レッドブルF1のパワーユニット責任者、正式加入は1年後か。メルセデスとのガーデニング休暇契約で

 2021年シーズン終了後、ホンダのF1パワーユニット(PU/エンジン)プロジェクトを引き継ぐレッドブル・パワートレインズは、4月23日、ベン・ホジキンソンをテクニカルディレクターに任命したことを発表したが、この際に具体的な就任日を明らかにしなかった。ホジキンソンは20年をメルセデスで過ごし、ヘッド・オブ・エンジニアリングのポジションに就いた人物であり、レッドブルは彼の加入時期について「メルセデスAMGハイパフォーマンス・パワートレインズとの現在の契約が終了した後」とのみ述べている。

 ホジキンソンは、メルセデスのエンジン部門であるメルセデスAMGハイパフォーマンス・パワートレインズ(メルセデスAMG・HPP)がイルモア・レーシングとして運営されていた時代から同組織で働いており、徐々にポジションを上げ、ヘッド・オブ・エンジニアリングにまで上り詰めた。

 ホジキンソンがキャリアのほとんどを過ごしたメルセデスから離れることを決めたのはなぜか。昨年、メルセデスAMG・HPPでは、長年マネージングディレクターを務めたアンディ・コーウェルの離脱に伴い、組織変更が行われた。2020年7月1日付けで、コーウェルの後任としてハイウェル・トーマスがマネージングディレクターに就任。ダイムラー役員でメルセデスF1チームの役員も務めるマーカス・シェーファー直属のプロジェクトワン・パワートレイン・ディレクターにはアダム・オールソップが選ばれた。ステップアップを果たせなかったホジキンソンが、他チームからのオファーを受ける気になったことは明白だ。

メルセデスAMG・HPPのベン・ホジキンソン
メルセデスAMG・HPPのベン・ホジキンソン

 上級職にある彼に対して、メルセデスは、最長のガーデニング休暇を科して、レッドブルへの正式加入を遅らせるはずだ。チーム代表トト・ウォルフは、組織のなかでも特に重要と考える50人については、契約書のなかで、退社してから他チームへと加入できるまでの期間を極めて慎重に設定している。このガーデニング休暇は、英国の法律で許されている最大レベルの12カ月から18カ月に定められているはずであり、ホジキンソンは来年になるまでレッドブルで正式に働くことはできないものと考えられる。

 レッドブルとの契約発表の際、ホジキンソンは以下のようにコメントした。
「レッドブル・パワートレインズにテクニカルディレクターとして加わることを非常に楽しみにしている。約20年を過ごしたHPPから去るという決断を下すのは容易なことではなかった。だがこのように重要かつ遠大なプロジェクトに取りかかるチャンスを得たことは大きな名誉である」

「レッドブルはF1活動に真剣に取り組んでおり、ハイブリッド時代におけるメルセデスの最大のライバルだ。レッドブル社が迎える新時代に共に何を成し遂げることができるのか、非常に楽しみだ」