「戦闘力はシルビア以上か!?」BMW M3ベースの最先端ドリ車に迫る

「戦闘力はシルビア以上か!?」BMW M3ベースの最先端ドリ車に迫る

心臓部はトヨタのV6エンジンベースで800馬力を発揮

JZX100よりもE92のマイルドな特性が好成績の秘訣!?

2020年のフォーミュラDジャパンでシリーズランキング2位獲得の原動力となったE92型M3を引っさげ、D1グランプリ2021年シリーズに乗り込んできた高橋和己選手。その実力は本物で、開幕戦で4位、第2戦では3位と、見事に2戦連続での入賞を果たしたのだ。

高橋選手が騎乗しているM3は、ラトビアにあるHGKモータースポーツが販売するコンプリートカーがベース。

「これまでJZX100やシルビアばかりだったんで、それよりも新しい車種でやりたいというのもありました。さらに、E92はJZX100ともホイールベースが近い上、ステアリングラックがロアアームよりも前側にあるので逆関節にならないというメリットもあります」というのが車種チョイスの理由だ。

エンジンは、M3純正メンバーとのマッチングを考慮した結果、ランクルやFJクルーザーなどに純正採用されている4.0L V6の1GR-FEをチョイス。内部はCPキャリロのピストン&コンロッドで4.1Lまで排気量アップされており、制御はLINK(フルコン)のフューリーが担う。

タービンはギャレットGTX3076Rを片バンクに1基ずつ装着。これにブースト1.4キロをかけて800psを発揮させている。

エンジンルームの手前に確認できる大型コアはオイルクーラー。当初はグリルの後方に立て置きしていたのだが、レギュレーションに合わせたボンネットダクトの加工にともなって水平マウントへと変更したそうだ。

ラジエターはリヤウインドウ部分にダクトを設けてその下部に設置。しかし、これでも水温や油温は厳しく、3周も走れば水温100度の油温120度になってしまう状態とのこと。この辺りは今後の課題と言えるだろう。

サスメンバーは純正を使用しており、飛び出してしまうエンジンのオイルパンにはガードを追加して保護。クラッチはORCの1000Fで、ミッションはホリンジャーのシーケンシャルドグをインストールしている。

車高調はJICで、別タンク式の特注モデル(F12kg/mm R10kg/mm)。このサスキットは、仕様を煮詰めてからTMSより市販化予定とのこと。アーム類はアップライト一体式となるワイズファブ製に変更されている。

リヤはM3純正メンバーを加工してSIKKYのクイックチェンジデフを装着し、OS技研のスーパーロックLSDを組み込む。アームはフロント同様にファイズファブ製だ。

ブレーキ類は軽さを重視し、フロントに4ポッド、リヤはフット用2ポッド+サイドブレーキ用4ポッドのウィルウッドキャリパーを組む。ホイールはグラムライツ57トランセンド(F9.5J+15 R10.5J+20)で、タイヤはサイルンのジーンRポディウムD(F265/35-18 R285/35-18)だ。

ロールケージは、フォーミュラDジャパンとD1グランプリそれぞれのレギュレーションに合致するよう製作。ダッシュボードはHGKの製品で、そこにモーテックのC127ディスプレイロガーをセット。シートはブリッドのゼロMSを後方にマウントし、合わせてチルトンのペダルも設置。ステアリングハンドルはヴェルテックス製だ。

燃料タンクは、クラッシュ時のリスクを軽減させるべく助手席後方の隔壁内に配置。もう一方の隔壁内には燃料ポンプ類をマウントしている。トランクスルー部分に固定されているのは、スバルWRX STIから流用した12Lのウォータースプレー用タンクだ。

最先端のドリフトメイクで仕上げられたM3だが「このクルマはトルク型のエンジンで奥伊吹みたいなコースにはベストなんですけど、筑波(次戦)だとJZX100の方が合ってると思うので、迷っているんですよね…」と高橋選手。

ちなみに現在、高橋選手は超過激なJZX100マークIIを製作中で、筑波戦に持ち込むことも考えているそうだ。6月26日(土)・27日(日)に予定されているTSUKUBA DRIFTには、果たしてどのマシンを投入するのか、そしてどんな走りを見せれくれるのか。今シーズンのD1グランプリシリーズでは、高橋選手に注目が集まりそうだ。

TEXT&PHOTO:Daisuke YAMAMOTO

【関連サイト】

D1公式ウェブサイト

https://d1gp.co.jp