野尻が開幕2連勝でランキング独走。トップ快走の福住はタイヤバーストの悲劇【第2戦鈴鹿決勝】

 2021年全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦決勝レース(30周)が三重県・鈴鹿サーキットで行われ、野尻智紀(TEAM MUGEN)が開幕戦に続き2連勝を飾った。ポールシッターの福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)はレース中盤までトップを快走するも、タイヤバーストのアクシデントに見舞われ、まさかのリタイアとなった。

 この週末一番の快晴に恵まれた鈴鹿サーキット。気温23℃、路面温度31℃というコンディションで14時30分にフォーメーションラップが始まった。15番グリッドの阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)がエンジンストールで出遅れ、最後尾に下がるというアクシデントがありつつも、決勝レースはスタート。

 最前列の福住と野尻はクリーンなスタートを切ったが、3番グリッドの大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)が失速。後続に飲み込まれるように大きくポジションダウンしてしまい、福住、野尻、平川亮(carenex TEAM IMPUL)、笹原右京(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)の順でオープニングラップを終える。

 2番手以降が1分41秒台のタイムで走行するなか、トップの福住はひとり1分40秒台のタイムを並べて後続を突き放していく。5周目には野尻との差が2.5秒まで広がり、単独トップの様相に。ところが9周目、福住に悲劇が襲い掛かる。

「スプーンカーブで違和感があって……」と自身もインタビューで答えたが、バックストレートで白煙が上がり始めると突如右リヤタイヤがバースト。サスペンションにもダメージを負ってしまった福住はなんとかピットまで戻るも、ここでレース離脱となってしまった。

 これで自動的に野尻がトップに浮上。2番手に平川、3番手に笹原がつけることに。笹原と表彰台争いを繰り広げていた関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)が、ピットウインドウが開いた10周を終えたところでピットに向かいアンダーカットを試みるが、これを見た笹原も翌周ピットイン、これを阻止する。

 トップ争いで先に動いたのは野尻。13周を終えたところで先にピットインすると、これを見た平川が翌周ピットへ。アウトラップだった野尻はOTSを使って猛プッシュをかけ、ピットロードを出てきた平川を鮮やかにオーバーテイク。チームのピット作業は素早かったものの、平川の逆転は叶わなかった。

 この直後に130Rでアクシデントが発生。13番グリッドから10番手までポジションを上げていた国本雄資(carrozzeria Team KCMG)がタイヤアクシデントからバリアに突き刺さり、横転するほどのクラッシュに見舞われる。幸いドライバーに大きなけがはなかった模様だが、このアクシデントによりレースは16周目にセーフティカー(SC)が導入された。

 この時点でピット作業を済ませていなかったのは宮田莉朋、ジュリアーノ・アレジの2台。Kuo VANTELIN TEAM TOM’Sはすぐさま2台を揃ってピットへ呼び戻し、宮田は6番手、アレジを11番手でコースに戻すことに成功した。

 20周目にリスタートが切られると、アレジは前を走る山下健太(KONDO RACING)に襲い掛かる。24周目のシケインで山下の前に出るが、山下も負けじとOTS(オーバーテイク・システム)を使って翌周の1コーナーでアウト側からアレジに並びかけた。アレジもOTSランプを点滅させながら一歩も引かず、2台は並走状態でS字コーナーへ。

 ダンロップコーナーまで続いた戦いは、山下の猛追をしのぎ切ったアレジに軍配。これで10番手に上がったアレジは、さらに大湯にも接近していく。すでにOTSを使い切っていた大湯は為す術なし。実はスタートで大きくポジションを落としていたアレジだったが、これでシングルポジションまで順位を取り戻した。

 アレジの次のターゲットは山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)。リスタート後、前方で繰り広げられていた宮田と坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)の争いを冷静に見ていた山本は、2台がOTSを使えなくなったタイミングでプッシュし、坪井をとらえることに成功した。

 ただ翌周には坪井が、今度は山本がOTSを使えないタイミングを利用して山本に襲い掛かる。22周目の2台の攻防は1コーナーからS字まで続いたが、ギリギリのところで坪井が競り勝ち、山本は再び8番手に戻ることになった。

 ポジションを落とした山本とアレジのバトルは28周目。130Rに差しかかる直前、先にOTSボタンを押したアレジと、それを確認した山本もシケインに差しかかるところでOTSボタンに手をかける。テール・トゥ・ノーズで最終コーナーを抜けた2台はそのまま1コーナーへ。山本はダンロップコーナーでわずかに挙動を乱しながらもアレジの追撃から逃げ切ることに成功した。

 後方での激しいバトルを尻目に、野尻はトップを快走。2番手を走る平川とのギャップも詰められることなくファイナルラップに入ると、最後は残りのOTSを使いながらランプを点滅させてチェッカー。これで2連勝となり、ポイントランキングでも2位に大きなリードを付けることになった。2位の平川は今季初表彰台。3位には笹原が続き、スーパーフォーミュラで初めての表彰台を獲得している。

2021スーパーフォーミュラ第2戦鈴鹿 野尻智紀(TEAM MUGEN)
2021スーパーフォーミュラ第2戦鈴鹿 野尻智紀(TEAM MUGEN)