ベントレーの初勝利から100年。傑作「3リットル」への道を切り拓いた現存する最古の試作車「EXP2」とは?

ベントレーの初勝利から100年。傑作「3リットル」への道を切り拓いた現存する最古の試作車「EXP2」とは?

100年前、ベントレーに初優勝をもたらした試作車

ベントレーとモータースポーツは切り離して語ることができない。草創期からブルックランズ、マン島、インディアナポリス、ポー、ニュルブルクリンクと各地でレースに参戦。数々の優勝や記録をモータースポーツ史に刻みつけてきた。

そんなベントレーが、レースで記念すべきひとつ目の勝利を獲得したのはいまからちょうど100年前。1921年5月16日、英国ブルックランズのサーキットでEXP2が初めて成し遂げたものだ。

ベントレーに初優勝をもたらした5月16日のレースは、「ウィットサン ジュニア スプリント ハンディキャップ」。大小ふたつのバンクをもつブルックランズサーキットで開催され、EXP2のステアリングを握ったのは“ワークス”ドライバーのフランク・クレメント。彼は1924年に「3リットル」に乗り、ジョン・ダフとともにル・マン24時間で初めての1位を獲得している。

ベントレーのモータースポーツ史草創期

地球上に現存する最古のベントレー車

ベントレーがロンドンのクリックルウッド工場から最初に送り出したモデル「3リットル」は、1920年代を代表する存在。その「3リットル」には3台のプロトタイプが存在し、EXP2はW.O.ベントレーが自ら手掛けた2台目の試作車。「現存する最古のベントレー」としても知られている。

W.O.ベントレーは1919年に会社を興してから、2年の時をかけて最初のモデル「3リットル」のためのエンジンとシャシーを開発した。開発プログラムの中で作られたのが、「Experimantals(実験用モデル)」、略してEXPと呼ばれる試作車。第1号のEXP1は歴史上で初めてベントレーバッジが装着された記念すべき車両だが、その個体は現存していない。あるいは、ほかの試作車のために分解して利用されたのではないかとも言われている。

ベントレーの初勝利から100周年を祝うクラブイベント

バトンは黄金時代を築いた「3リットル」へ

一方、EXP2は100年以上にわたり生き残り、現在地球上に存在する最古のベントレーとなっている。当初はエンジンとシャシーの純粋なテストベッドとして作られたため、簡素な2座ボディの車両であったが、のちにロンドンのチャグフォードストリートに拠点を置くコーチビルダー、JH イースター オブによりダークレッドのボディとアルミニウム製ボンネットを与えられている。

EXPが培った技術的土壌をベースに生まれた「3リットル」は、ベントレーのモータースポーツ史に黄金時代を作り上げた記念碑的なモデルだ。1921年から1929年まで、合計1600台超の車体が生産され、販売された。

ベントレーの初勝利から100周年を祝うクラブイベント

ベントレー・ドライバーズ・クラブのリチャード・パーキンソンは次のように語っている。

「ベントレーの歴史で、モータースポーツの栄光はとても大きな役割を占めています。それは我々ベントレー・ドライバーズ・クラブにとっても同じです。ですから私たちは、ベントレーがブルックランズのレースで初勝利した1921年5月16日から100年目、まったく同じ日にEXP2の実車をベントレーからお預かりしてその節目を祝うことにしたのです」

「“ベントレーのレースにおける栄光の100周年”を迎えた今年は、8月7日に実施する恒例のシルバーストンでのミーティングも祝いの場としたいと考えています。ベントレーのヘリテージコレクションからも、貴重な車両の数々を提供いただけると伺っており、大変嬉しく思っています」