F1、シーズン後半のグランプリキャンセルに備え、ニュルブルクリンクと交渉

 2021年F1カナダGPが地元および国の連邦政府によって課された制限により中止を余儀なくされた際に、代替レースの開催地としてニュルブルクリンクは選ばれなかった。

 6月13日の枠はトルコに移され、同国は新型コロナウイルスの影響により、2年連続でF1レースを減額された開催権料で開催することとなった。しかしニュルブルクリンクで今年グランプリが開催される可能性はまだ残っている。後半戦で中止せざるを得ないグランプリが出てくるものと考えられており、その代替戦となるかもしれないのだ。

 ニュルブルクリンクで6月13日にグランプリを開催するのは、主催クラブのADAC(ドイツ自動車連盟)とサーキットオーナーにとって、いずれにしても難しいことだった。この週末は、毎年同サーキットで開催される最大のイベントであるニュルブルクリンク24時間レースの翌週にあたるからだ。

 耐久レースには全長約20kmの北コースであるノルドシュライフェが使用されるものの、ピットやパドックはグランプリレースと共通であり、同レースには40以上のチームから80台を超えるマシンが参戦する。そしてイベント終了後には3日から4日かけて多くの整備作業が必要となる。

 一方F1にとっては、計時、テレビ放送、チーム拠点などの大規模構造物を設営するためにレース前の日曜日にはサーキットが空いている必要がある。つまり、元々6月13日にF1を開催することは不可能だったことになる。

 ニュルブルクリンク側は、グランプリを1週後の6月20日に開催するよう求めたが、その場合、F1チームはフランスとオーストリアを含むトリプルヘッダーを強いられる。それはチームにとっては避けたい事態だった。8月の終わりから11月の中旬まで3回のトリプルヘッダーがあることだけでも、F1チームのロジスティクスにとっては十分な悪夢と言えるのだ。

 そのため、F1のCEOステファノ・ドメニカリと彼のチームは、最も安全な選択肢を採ることにした。トルコを前半の6月に組み込み、ニュルブルクリンクは今年後半の代替候補地として残したのだ。

2020年F1トルコGPスタート
2020年F1トルコGPスタート

 シンガポールと日本が10月にF1関係者の入国を受け入れるかどうかは現時点では予想できず、11月にブラジルとメキシコに向かうことに対してはパドック内で大きな反発がある。現状、ブラジルとメキシコは、日毎の新型コロナウイルス新規感染者数が多いことで知られているためだ。

 10月か11月のどこかでニュルブルクリンクでグランプリが開催される場合、チームとドライバーは昨年同様の非常に低い気温とウエットコンディションに直面する可能性が高い。しかしF1はそのリスクを受け入れた上で、カナダの代替開催地としてトルコを選んだ。今後、他に中止せざるを得ないグランプリが起きた際には、その都度、最善の策を取っていくしかない。