F1予選スプリントレース導入も「決勝に影響を与える意図はない」とロス・ブラウン。全戦での導入も否定

 F1のモータースポーツ担当マネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは、予選スプリントレースはグランプリの週末における素晴らしい追加イベントとなることが証明され、日曜日のメインイベントの価値を減じるようなことはないと述べている。

 F1コミッションは月曜日に全会一致で、今シーズン3会場において予選スプリントレース案を試行することを承認した。予想される会場はシルバーストン(イギリス)、モンツァ(イタリア)、インテルラゴス(ブラジル)だ。

 土曜日の午後に行われる100kmのスプリントレースは決勝レースのグリッド順を決定するが、F1ファンのみならず主催者のためにもショーを後押しする狙いがある。

2020年F1第8戦イタリアGP スタートシーン
2020年F1第8戦イタリアGP スタートシーン

「予選スプリントレースについて覚えておくべきことは、週末全体を拡大しようという意図があるということだ。決勝イベントに影響を与える意図はない」とブラウンは語った。

「グランプリは今も週末の極めて重要なイベントだ」

「我々は週末全体を通じてファンとの関わりを強めたいと望んでいる。日曜日のグランプリは素晴らしいものだ。我々はグランプリの価値を減らしたくはない。だが金曜日と土曜日のイベントも盛り上げたいと考えている」

「現時点では金曜日は熱狂的なファンのためのものだ。金曜日のフリー走行を観るのは楽しいが、そこではなんの結果も出ない。しかし今後は(選ばれたイベントの)金曜日に、予選形式の興奮がもたらされることになる」

「これは素晴らしい追加イベントになると思う。ピットストップは行われない可能性が高いので、クリーンなレースになるだろう。約30分、100kmのアクションだ」

「ファンがどれだけ関心を持つかを見たいし、短縮フォーマットが魅力的であれば称賛を受け、メインレースともうまく合うだろう。我々はそうなると感じており、非常にエキサイティングなものになると考えている」

ステファノ・ドメニカリ(F1 CEO)&ロス・ブラウン(モータースポーツ担当マネージングディレクター)
2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGP ステファノ・ドメニカリ(F1 CEO)&ロス・ブラウン(モータースポーツ担当マネージングディレクター)

■シーズン全戦での導入を否定「限られた数のレースで行われるだろう」

 この新たな計画はF1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリによって1月に再検討が促されたが、チームからのコストとロジスティクスに関連した数多くの質問には、長期にわたる調査と明確な回答が必要だった。

 しかし最終的には、スプリント予選レースのトライアルを行って将来におけるそのメリットを評価することに、全員が賛成した。

「(課題のひとつは)金曜日と土曜日の走行をエキサイティングなものにするチャンスを得ながらも、メインイベントの価値を損なわないようにするために、おそらくは短縮版レースになるだろうが、適切なバランスを持つフォーマットを見いだすことだった」とブラウンは説明した。

「バランスを見つけなければならなかった。どのようにすべきか誰もが異なる意見を持っていた。また財政面とロジスティクス面について、チームに大きな影響が出ないような解決策を見つけることもあった」

「彼らはこのイベントを求めており、全員が大きな課題の下で取り組んでいた。イベントを妥協することなく、彼らがうまくできるような解決策を見つけなければならなかった」

「ドライバーたちはこのフォーマットに前向きだ。ドライバーたちが前向きな姿勢でいてくれること、それだけが我々が望むことだ。そうすれば我々はこのイベントを評価し、将来的にF1シーズンを構成するフォーマットにするかどうか判断できる」

「もしうまくいかなければ、降参してから再度検討することになるだろう」

 しかしこのフォーマットがうまくいっても、今後全面的に開催することにはならないだろうとブラウンは述べた。

「このフォーマットがモナコで成功するかどうか私は確信が持てない。こうした週末を我々はシーズンを通したグランドスラムイベントと考えているので、異なるイベントなのだ」

「シーズン全体で行うようになるとは考えていない。限られた数のレースで行われるだろうが、どこで行うかはこれから決定される」

2019年F1第6戦モナコGP決勝レーススタート
2019年F1第6戦モナコGP決勝レーススタート