手のデイビスは一時、レイとの差を縮めていたが、残り2周になるころには再びその差が開き始めた。
 
 レイはそのままトップでフィニッシュ。第2戦エストリルラウンドで2勝目、今季4勝目を挙げてチャンピオンシップのランキングトップを維持した。2位はデイビスで、2021年シーズン初の表彰台獲得。今季、インディペンデントチームであるチーム・ゴーイレブンに移籍し、初めての表彰台となった。そしてジャンプスタートによりダブル・ロングラップ・ペナルティを科されながらも、ラズガットリオグルが3位に入った。
 
 4位はロウズ、5位はアンドレア・ロカテッリ(パタ・ヤマハwith BRIXXワールドSBK)。野左根は13位でフィニッシュを果たし、今大会ではレース1に続きレース2でもポイントを獲得した。レイとのトップ争いを演じながらも転倒を喫したレディングは14位でフィニッシュ。しかし、レース2でジャンプスタートを行ったことが判明したため、審議の結果6秒のペナルティが科され16位に降格している。

 また、スーパースポーツ世界選手権(WSS)に参戦する唯一の日本人ライダー、川崎祥吾(G.A.P.モトズー・レーシングbyプセッティ)は、レース1で24位、レース2で22位だった。