GT3時代到来のDTM初テストはメルセデスが席巻。2日間でゴッツ、アウアーらが最速

 FIA GT3規定を採用するスプリントレースに生まれ変わる、新時代のDTMドイツ・ツーリングカー選手権2021年度シーズンに向け、ホッケンハイムで初の公式テストが開催された。

 2日間を通してメルセデスAMG GT3 EVOがライバルたちを圧倒する速さを披露し、初日はHaupt Racing Team(ハウプト・レーシングチーム/HRT)からDTM復帰を果たすマキシミリアン・ゴッツが、最終日はBMWから古巣メルセデスへと戻ったルーカス・アウアー(Winward Racing/ウィンワード・レーシング)が最速タイムを刻み、上位6台を“Mercedes-AMG Team”が占拠する結果となった。

 4月7~8日のスケジュールで各日2時間のセッションを計4回、都合16時間もの走行枠を設けた新生DTM初の公式テストは、初日最後の1枠が降雪によりキャンセルに見舞われるなど波乱もありながら、総合的にはメルセデス勢の強さが際立つ印象となった。

 午前最初のセッションこそAbt Sportsline(アプト・スポーツライン)のアウディR8 LMS EVOをドライブするケルビン・バン・デル・リンデがトップタイムを記録するも、続く午前2回目でHRTの2台が早くもタイムアップ。

 スパ24時間勝者のゴッツと、2021年からDTMデビューを果たすチームメイト、ビンセント・アブリルがワン・ツーを決め、そのまま初日総合でもメルセデス勢が最速の座についた。

 続く2日目も前日同様の2時間×4回のセッションが催され、今度は雪の影響もなくスケジュールが進むと、午後の3回目で前日のゴッツをしのぐ1分36秒153を叩き出したアウアーがファステストを刻み、2番手HRTのアブリル以下、3番手にGruppeM Racing(グループMレーシング)のダニエル・ジュンカデラ、4番手にWinward Racingのフィリップ・エリス、5番手にゴッツ、そして6番手はGetSpeed Performance(ゲットスピード・パフォーマンス)のアルジュン・マイニと、テスト参加15台中上位6台をメルセデスが占める結果となった。

 その背後にはアウディ勢で両日最速をマークした2013年のDTMシリーズチャンピオン、マイク・ロッケンフェラー(アウディR8 LMS EVO/Abt Sportsline)が続き、BMW勢では初日7番手、2日目は11番手ながら、両日ともにM6 GT3最上位としたWalkenhorst Motorsport(ウォーケンホルスト・モータースポーツ)のDTM2冠王者マルコ・ウィットマンが意地を見せた。

ファーストセッションはAbt Sportsline(アプト・スポーツライン)のアウディR8 LMS EVOをドライブするケルビン・ヴァン・デル・リンデがトップタイムに
ファーストセッションはAbt Sportsline(アプト・スポーツライン)のアウディR8 LMS EVOをドライブするケルビン・ヴァン・デル・リンデがトップタイムに
最終日はBMWから古巣メルセデスへと戻ったルーカス・アウアー(Winward Racing/ウィンワード・レーシング)が最速タイムを刻んだ
最終日はBMWから古巣メルセデスへと戻ったルーカス・アウアー(Winward Racing/ウィンワード・レーシング)が最速タイムを刻んだ

■アルボン駆るアルファタウリ・AFコルセのフェラーリも好調

 一方、新たな勢力としてDTM参入を果たすフェラーリ488 GT3は、FIA-F2優勝経験者のリアム・ローソン(Alpha Tauri AF Corse/アルファタウリ・AFコルセ)が初日4番手。最終日はそのチームメイトを元F1ドライバーのアレクサンダー・アルボンが上回り、アルファタウリ所属の先輩として面目を保つかたちとなった。

 そのほか、JP Motorsport(JPモータースポーツ)のマクラーレン720S GT3でシリーズへのスポット参戦を予定するクリスチャン・クリエンは、テストウイークの週頭にチームへの車両デリバリーがあったばかりということで今回は姿を見せず。

 また、DTMを統括するITR.e.Vの技術部門は、今回のGT3初テストで新しいBoP(バランス・オブ・パフォーマンス/性能調整)システム用に作成したシミュレートモデルに向け、参加各車からあらゆる走行データを収集。物理的なパワートレインや風洞テストではなく、シミュレーションを通じて車両の性能を管理する試みだ。

「動的テンプレートと静的テンプレートから構築した仮想モデルを改良するため、今回すべての車両データを収集した。そして我々が構築したモデルと実際のデータとの照合を進めるつもりだ」と語るのは、ITRのコンペティションおよびテクノロジーディレクターであるマイケル・レスル。

「仮想空間上のGT3車両とその動作を予測シミュレートし、我々のモデリングが実世界のマシンと同じ挙動かどうかを確認したい。各パラメータの主要な評価指標が一致し、すべての車種で問題がないことが確認できればうれしいね」

 6月19~20日にイタリア・モンツァで開幕予定の新時代DTMに先立ち、引き続き5月4~6日にラウジッツリンクで2回目のプレシーズンテストが開催される。

名門ROWE Racing(ROWEレーシング)は1台での参加。ティモ・グロックとシェルドン・ヴァン・デル・リンデがマシンをシェアした
名門ROWE Racing(ROWEレーシング)は1台での参加。ティモ・グロックとシェルドン・ヴァン・デル・リンデがマシンをシェアした
シーズンではニック・キャシディとシートを共有する元F1ドライバーのアレクサンダー・アルボン
シーズンではニック・キャシディとシートを共有する元F1ドライバーのアレクサンダー・アルボン