アルピーヌ育成の周冠宇がポール・トゥ・ウイン。佐藤万璃音は14位【FIA-F2第1戦バーレーン レース3】

 3月28日(日)、2021年FIA-F2開幕戦となる第1戦バーレーンのフィーチャーレース(決勝レース3)が開催され、周冠宇(ユニ・ヴィルトゥオーシ)がポール・トゥ・ウインで優勝。日本の佐藤万璃音(トライデント)は14位だった。

 フィーチャーレースのスターティンググリッド順は予選順位がそのまま反映される。ポールスタートは周冠宇(ユニ・ヴィルトゥオーシ)。隣には同じくアルピーヌ育成のクリスチャン・ルンガー(ARTグランプリ)。

 セカンドローは3番手にフェリペ・ドルゴヴィッチ(ユニ・ヴィルトゥオーシ)、4番手にダニエル・ティクトゥム(カーリン)で、上位4台のなかで周のみがハードタイヤを選び、他3台はソフトタイヤを選んだ。佐藤は18番グリッドからのスタートだ。

 気温22.8度、路面温度は41.6度。風がやや強く路面にはところどころ、砂漠から飛んできた砂が目立つ。晴天に恵まれたレース3は、タイヤ交換を行う1回のピットが義務付けられ、周回数は32周となっている。

 ドライバーの純粋な速さが見られるレース3は日本時間の19時50分にスタート。ルンガーが好スタートを切りトップでターン1を通過し、周は3番手まで後退。

 後方ではターン4のブレーキングでロバート・シュワルツマン(プレマ・レーシング)がロイ・ニッサニー(ダムス)に追突。コントロールを失ったニッサニーはアレシオ・デレッダ(HWAレースラボ)に接触しマシンをグラベルに停止。リリム・ツェンデリ(MPモータースポーツ)もウィングを壊し、コース整理のためSC(セーフティカー)が1周目から入ることになった。

 レースは4周目から仕切り直し。ルンガー、ドルゴヴィッチ、周のトップ3でレースは再開する。接近した隊列でホームストレートを通過していき、なかでもドルゴヴィッチがスピードに乗り1コーナーでルンガーをパスし先頭へ立つ。

 しかしルンガーはターン4からターン5へのコーナーセクションでクロスラインを取りトップを奪い返す。後方では7番グリッドから発進し4番手まで順位を上げていたレース2の覇者オスカー・ピアストリ(プレマ・レーシング)が周を交わして3番手を手に入れた。

 上位3台は後続に対し0.5秒ほど速い1分48秒300前後で周回。7周目の1コーナーではピアストリがブレーキングでドルゴヴィッチのインにマシンを並べオーバーテイク、2番手に浮上する。

 10周目、タイヤのデグラデーションが起き始め、先頭のルンガーは1分49秒411までペースダウン。1.026秒後方にピアストリ、さらに1秒後方にドルゴヴィッチという隊列で、中盤戦に突入していく。

 ペースに苦しむルンガーは13周目のホームストレートエンドでピアストリに並ばれ順位を一つドロップ。確実にワンチャンスを手中にするピアストリはタイヤを労わりながら周回を重ねていく。

 一方のルンガーはペースが1分50秒台まで落ち込みこの周にピットイン。ソフタイヤスタート組みのタイヤ交換が始まった。ルンガーは全体13番手でコース復帰。15周目には2番手のドルゴヴィッチもタイヤを交換した。

 16周目、ハードタイヤを保たせる戦略を採ると思われた暫定3番手の周がピットイン。ソフトタイヤの耐久性に期待し後半戦をフレッシュなタイヤで戦うことに。翌周にはトップのピアストリがタイヤをハードに交換する。

 ピアストリがピットインする直前、1コーナーでジャンルカ・ペテコフ(カンポス・レーシング)がマシンから消化器が噴射するアクシデントに見舞われマシンを停止。これによりVSC(バーチャルセーフティカー)が提示され、直後に2度目のSCヘと切り替わった。

 このタイミングでピットアウトに成功したピアストリは暫定4番手でコース復帰。さらに上位3台も18周目にタイヤ交換を即断。首位を走っていたマーカス・アームストロング(ダムス)がハードに交換し、順位そのままにコース復帰を果たし、以下ハードのピアストリ、ソフトのフェルシュフォー、ハードのルンガーという順でSC解除を待つ。

