【角田裕毅F1第5戦密着】重量計測に手間取りタイムロス。アタック回数も減り、最後はトラフィックの餌食に

 2021年F1第5戦モナコGP初日、2回目のフリー走行で早くもモナコの洗礼を浴びた角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)。プール・サイドの出口側のシケインで、角田は右側のタイヤを前後ともガードレールに接触させ、そのままピットインし、セッションを終えた。

 アルファタウリのチーフレースエンジニアのジョナサン・エドルズによれば、「残念ながら、ユウキは最終セクターでリヤをガードレールに接触させて、不幸にもサスペンションにダメージを受けた。修復するには時間を要するため、セッションを終了することにした」という。

 金曜日の中休みを経て、迎えた土曜日。モナコは前夜降った雨も上がり、ドライコンディションのなかで各セッションが行われたが、路面はラバーが取れて新しい状態になり、また空模様も曇天で、路面温度が20度台と50度に達した木曜日とは路面コンディションが大きく変わる難しい状況となっていた。

 そのため、フリー走行3回目ではニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)とミック・シューマッハー(ハース)がクラッシュしていた。そんななか、角田は初めてのモナコで木曜日に走り込めなかった分を取り戻そうと、この日のフリー走行3回目では20人中、最も多い30周を走行していた。

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第5戦モナコGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

 木曜日のクラッシュの影響について、本人は「僕自体はそこまで(影響は)なかったと思う」と語っていたが、一方で「やっぱりFP2でほとんど走り込みができなかったことはよくないことだったと思います」と言っているように、木曜日に失った45分以上の走行時間のツケは新人ドライバーにとって想像以上に大きかったに違いない。フリー走行3回目で19番手に終わった角田の走りは、予選に入ってもなかなかペースアップすることがなかった。

 なかなかクリアラップが取れないモナコのコース特性を考慮して、1セットのタイヤで3回目のタイムアタックを行う計画を立てていた角田。1回目のアタックで1分14秒785を記録した後、クールダウンラップを1周入れて、2回目のアタックで1分13秒469(19.5〜34.2〜19.7)と自己ベストを1.3秒更新した。3回目のアタックではさらにコンマ6秒自己ベストを更新する1分12秒865をマークしてピットインした。

 ところが、ここで予想外の事態が。「(ピットレーンに入ろうとしたところで)急に(車重検査を示す)ライトが点滅して行かなくちゃいけなくなって……」という角田のマシンは、停止した位置が悪かったためか、車重検査台にスムーズに移動できず、マーシャルが何度も方向を変えながら、ようやく検査となった。

 これで時間を失った角田とチームは、Q1の残り時間を考慮して、2セット目でのアタックは3回アタックではなく、2回に変更。さらに「最後の2回目のアタックではセクター2でトラフィックに遭遇した」(角田)という不運もあり、1分12秒096にとどまり、16番手となってQ2進出を逃した。15番手のセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)との差は、1000分の18秒だった。

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第5戦モナコGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

 抜きどころがないモナコでの16番手は歓迎すべき予選結果ではない。しかし、この日ポールポジションを獲得したシャルル・ルクレール(フェラーリ)もクラッシュしているように、モナコの市街地コースでは何が起きるかわからない。

「とりあえず、レースを完走できるよう頑張りたいです」と語った角田にとって、土曜日は木曜日の悪い流れを断ち切ったという意味でターニングポイントとなったのではないか。

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第5戦モナコGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第5戦モナコGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)