波乱のローマ連戦、バンドーンが今季初優勝。元トムスの2人は好位置を活かせず/フォーミュラE第3-4戦

 4月10~11日、今季2020/2021年シーズンよりFIA世界選手権のタイトルが懸けられているABBフォーミュラE世界選手権の第3/4戦がイタリア、ローマで行われ、10日の第3戦はジャン-エリック・ベルニュ(DSテチーター)が、翌日の第4戦ではストフェル・バンドーン(メルセデスEQフォーミュラEチーム)がそれぞれ今シーズン初優勝を飾った。

 今年2月にサウジアラビアで開幕したフォーミュラE“シーズン7”は新型コロナウイルスの影響による日程変更を経て舞台をヨーロッパに移し、ローマでのダブルヘッダーを迎えた。

 レースウイーク初日の10日に行われた第3戦ローマE-Prixの予選では、元マクラーレンF1のバンドーンがスーパーポールを制してポールポジションを獲得。2番手にアンドレ・ロッテラー(タグ・ホイヤー・ポルシェ)、3番手にはオリバー・ローランド(ニッサン・e.ダムス)が続いた。
 
 同日午後の決勝は雨上がりのダンプ路面ということでセーフティカー(SC)スタートとなり、45分+1ラップのレースは開始から約5分後にグリーンフラッグ振動で実質的なスタートを迎える。
 
 そのスタートからまもなく、2番手のロッテラーがバンドーンに仕掛け2台が接触。ロッテラーは7番手、バンドーンは13番手に後退してしまう。このアクシデントで労せずトップに躍り出たローランドだったが、使用パワーが規定値を上回ったとしてドライブスルー・ペナルティを受け、こちらも順位を失ってしまった。

 トップ3が相次いで姿を消したことで首位に立ったのは、ルーカス・ディ・グラッシ(アウディスポーツ・アプト・シェフラー)だ。しかし、ブラジル人の後方にはベルニュが迫り、レース後半に上位陣の中では早めにアタックモードを使用した2連覇王者がコース上でアウディをパス。レースリーダーとなった。
 
 しかし、シーズン3王者であるディ・グラッシも勝利への執念を燃やし2度目のアタックモード終了後、20周目の4コーナーでベルニュを逆転。トップを奪い返してみせた。だが、不幸にもレース残り5分を切ったところでディ・グラッシのマシンはスローダウンしてしまう。
 
 直後、失速したアウディを避けようと進路を変更したバンドーンが、バンプとスリッピーな路面でグリップを失いウォールにクラッシュ。これでSCが出動し、レースはそのままSC先導の下でフィニッシュに。バンドーンは序盤の接触から5番手まで順位を上げていたもののリタイアとなってしまった。
 
 レースウイナーはベルニュ。11番手スタートのサム・バード(ジャガー・レーシング)が2位、ミッチ・エバンスが3位となりジャガー・レーシングがダブル表彰台を獲得している。4位はロビン・フラインス(エンビジョン・ヴァージン・レーシング)、5位にはセバスチャン・ブエミ(ニッサン・e.ダムス)が入った。

ストフェル・バンドーン(メルセデスEQフォーミュラEチーム)
ストフェル・バンドーン(メルセデスEQフォーミュラEチーム)
オリバー・ローランド(ニッサン・e.ダムス)
オリバー・ローランド(ニッサン・e.ダムス)
サム・バード(ジャガー・レーシング)
サム・バード(ジャガー・レーシング)

■初ポール獲得のキャシディ、スタート直後にまさかの失態

 11日に行われた第4戦の予選はウエット/ダンプ路面での戦いとなり今季、エンビジョン・ヴァージン・レーシングからフォーミュラEにデビューしたニック・キャシディがスーパーポールで最速タイムをマーク。3戦目にしてポールポジションを奪ってみせた。

 しかし、そのキャシディは前日の第3戦と同様に、ダンプ路面のためSCスタートとなった決勝において、SC退去後の実質的なオープニングラップでまさかの単独スピンを喫し、10番手までポジションを落としてしまう。

 これで2番手スタートのノーマン・ナト(ロキット・ベンチュリ・レーシング)が首位に浮上するが、ペースでナトに勝るパスカル・ウェーレイン(タグ・ホイヤー・ポルシェ)が逆転し、序盤戦をリードしていく。

 ナトは4番手スタートのバンドーンにも交わされて4番手にポジションダウン。一方、スピンを喫したキャシディは8番手まで順位を戻すも、ローランドとの接触でウォールにクラッシュしてしまう。この一件ではローランドに10秒ストップペナルティが課せられた。

 スタートから15分後、2番手バンドーンがウェーレインを交わして首位に立つ。その直後、ディ・グラッシがブエミに追突されるかたちでコントロールを失い、ストレート区間でウォールにクラッシュ。このアクシデントでフルコースイエローが出された。

 リスタート後、6番手からスタートし上位につけていたアレクサンダー・シムズ(マヒンドラ・レーシング)が2番手に。3番手にナトが浮上した。
 
 スタートから37分後、アウディのレネ・ラストが単独クラッシュを喫しSCが導入される。2戦続けてのSCチェッカーになるかと思われたが、レースは残り1周を残して再開される。後方でバードとニック・デ・フリース、ローランドが交錯するクラッシュが起きるなか、ファンブーストを使用して逃げ切りを図ったバンドーンがトップチェッカー。自身2勝目をマークした。
 
 シムズが2位、ナトは3番手でチェッカーを受けたもののバッテリー残量不足で失格に。繰り上がりでウェーレインが3位表彰台を得ている。4位はエドアルド・モルタラ(ロキット・ベンチュリ・レーシング)、5位はマキシミリアン・ギュンター(BMW i アンドレッティ・モータースポーツ)というトップ5オーダーとなっている。

 フォーミュラEの次戦はスペイン、バレンシアでのダブルヘッダー。第5/6戦が4月24~25日の週末に行われる予定だ。

初ポールポジションのニック・キャシディ(エンビジョン・ヴァージン・レーシング)だったが……。
初ポールポジションのニック・キャシディ(エンビジョン・ヴァージン・レーシング)だったが……。
2020/21年フォーミュラE第4戦ローマE-Prix決勝
2020/21年フォーミュラE第4戦ローマE-Prix決勝
アレクサンダー・シムズ(マヒンドラ・レーシング)
アレクサンダー・シムズ(マヒンドラ・レーシング)
第4戦ローマE-Prixで優勝したストフェル・バンドーン(メルセデスEQフォーミュラEチーム)
第4戦ローマE-Prixで優勝したストフェル・バンドーン(メルセデスEQフォーミュラEチーム)