レッドブル・ホンダ密着:RB16Bのストレートスピードと俊敏性が向上。順調なフェルスタッペンと、課題が残るペレス

 午後2時33分。今年最初のセッション開始から3分後、乾いた空気を切り裂いて、セルジオ・ペレスが駆るレッドブル・ホンダが目の前を通り過ぎて行った。レッドブルが2021年を戦うマシンとして製作したRB16Bに搭載されたホンダのパワーユニットは、昨年のRA620Hとは、まったく異なるフィロソフィで設計された新骨格のパワーユニットだ。

 カムシャフトのレイアウトを大幅にコンパクトにして位置を下げ、バルブ挟み角も変更。これにより、燃焼室の形状も一新された。これでパワーアップしただけでなく、シリンダー上部がコンパクトになり、同時に重心も下がった。さらにボアピッチ(シリンダー間の距離)も縮めて、重心だけでなく、サイズ自体をコンパクトにした。ターボとコンプレッサーがVバンク角に入っていた、2015年から2016年にかけて戦ったいわゆる『サイズ・ゼロ』とは、ターボとコンプレッサーのレイアウトが異なるので単純に比較はできないが、パッケージとしてはこれまでにないコンパクトなパワーユニットになったことは確かだ。

 そのパワーユニット、RA621Hが搭載されたレッドブルの新車RB16Bはストレートスピードが向上しただけでなく、本来レッドブルが得意としていたコーナーリングでの俊敏性も向上。ヘアピンと呼ばれるバーレーン・インターナショナル・サーキットのターン10で、特に生き生きしていた。

 それを同じターン10のアウト側で見ていたリザーブドライバーのアレクサンダー・アルボンもカメラを向けるとサムアップしてくれた。

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第1戦バーレーンGP 今年はレッドブル・ホンダのリザーブドライバーとしてチームに帯同するアレクサンダー・アルボン

 その通り、今年最初のセッションでRB16B・ホンダを駆ったマックス・フェルスタッペンがまずはトップタイムを記録。フェルスタッペンは2回目のフリー走行でも最速をマークした。レッドブル・ホンダは開幕戦初日、上々の滑り出しを見せた。

 しかし、7年間メルセデスに辛酸をなめさせられ続けたF1界は、まだ慎重だ。フェルスタッペンもそのひとり。

「この週末は良いスタートを切ったことは間違いないが、明日はまた違う1日。まだ改善すべき点があるから、しっかりと宿題をこなしたい」(フェルスタッペン)

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第1戦バーレーンGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

 その宿題は、今年移籍してきたペレスのほうが多くなりそうだ。

「まだショートランに課題が残っている。1周のアタックラップだと、まだ自分とマシンが一体となり切っていないんだ。特にソフトタイヤのときだ。いくつかやるべき仕事が残っている」(ペレス)

 とはいえ、レッドブル・ホンダが開幕戦の初日に総合トップに立つのは、2019年にパートナーとなって以来、3年目にして初めてのこと。テスト最終日の前半セッションから4セッション連続してのトップタイム。今年のレッドブル・ホンダがチャンピオンシップをかけて戦うに相応しいマシンであることは、もう疑いはない。

セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第1戦バーレーンGP セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)
クリスチャン・ホーナー&セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第1戦バーレーンGP レッドブル・ホンダのクリスチャン・ホーナー代表&セルジオ・ペレス
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第1戦バーレーンGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第1戦バーレーンGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)