 ペテコフのマシンが排除されレースは19周目から再開。リスタートでフェルシュフォーがピアストリの後方にピタリとつけストレートでマシンを横に並べ、ピアストリとともにタイヤの温まりに難があったアームストロングの3台がスリーワイドで1コーナーへ進入。大外を取ったピアストリが首位を奪還しフェルシュフォーが2番手に浮上。アームストロングは3番手に後退してしまい、さらに周が後方1秒以内に接近されてしまった。

 フェルシュフォーはハイペースを維持し20周目の1コーナーでピアストリを攻略。以降1分46秒703というピアストリよりも1.6秒速いペースで差を広げていく。また22周目にはアームストロングがズルズルと後退し3番手に周、4番手にレース1勝者のリアム・ローソン(ハイテックGP)となった。

 22周目の最終コーナー手前で周はピアストリに追いつく。ピアストリは終盤までタイヤを温存する作戦か不必要にブロックはせず周がオーバーテイク。周はアルピーヌ育成のライバルを0.8秒後方に従えながら終盤戦を迎えることに。

 フェルシュフォーのタイムが1分48秒台中盤まで落ち始めた26周目、上位3台が1.7秒差以内に納まる。次のラップでは周にプレッシャーをかけられたフェルシュフォーがターン10で左フロントタイヤをロックする。

 28周目の1コーナーでは上位3台が団子状態で走行。ターン3を抜けて周がフェルシュフォーにならびターン4進入でトップに返り咲いた。後方からは4番手に浮上してきたティクトゥムがピアストリとテール・トゥ・ノーズの状態で周回を重ねていく。

 接近戦を演じていたピアストリとティクトゥムは30周目に決着。ティクトゥムがインに入りサイドバイサイドで1コーナーに進入、ターン2からターン3へと向かう際に2台は接触。ピアストリはスピンしランオフエリアにマシンを停止しここでリタイア。マシンの中で頭を抱えたピアストリは、大量ポイントが確実だっただけに悔しすぎる結果となった。

 この接触はレース後の審議となり、ピアストリのマシン回収のためVSCが1周に渡って導入。31周目の途中でVSCが解除され周を先頭にレースが再開。フェルシュフォーはタイヤが悲鳴を上げマシンがスライド。ティクトゥムに交わされファイナルラップのターン4でローソンにも抜かれてしまった。

 そしてレースは周がポール・トゥ・ウインで今季初、自身2度目の優勝。以下ティクトゥム、ローソン、フェルシュフォーの順でフィニッシュ。佐藤は14位でレースを終えている。

佐藤万璃音(トライデント)
佐藤万璃音(トライデント)

 ドライバーズポイントランキングは周が41ポイントで首位。次いで30ポイントのローソン、28ポイントのダルバラ、21ポイントのピアストリと、育成ドライバーがトップ4となっている

 次戦モナコは日本時間5月20日(金)〜5月22日(日)だ。

■FIA-F2第1戦バーレーン フィーチャーレース(決勝レース3) 暫定リザルト

Pos. No. Driver Team Time/Gap
1 3 周冠宇 ユニ・ヴィルトゥオーシ 32Laps
2 5 D.ティクトゥム カーリン 0.482
3 7 L.ローソン ハイテックGP 2.950
4 11 R.フェルシュフォー MPモータースポーツ 4.095
5 17 M.アームストロング ダムス 9.792
6 6 J.ダルバラ カーリン 11.926
7 1 R.シュワルツマン プレマ・レーシング 12.159
8 10 T.プルシェール ARTグランプリ 18.479
9 4 F.ドルゴヴィッチ ユニ・ヴィルトゥオーシ 19.764
10 22 M.ナニーニ HWAレースラボ 19.852
11 14 D.ベックマン チャロウズ・レーシング・システム 20.905
12 9 C.ルンガー ARTグランプリ 21.256
13 8 J.ビップス ハイテックGP 27.385
14 25 佐藤万璃音 トライデント 28.826
15 21 R.ボシュング カンポス・レーシング 31.535
16 15 G.サマイア チャロウズ・レーシング・システム 40.620
17 24 B.ビシュカール トライデント 48.452
12 L.ツェンデリ MPモータースポーツ 1’01.952
2 O.ピアストリ プレマ・レーシング 3Laps
20 G.ペテコフ カンポス・レーシング DNF
23 A.デレッダ HWAレースラボ DNF
16 R.ニッサニー ダムス DNF