シングルイベント化のTCRニュージーランドに、WRC経験者のヘイデン・パッドンが参戦表明

 2021年から新たに創設される南半球の新TCRシリーズ、TCRニュージーランドのラウンチイベントに向け、元WRC世界ラリー選手権優勝ドライバーのヘイデン・パッドンが参戦を表明。4月23~24日の週末にハイランズ・モータースポーツパークで開催される唯一のチャンピオンシップレースで、ヒュンダイi30 N TCRをドライブすることとなった。

 当初は全5戦の計画でカレンダーが策定されていたTCRニュージーランドの2021年シーズンだが、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の影響により昨年の12月時点で全3戦の日程に短縮されていた。その改訂版スケジュールがアナウンスされたのに続き、直近にはティマルー・インターナショナル・レースウェイとテレトンガ・パークでのラウンドも削除となり、最終的にシングルイベントでの開催に限定される事態となった。

 シリーズマネージャーを務めるリンゼイ・ドッドは、この苦渋の決断に際して「本来ならティマルーを皮切りに、なんとか全3戦のチャンピオンシップを開催したいと考えていたのだが、COVID-19パンデミックの結果、ヨーロッパからのロジスティクスを中心に数台のマシンが間に合わないことが判明したんだ」と、その理由を説明した。

「このタイミング上の不可抗力により、最初の2ラウンドをキャンセルして4月末のハイランド戦にすべてのリソースを集中し、競技者の公正を担保する決定を下した。我々はこのTCRシリーズに多くの期待を寄せているが、いくつかのエントラントはまだ欧州からの部品到着を待っている状況だ」と続けたドッド。

 皮肉な結果ながら、この決定により状況が開けたのが前出のパッドンで、WRC活動後に地元のラリー選手権や独自のEVプロジェクトを展開してきた男は、自らの名を冠した『Paddon Rallysport Group team(パッドン・ラリースポーツ・グループ・チーム/PRG)』のエントリー名で、複数の耐久レースを経験したヒュンダイi30 N TCRのステアリングを握ってのTCRニュージーランド参戦が実現した。

WRC活動後に地元のラリー選手権や独自のEVプロジェクトを展開してきたヘイデン・パッドン
韓国や北米市場に投入され、EVグレードも設定される『ヒュンダイ・コナ』がベースのEVラリーカーを製作した

■BTCCやJTCCで活躍したベテラン、ポール・ラディシッチの参戦も決定

「それは少し予想外だった。今シーズンはTCRに出場する予定はなかったんだよ。でも、ホームトラックでたった1戦のタイトル決定戦が開催されるのに、そのグリッドにいないのは失礼にあたるよね!」と、地元のWEBサイト『talkmotorsport.co.nz.』にその参戦理由を明かしたパッドン。

「もちろん、このクルマで耐久イベントに参加したことがあるけれど、あちらは戦略の重要性と自らのペースに焦点を当てる戦いだ。実際にはほとんどの時間、自分自身のドライビングに集中してレースをすることになる」と続けたパッドン。

「でもスプリント・フォーマットでの戦いは、それとはかなり異なる世界だ。誰もがパフォーマンスの面で等しく平等に近いことが望まれるし、それによって素晴らしいレース展開が期待できるだろう」

「サーキットレースはまだ僕にとってかなり新しいものだ。週末のイベント形式から、自分の周囲で他のマシンがバトルを繰り広げることまで、すべてが僕がこれまで経験し、慣れ親しんできたものとは異なる。でも結局のところ、ラリーに似ている点は僕ら全員がクルマを速く走らせようとしているということだね!」

 そのほか、1990年代にはBTCCイギリス・ツーリングカー選手権や日本のJTCC全日本ツーリングカー選手権でも活躍し、地元で開催された世界ツーリングカー・カップで2勝を挙げているポール・ラディシッチらの参戦もアナウンスされている。

自らの名を冠したパッドン・ラリースポーツ・グループ・チーム(PRG)からの参戦となる
フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRをドライブすることが決まったポール・ラディシッチ