今季SF初走行の中嶋一貴「出場できるレースはすごく大事にしたい」WECとのバッティングに複雑な胸中

 2021年シーズンも引き続き、全日本スーパーフォーミュラ選手権に参戦する中嶋一貴(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)。3月11〜12日に行われた鈴鹿公式合同テストに参加できなかった一貴にとって、3月23日午前に行われた富士公式合同テストのセッション1が2021年スーパーフォーミュラの走り始めとなった。今年のスーパーフォーミュラ初走行後、マシンの感触やチームメイトの宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)への印象、そして今季のスーパーフォーミュラへの出場予定を聞いた。

 一貴にとって2021年シーズンのスーパーフォーミュラ走り始めとなった23日午前のセッション1では、開始早々から精力的に周回を重ね、18台中2番目に多い43周を走破した。

「昨年の年末(12月22〜23日)に行われたテストから継続して、クルマを良くできるようにいろいろとやっています。試したいことはさまざま試すことができましたが、最後にニュータイヤがバタバタしたりしたので、まだ道半ばというところだと思います」と一貴。

「朝からエンジン関係のプログラムもあったので、路面が濡れている状況でも少し多めに周回した分、周回数が多くなったのだと思います。朝は路面の関係で遅れはしましたけれど、ある程度、走行時間のなかで試したいことは試せたかな」と1分22秒645というベストラップを記録し、7番手で終えた2時間2分間のセッション1を振り返った。

 国内トップフォーミュラ参戦11シーズン目を迎えるベテランドライバーとなった一貴だが、今季のチームメイトはフル参戦デビューイヤーを迎える22歳の宮田莉朋。中嶋一貴にとって、これまでスーパーフォーミュラでのチームメイトは皆外国人ドライバーであり、スポット参戦を除いて、スーパーフォーミュラのチームメイトに日本人ドライバーを迎えたことはなく、今シーズンが初めての経験となる。

 昨年の全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権のシリーズタイトル獲得という実績とともにスーパーフォーミュラにステップアップを果たした宮田については「チームメイトとして一緒に走っているセッションはまだ少ないのですが、去年、僕の代役でスーパーフォーミュラにスポット参戦した際にスピードは十分みせていると思いますので、僕にとってもすごくいいライバルになると思います。お互いに学びあって切磋琢磨をして、チームとして前に進んでいけるんじゃないかなと思っています」と一貴。宮田とチームメイトとなることで生まれる相乗効果についても期待を示した。

 ほかのライバルについて尋ねると「今回のテストに関して言えば、野尻智紀(TEAM MUGEN)選手はすごく調子が良さそうに見えますね。あとは平川亮(carenex TEAM IMPUL)選手も、相変わらずどのサーキットに行っても速いので、そのふたりは強力かなと思います。あと、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGも速そうですね。昨年から速いチームは相変わらず速いと思いますので、そこにいかに食い込んでいけるかというのがターゲットになってくるのかなと思います」と語った。

 そんなライバル達とスーパーフォーミュラで繰り広げられる一貴の巧みなレース運びやアグレッシブなアタックを楽しみにしたいところだが、一貴は今季もWEC世界耐久選手権にTOYOTA GAZOO Racingから参戦する。

 3月23日現在、WECとスーパーフォーミュラは2週間の自己隔離期間を設けた場合、4ラウンドでスケジュールがバッティングしており、この2週間の自己隔離期間が緩和されない限り、一貴はスーパーフォーミュラの第2戦鈴鹿、第3戦オートポリス、第4戦SUGO、第5戦もてぎを欠場するのではないかと考えられる。

「第2戦の鈴鹿はちょっと厳しそうですね。第3戦以降どこでレースに出られるのかというのは、隔離措置次第かと思います。昨年は隔離期間中でもサーキットのなかでしっかりと対策をした上でレースに出場したこともありました。それができるかどうかによって出場するレースの数が変わってくるので、ちょっと現状ではわからないとしか言えないですね」と一貴は話した。

 出場が確実な、4月3〜4日に富士スピードウェイで開催されるスーパーフォーミュラ第1戦については「なかなか限られたレースにしか出場できないシーズンになってしまいそうなので、その分、出場できるレースは自分のなかでもすごく大事にしたいと思います。昨年の富士でのレースがあまり良い内容とは言えないレースだったので、幸い季節も変わりますしテストもできているので、しっかりと準備をして昨年よりも良いレース、開幕から良いスタートダッシュを決められるように頑張りたいです」と、意気込みを語った一貴。

 23日午後に行われたセッション2では37周を走り込み、終盤となった計測36周目には7番手タイムとなる1分22秒243を記録。4月4日決勝の開幕戦に向けても好調なスタートを見せた一貴だが、今季はスーパーフォーミュラに何戦参加することができるのか。日本と海外の行き来や、その都度の2週間の隔離を含めて、今まで以上にメンタルコントロールの難しい1年になりそうだ。

2021年スーパーフォーミュラ富士公式テスト 中嶋一貴(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
2021年スーパーフォーミュラ富士公式テスト 中嶋一貴(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
2021年スーパーフォーミュラ富士公式テスト 中嶋一貴(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
2021年スーパーフォーミュラ富士公式テスト 中嶋一貴(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
2021年スーパーフォーミュラ富士公式テスト 中嶋一貴(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
2021年スーパーフォーミュラ富士公式テスト 中嶋一貴(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)