2戦連続トップ10入りの佐藤琢磨。悔やまれるレース内容に「作戦としては間違っていなかった」

 NTTインディカー・シリーズは開幕から3週連続4レースというハードスケジュール。その3週目のテキサス戦はナイトレースのダブルヘッダーという極め付けだ。ロードコース、ストリート、そしてオーバルとレイアウトも違い、タフなシーズンを象徴している。

 ここテキサスでは昨年予選でクラッシュしてしまい、インディカーで初めて決勝不出場という憂き目に遭ってしまった佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)だが、一昨年はポールポジションを取るなど、テキサスと相性は悪くない。

 しかし、スピードが空回りして結果に繋がらないというかたちになっていた。オフシーズンのテストでは、まずまずのスピードを見せていたというが……。

 琢磨の期待とは裏腹にテキサスの天候は不順で、前夜の雨のおかげで路面を乾かすのに時間がかかり、さらにはヘリコプターが飛べる視界を確保できなかったために、11時30分に行われる予定だったプラクティスが2時間ディレイとなった。

 これにより予選がキャンセルされ、第3戦、第4戦のレースはシリーズランキング順にグリッドに並ぶことになった。

 90分のプラクティスでは3番手のタイムをマーク。まずは順調な仕上がりをアピールしていた。

 琢磨は12番手グリッド。レース直前までは雨も落ちず曇天の中だったが、無事にスタートが切られた。

プラクティスでは3番手と好走をみせた佐藤琢磨
プラクティスでは3番手と好走をみせた佐藤琢磨

 琢磨はアウト側からうまく周り込んでポジションを上げ一時8番手まで浮上。その後セバスチャン・ブルデーに抜き返されて9番手になり序盤のレースが始まった。

セバスチャン・ブルデーと競る佐藤琢磨
セバスチャン・ブルデーと競る佐藤琢磨

 路面の新舗装のせいで、コーナーのバンクの中では2ワイドで並ぶこともできず、前のリナス・ヴィーケイを抜きあぐねた。

 レイホール・レターマン・ラニガンのチームはアンダーカットを画策して、54周目に琢磨をピットに呼び込んだが、この直後にセバスチャン・ブルデーがジョゼフ・ニューガーデンにプッシュされウォールにヒット。イエローコーションとなり、チームの作戦は裏目となった。ラップダウンとなったしまい、チームはさらにポップアップのためにもう一回琢磨をピットに呼んだ。

 前方の車がピットに入ったことでラップダウンからは回復し、リスタート時には17番手となる。

 だが、このスティントで履いた左フロントのタイヤがバイブレーションを起こし、チームメイトのグラハム・レイホールに追いつくどころか、離されてしまう結果に。

 ペースが落ちた琢磨は114周目に3度目のピットイン。21番手からの巻き返しとなった。ただピットアウト後のプッシュが効き、前のマシンがピットインした後は13番手まで順位を挽回した。

 この後、ジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)がウォールにクラッシュしイエローコーションとなったのは160周目。ピットオープンとなってほぼ全車が最後のピットインをする。琢磨はピットアウトした段階で11番手に。

 13周の長いコーション明けで、琢磨は前のシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)を捉えて10番手に上がる。前を走るのはアンドレッティ・オートスポートのアレクサンダー・ロッシだったが、ロッシのブロックも堅く、なかなか攻略できない。

 190周目にコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート)がマシントラブルでピットイン。琢磨は労せずして9番手となった。

シモン・パジェノーに迫る佐藤琢磨
シモン・パジェノーに迫る佐藤琢磨

 琢磨の前にはロッシ、後ろにはパジェノーという、インディ500チャンピオンが3台並ぶ形となったが、レースの最後まで大きな動きはなく、琢磨は9位でチェッカーを受けた。

 トップ10フィニッシュは、セント・ピーターズバーグに続いて2戦連続だ。

 琢磨はマシンを降りてエンジニアのマット・グリーズリーと、反省点を確認し合う。翌日の第4戦に備えて、どれくらいマシン変更をしてくるのだろうか?

「スタートはうまく決まって8番手くらいまで上がったのかな。最近頑張ってるんですよ、スタートで(笑)。ただ前のリナス・ヴィーケイが抜けなかったからアンダーカットして抜こうと思って先にピット入ったのですが、イエローになってしまいました」

「でも作戦としては間違っていなかったと思います。その後にタイヤのバイブレーションが出たスティントは厳しかったかな。最後の2スティントは頑張ってポジションを上げることもできました。9位よりは上にいきたかった」

「明日はみんなレベルを上げてくるだろうし、そう簡単ではないだろうけど、今のままだとこれ以上は上位にいけないので、少し違ったトライをしてレースに臨むことになると思います」と琢磨。

 日曜日の方が天気に左右されることはなさそうで、スタート時間も違うことから、レース内容は第3戦とは少し違ったものになるかもしれない。琢磨の挽回に期待しよう。

佐藤琢磨とグラハム・レイホール
佐藤琢磨とグラハム・レイホール