レッドブル・ホンダ密着:風と路面コンディションの影響でタイムが伸びなかった初日。予選に向け改善点も残る

 ポルトガルGPは、ホンダにとって、あまり相性が良くないグランプリだ。F1で最も多くの勝利を挙げた第2期でも、ポルトガルGPを制したのはウイリアムズ・ホンダ時代の1986年(ナイジェル・マンセル)と、マクラーレン・ホンダ時代の1988年(アラン・プロスト)の2回しかない。

 もちろん、この時代にポルトガルGPを開催していたのは、首都リスボン近郊にあるエストリル・サーキット。現在のポルトガルGPは首都リスボンから200km以上も離れたポルトガル南部のアルガルベ・サーキットだから、当時のジンクスは当てはまらない。

 2008年に建設され、2009年に初めてF1の合同テストが行われたアルガルベ・サーキットで初めてF1のレースが行われたのは2020年。コロナ禍で大きくカレンダーが変更され、10月下旬に開催された。

 今年は当初の予定ではカレンダーに入っていなかったが、コロナ禍が収まらず、4月に予定されていたアジアでのレースが相次いで延期または中止となったのを受けて、急きょ4月下旬に第3戦として組み込まれた。

 そのポルトガルGP初日、レッドブル・ホンダの2台は「PUとしてはトラブルフリーの1日となり、多くのデータを収集することができました」(ホンダ田辺豊治F1テクニカルディレクター)と順調に走り込みを続け、マックス・フェルスタッペンが1分19秒980で2番手とまずまずの出だし。一方、セルジオ・ペレスはアタックラップで渋滞に引っかかって10番手に終わった。

セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第3戦ポルトガルGP セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)

 2番手のフェルスタッペンの自己ベストタイムがフリー走行1回目の1分19秒893からコンマ1秒ほど遅かったのは、フリー走行2回目の途中から風が強くなったことが影響していたと考えられる。全長約4.653㎞のアルガルベ・サーキットは高低差に富んでいるため、その起伏が風の影響を予測しにくくし、ドライビングが難しい。

 さらにこの日、ドライバーたちを悩ませたのが、路面だ。アルガルベ・サーキットは昨年、初開催に向けて路面を再舗装したのだが、それからまだ6カ月しか経過していないため、コンディションは大きく変わらず、依然としてグリップが低く、滑りやすかった。

「サーキットは素晴らしいけど、コンディションは昨年と似ていて、路面がとても滑りやすいんだ。もちろん、それはタイヤの構造が変わったことも関係しているけど、グリップ力は昨年より減っていると思う」(フェルスタッペン)

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第3戦ポルトガルGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

 昨年のポルトガルGPの初日、フリー走行2回目でもフェルスタッペンは2番手だったが、その時のタイムが1分17秒940だったから、約2秒も遅くなったわけである(ちなみにエミリア・ロマーニャGPでのフェルスタッペンの初日のベストタイムは昨年より約コンマ5秒落ちだった)。

 つまり、ポジションを考えれば、今週末もメルセデスとは僅差でマシンは引き続き好調だが、土曜日に向けてマシンの向上しろは多く残っており、やるべきことがいつものグランプリよりも多く残っているということを示している。

 イモラでの勝利で通算79勝目を挙げたホンダにとって、今回のポルトガルGPは80勝目がかかったレース。またエミリア・ロマーニャGPに続いて連勝すれば、1992年のモナコGP&カナダGP以来の連勝となる。

「ライバルとの差は非常に僅差。厳しい戦いになるが、確実に結果に繋げるよう最善を尽くしていきたい」と、田辺TDの言葉にも自然と力が入っていた。

田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
2021年F1第3戦ポルトガルGP ホンダF1田辺豊治テクニカルディレクター
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第3戦ポルトガルGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第3戦ポルトガルGP セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)