次のクルマは電動車にする? 1283人中83.9%が「購入しない」。理由が「高い」が39.9%

■電気自動車は「高い」と思う人がまだまだ多い

地球温暖化対策などで、世界的に「クルマの電動化」が進んでいます。

日本でも2020年12月に、政府は「遅くとも2030年代半ばまでに、乗用車の新車販売を100%電動車」にする方針を発表。また、東京都の小池知事は「2030年までに、(都内で販売される乗用車新車販売の)100%非ガソリン化を目指す」と発言しました。

国などが積極的に推進しているクルマの非ガソリン化ですが、一般ユーザーはこれについてどういった意識を持っているのでしょうか? 定額カーリース「おトクにマイカー 定額カルモくん」を運営するナイルでは、クルマを所有する全国の男女1283人を対象に、「環境にいい」とされるクルマについての意識調査を実施。

その結果、次の買い換えで電気自動車などの電動車を「購入しない」人は83.9%、その理由は「高い」が最も多いことが分かりました。

●次の買い換えで電動車を買う人は16.1%

調査は、2021年4月23日〜5月5日の期間、インターネットのアンケート方式で行われました。なお、ここでいう電動車とは、BEV(ガソリンエンジンを使わない電気自動車)、FCV(燃料電池自動車)、ハイブリッド(プラグインハイブリッド・ハイブリッド)自動車を指します。

次のクルマに電気自動車を選ばない人が1283人中83.9%
次回に電動車を購入するかどうかの調査結果(出展:ナイル)

アンケートでは、まず「所有しているクルマは、電動車ですか? 」という質問を実施。「いいえ」と回答した方が74.1%、「はい」と回答した人が25.9%で、ガソリンエンジン車に乗る人が圧倒的に多い結果になりました。

次に、所有するクルマが電動車ではないと回答した人に、「次回は電動車を購入しますか? 」と、次の買い換え時に電気自動車やハイブリッド車などを選ぶかどうかを質問。

結果は、前述の通り、「購入しない」と回答した人が83.9%、「購入する」と回答した人はわずか16.1%に留まりました。

●ハイブリッド車が最も人気

また、次回は電動車を購入すると応えた人に、どんなタイプを選ぶかも質問。結果は、「ハイブリッド自動車」を選ぶと回答した人が42.8%で最多に。

次次のクルマに電気自動車を選ばない人が1283人中83.9%
人気のコンパクトカー、トヨタ・ヤリスにはガソリン車も設定があるが、購入者の6割がハイブリッド車を選ぶという。

以下、「電気自動車」33.1%、「プラグインハイブリッド自動車」19.3%、「燃料電池車」4.8%で、ハイブリッド自動車の人気が最も高いことが分かりました。

さらに、調査では、次の買い換えで電動車を購入しないと回答した人に理由も聞いています。

結果は、「電動車は値段が高い(高そう)から」が39.9%で最も多く、以下、「充電場所が少ないから」26.7%、「ガソリン車や旧車のほうが好きだから」11.1%、「電動車は普及していないから」10.1%、「電動者の性能が不安だから」6.3%、「そのほか」5.9%と続きます。

次のクルマに電気自動車を選ばない人が1283人中83.9%
電動車を購入しない理由(出展:ナイル)

ちなみに「値段が高い」と答えた人の中には、「初期費用が高い」「費用対効果が低そう」といった意見があったそうです。

確かに、たとえば、マツダが2021年1月に発売したコンパクトSUVタイプの電気自動車「MX-30EV」の場合でいえば、車体価格(税込)が451万円〜495万円。満充電で走行可能な距離はWLTCモードで256kmですから、値段の割りに距離を走れない、つまり「費用対効果が低そう」というイメージはあるでしょう。

また、BEVなどの電気自動車は、自宅の外壁などに設置する専用の充電コンセントがないと出かける前に不安ですが、設置には安くても10万円程度はかかります。「初期費用が高い」というイメージがあるのは、そういった理由なのかもしれませんね。

ただし、MX-30EVのような電気自動車は、購入時に必要な自動車税(環境性能割)や重量税などは非課税となります。

次のクルマに電気自動車を選ばない人が1283人中83.9%
MX-30EVの走り

さらに、電気自動車などの購入時に費用の補助が受けられるCEV補助金(MX-30EVの場合は23万3000円)または環境省の補助金(MX-30EVの場合は46万6000円)のいずれかを受けることができます(補助金が受けられるのはどちらか一方で、いずれも条件あり)。

そのため、前述の自宅に設置する充電コンセントなどは、こういった補助金で補填できます。ちなみにマツダの販売店によると、MX-30EVは、家を新築したり、改築する際に購入を検討する人も多いといいます。

家を建てる時であれば、ついでに野外コンセントなどクルマ充電用の設備を設置するのも比較的楽です。

また、新築の家などに太陽光発電システムを付ける予定があれば、それとクルマを連動させれば、災害などで停電したときに、クルマのバッテリーへ家庭で使う電気を蓄えることができます。

つまり、MX-30EVのような電気自動車は、「走る以外」の使い方ができることも購入動機のひとつのようです。

●集合住宅に住んでいる人は乗れない?

なお、電動車を購入しない理由で「充電場所が少ないから」と答えた人の中には、「集合住宅のため充電ができない」「まだまだ充電環境が整っているとは言えない」などの意見もあったそうです。

次のクルマに電気自動車を選ばない人が1283人中83.9%
MX-30EVのバッテリー

たしかに、集合住宅に住んでいる人の場合は、自宅に充電用コンセントを勝手に付けることは難しいでしょう。電気自動車の普及には、まだまだこういったインフラの問題は確かにあります。

また、「そのほか」の中には、「パワーがない」「10年で買い替えが必要になってしまう」などの回答があったといいます。

いずれにしろ、今回の調査だけで見れば、電気自動車などを次の買い換えで購入したいと思う人は、まだまだ少ないようですね。また、理由は、上記のように価格を高く感じたり、充電場所など実用性の面で不安に思う人が多いということも分かりました。

政府などが目標とする2030年まで10年を切りました。今後、どう変わっていくのか気になるところですね。

(文:平塚直樹