予想外の不振に苦しむ岩佐歩夢。決勝では「引きのレースでは上にいけない」と攻めの姿勢/FIA-F3第1戦予選

 今週末のスペインが開幕戦となった2021年のFIA-F3選手権。昨年のフランスF4選手権を圧倒的な強さで制した岩佐歩夢(ハイテックGP)は、開幕前のバルセロナテストでも総合2番手の速さを発揮。レース本番での活躍も期待された。

 しかし第1戦スペインの初日はフリー走行14番手、そして予選では19番手と予想外の不振に沈んだ。何が起きたのか。

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──フリー走行から、いまひとつ伸びませんでしたね。

岩佐歩夢(以下、岩佐):開幕前のバルセロナテストとはマシンバランスが大きく変わっていて、アンダーステア傾向が強かったです。そのこともあり、予選に向けてけっこう大きなセットアップ変更をしました。ただその変更も予選に噛み合わず、アンダーステアは消えませんでした。

 各コーナー、低速でも高速でもタイムを失っている感触でした。そしてタイムを確認すると、その感触のままでした。ただマシンが完璧ではないのことは確かなのですが、自分のドライビングもタイヤの一番おいしいタイミングでミスをしたりなど、自分自身の改善点もありました。

──レースに向けてはどうでしょうか?

岩佐:ほかのチームとの違いとして、予選での使用タイヤの本数があります。ハイテックGPの3人は全員2セットで済ませたのですが、ライバルの大部分は3セットを使っています。なのでレースでは上位勢より1セット多くニュータイヤを投入できる点が有利に働くかと思います。あとはセットアップをもう一度見直して、レースペースの向上を図ります。

──テストでは総合2番手の速さを見せましたが、そのときと大きくマシンバランスが変わった原因は何が考えられますか?

岩佐:大きな要因としては、テストで速かったセットアップが今週末のコンディションに合っていなかったということです。具体的には、今回は路面温度がテストのときより高く、それに適応できなかった。フリー走行から予選にかけて対応しようとしたのですが、十分ではなかったです。路面のグリップ自体もテストより低く、すごくスリッピーでした。

──ピットアウトのタイミングに問題があり、遅いクルマに引っかかるなど、そういうことはありませんでしたか?

岩佐:まったく問題なかったです。

──ハイテックGPの3台がいずれも遅かったというのは、全体的にセットアップにも問題があったということでしょうか?

岩佐:そうなのですが、正直マシン自体のポテンシャルもトップを狙える速さではなかったです。一方でドライビングで補える部分も少なくなかったと感じています。12番手を狙えるくらいまでは、自分の力で持っていけたのではないかと分析しています。今後は両面で詰めていくべきかと思います。

2021年FIA-F3第1戦スペイン 岩佐歩夢(ハイテックGP)
2021年FIA-F3第1戦スペイン 岩佐歩夢(ハイテックGP)

■ちょっとしたミスが大きなタイムロスにつながることを痛感

──予選でタイヤを2セットしか使用しなかった理由はなんですか?

岩佐:事前のミーティングで、僕たちドライバーは3セットを使いたいと言いました。ですがチームは、3セットを使ってしまうと、各スティント間の時間や場所取りで厳しくなるから、と。

──レースを見据えた戦略というより、純粋に予選でフリーエアーで走りたかったのでしょうか。

岩佐:そうですね。もちろんレースでもその部分は有利になりますが、予選だけを考えても2セットがいいという判断でした。

──フリーエアーなら、もっと上にいける実力があるとチームは考えていたのでしょうか?

岩佐:そうですね。

──1秒以内に22台が入るという接戦は予想していましたか?

岩佐:テストのときからそのような予想はしていました。ただ、今感じているのは、ほんのちょっとしたミスや細かなセッティングの違いが、大きなタイムロスにつながるのだなと痛感しました。これからは今以上に、もっと自分のドライビングを適応させたり、データ分析をしっかりとやっていく必要があると思いました。

──ここはオーバーテイクが難しいと思いますが、同時にタイヤも持たせないといけないところですね。

岩佐:はい。僕たちはニュータイヤの本数で有利ではありますが、とにかくレース2を考えても、ポイントが獲れるくらいの順位までは上げたいと思っています。

──スタートからの1周目の攻防が鍵になりそうですね。

岩佐:そうですね。クラッシュは避けるべきですけれど、かといってそれを恐れて引きのレースをしてしまうとこのカテゴリーでは上にいけない。スタートからプッシュしつつ、同時にチェッカーまでタイヤを持たせる。そんなレースをしたいと思います。

岩佐歩夢(ハイテックGP)
岩佐歩夢(ハイテックGP)