次期クラウンにレクサス「LF-Z Electrified」のデザインコンセプトが活かされる!?

■販売台数が低迷するモデルを統廃合

トヨタ自動車では新車市場が低成長下にあるなか、国内販売が年間150万台程度に留まる可能性があることから、2025年までに国内向けの車種を兄弟車の統合等で30車種程度にまで半減させる方針を打ち出しています。

販売で苦戦している「セダン系」を対象に統廃合する方針で、すでに同社のラインナップから「マークX」や「レクサスGS」などのセダンモデルが消えています。

トヨタ「クラウン」のサイドビュー

そうしたなか、2020年11月にはトヨタ自動車のお膝元である中部地方の新聞が伝えたクラウンに関する報道が大きな波紋を呼びました。

クラウンの生産を現行型で終了し、SUVに似た車形の新型車として2022年に投入する方向で最終調整に入ったとしており、「新車市場でのセダン需要の低迷、SUV人気の高まりに対応しつつ、クラウンのブランドイメージも維持する戦略」と説明しています。

それを裏付けるように、豊田章男社長が先頃、同社の展開する「トヨタイムズ」において、次期クラウンに関するコメントとして、「ユーザーが求めるものは日々刻々と変わっていくもの。それに応えることはいつも我々の優先事項」「今やどこにも聖域なんて無い。私は新型クラウンのデザイナーにこれまでの概念に囚われず新しい視点で考えるようお願いした」としています。

●「クーペルックのクロスオーバーモデル」が今後の主流に

そこでトヨタの真意を探る上で重要なキーワードになるのが、前述の「SUVに似た車形の新型車」。

ジャガー「I-pace」のサイドビュー

海外の高級ブランドに目を向けると、ジャガー「I-PACE」やポルシェ「カイエンSクーペ」、アウディ「Q3スポーツバック」などが、すでに都会派SUVとも言うべき、クーペルックのクロスオーバーモデルを設定しており、車高が“やや高い程度”に抑えられています。

アウディ「Q3スポーツバック」のサイドビュー

次期クラウンがクロスオーバーモデル化するのか、それとも派生モデルとして追加されるのかは現時点では不明ですが、いずれにしても国内販売が低迷しつつある対策として何らかの手が打たれることになりそうです。

ポルシェ「ケイマンSクーペ」のサイドビュー

次期クラウンでは北米や中国への投入が予定されているほか、2023年からは米国でも生産するそうで、3月30日に公開されたコンセプトEV、レクサス「LF-Z Electrified」においても、「世界中の多様化するユーザーニーズやライフスタイルに寄り添ったクルマづくりを加速させる」と謳っており、次期クラウンの方向性とも符合しています。

Lexus_LF-Zのサイドビュー

「LF-Z Electrified」もクーペルックのクロスオーバータイプになっており、EV専用プラットフォームを採用しているほか、前後に配した電気モーターにより前・後輪を個別に制御することで、ドライバーの意志に沿った強力な加速と爽快なコーナリング・パフォーマンスをもたらす4輪駆動制御システム「Direct4」が採用されています。

Lexus_LF-Zのパワートレーン

また、ステアバイワイヤの採用で、ステアリングシャフトを介した機械的な接続が不要になり、運転条件にあわせ、より少ない操舵角で、より正確なコーナリングが可能になります。スペックとしては、満充電時における最大航続距離が600km、最大出力は400kW/700Nm、最高速度は200km/h。

Lexus_LF-Zのリヤビュー

車両サイズは全長4,880(4,910)mm×全幅1,960(1,800)mm×全高1,600(1,455)mmで、ホイールベースが2,950(2,920)mmと、スペックが比較的クラウンに近い状況。車両重量は2,100kg(1,900kg)となっています[()内数値は現行クラウン]。

世界的に環境規制が強化されるなか、クラウンにおいても世界に打って出るからには「LF-Z Electrified」同様、ピュアEVモデルの設定が必須となりそう。

このように、「LF-Z Electrified」の開発コンセプトやエクステリアデザインはレクサス系に留まらず、今後クラウンなど、トヨタ車の上級モデルにも活かされることになりそうです。

Avanti Yasunori