バックマン兄妹が世界戦に昇格。ヒュンダイ・エラントラN TCRでWTCR参戦へ

 ともにTCRヨーロッパ・シリーズなどで戦い、優勝経験も持つ実力派ドライバー、アンドレアスとジェシカのバックマン兄妹がついにTCRの世界戦に昇格。これまで所属してきた“名門”ターゲット・コンペティションとともにステップアップし、2021年は新型ヒュンダイ・エラントラN TCRをドライブすることが決まった。また、クプラ陣営のトップチームとして戦うゼングー・モータースポーツも体制を強化し、エースのミケル・アズコナに加えて、長年にわたり同社の開発ドライバーを務めるジョルディ・ジェネの起用をアナウンスした。

 STCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権を皮切りに、TCR UKやドイツ・シリーズなど、4輪昇格後の3年間をTCR規定カテゴリーで戦ってきたバックマン兄妹は、過去2年を戦ったヨーロッパ・シリーズを卒業し、いよいよWTCR世界ツーリングカー・カップに挑むこととなった。

 また今季からWTCRに投入されるヒュンダイの新型モデル、エラントラN TCRは、この決定によりノルベルト・ミケリス、ガブリエル・タルキーニのBRCヒュンダイN・ルクオイル・スクアドラ・コルセに、ルカ・エングストラーにジャン-カール・ベルネイが加わったエングストラー・ヒュンダイN・リキモリ・レーシング・チームと合わせて、全6台が参戦する。

「私のキャリアにとって大きな目標、そして最大の野望のひとつが、このFIA WTCR世界ツーリングカー・カップに参戦することだった。その目標を達成し、ここで世界最高峰のツーリングカー・ドライバーたちと勝負できる日が来るなんて、いまだに信じられないのが正直なところよ」と、昇格の喜びを語ったジェシカ。

 一方、2020年もヨーロッパ・シリーズで勝利を挙げ、ランキング6位となった兄のアンドレアスも「レーシングキャリアの次のステップを踏み出し、ドライバーとしてさらに成長することを楽しみにしている」と意気込みを述べた。

「WTCRへのステップアップは長期的な目標であり、僕らのチームであるターゲット・コンペティションとともに、この段階を踏む準備ができたと感じている。多くのドライバーが長年の経験を持ち、数人の世界チャンピオンがスタートラインに着く。難しい戦いになるだろうが、この挑戦を楽しみにしているよ」

“名門”ターゲット・コンペティションとともにWTCRへのステップアップを決めたアンドレアスとジェシカのバックマン兄妹
ジェシカは、WTCRにフル参戦する初の女性ドライバーとして、今季から創設の“FIA Female Driver Title(FIA女性ドライバー・タイトル)”を争うことになる

■クプラ陣営のゼングーは今季4台体制に

 2019年にはヒュンダイ・モータースポーツのジュニア育成ドライバーにも指名されたジェシカは、WTCRにフル参戦する初の女性ドライバーとして、今季から創設の“FIA Female Driver Title(FIA女性ドライバー・タイトル)”を争うことになる。

「競合次第ではあるけれど、私が開拓者としてWTCR初の女性ドライバーになるのはいつも夢見ていることであり、モータースポーツに興味を持ち、参入し、続けていく女性たちの刺激と後押しになれればと思っている。できる限りプッシュしたいし、新しいシーズンが始まるのを楽しみにしている」とジェシカ。

 一方、クプラ・レーシングの前線部隊を担うゼングーは、昨季から新型クプラ・レオン・コンペティションTCRを走らせてきたが、2021年に向けてはその体制を4台に拡充すると発表。そのうちの2台を、アズコナとジェネに託すとアナウンスした。

 新たに始まるTCRのEVシリーズ、PureETCR(ピュアETCR)でもクプラを代表して参戦するこのペアは、デビューイヤーに地元スペインのモーターランド・アラゴンで挙げたアズコナの勝利を再現すべく、さらなる成功を目標に掲げる。

「こうしてWTCRで引き続きクプラと戦えてうれしい。勝利を挙げた2年を経て、2021年の目標は世界タイトルを争うことしかない。ジョルディ(・ジェネ)のような経験豊富なドライバーの隣で競争力を高め合い、レオン・コンペティションTCRから最高のパフォーマンスを引き出すことに集中したい」と意気込むアズコナ。

 一方、世界的なシリーズ戦の舞台としては、ランキング3位を獲得した2015年のTCRインターナショナル以来の復帰となるジェネは、待望のWTCRデビューに向け「彼らのような水準のドライバーたちと戦えることに、心からワクワクしている」と抱負を述べた。

「ご存知のとおり、私は開発ドライバーとしてクプラ・レオン・コンペティションTCRの初期段階から関わってきたので、このモデルに何ができるかを熟知しているつもりだ。優秀なミケルと協力して戦えれば、本当にエキサイティングなシーズンになるだろうね!」

4台体制へと拡充するゼングー・モータースポーツは、エースのミケル・アズコナ(左)に加えてジョルディ・ジェネを起用する
クプラ・レオン・コンペティションTCRの開発ドライバーも務めてきたジェネが、どんなパフォーマンスを見せるか