角田裕毅テスト密着:AT02に問題発生「最終日はドライビングに集中したい」出勤時には誠実なメディア対応も

「すみません、ごめんなさい」

 プレシーズンテストの2日目、バーレーン・インターナショナル・サーキットのパドック入口のゲートを通過した角田裕毅は、メディアがドライバーとコンタクトできるミックスゾーンで待っていた筆者を見つけると、朝の挨拶を交わす前に、まず謝ってきた。

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1プレシーズンテスト2日目 サーキットへ出勤する角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

 じつは、前日にテスト初日のコメントをもらったときに、「2日目にサーキット入りするところを撮影したいので、時間を教えて」と尋ねたら、広報に確認して「8時です」と答えていた。

 ちょっと早いなあと思ったけれど、せっかくバーレーンまで取材に来たのだから、早起きして朝7時50分にサーキットに来た。

 ところが待てど暮らせど、角田が来ない。ダニエル・リカルド(マクラーレン)、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)、セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)、ランド・ノリス(マクラーレン)、カルロス・サインツJr.(フェラーリ)、セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)が来ても、来ない。時計の針は8時45分になろうとして、反対のゲートから来場したルイス・ハミルトン(メルセデス)に多くのカメラマンが群がり始めたとき、角田がやってきた。

ダニエル・リカルド(マクラーレン)
2021年F1プレシーズンテスト2日目 ダニエル・リカルド(マクラーレン)
フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)
2021年F1プレシーズンテスト2日目 フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)

「8時と言ったのに、こんな時間になっちゃって……」

 おそらく、広報が時間を勘違いしていたことがあとになってわかったのだろう。それをこちらに知らせる術がなかったため、筆者に会うやいなや、そのことを謝罪したのだろう。

 F1ドライバーになった角田を取材してみて感じることは、若いのに誠実に対応する姿だ。トラブルで走れなかった初日も、変な言い訳などせず、きちんと説明していた。それは日本人の筆者だけでなく、海外のメディアにも同様だ。

 その角田は、この日、57周を走り込んだ。初日が37周だったから増えた訳だが、笑顔はなかった。

「じつはまともに走ることができたセッションが一度もなかったんです。たとえば、ミディアム(C3)のニュータイヤを履いたときにDRSが開かなかったり、最後にC4(ソフト)タイヤを履いたときには1コーナーのブレーキングでペダルが壊れてしまったり……。それ以外にも、セクター3で電気のマネージメントだと思うのですが、パワーロスしてしまって、コンマ3〜4秒失ったりして、完璧に走ることができませんでした。でも、こういうのを見つけるためにテストしているので、明日につながればいいと思っています」

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1プレシーズンテスト2日目 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

 ただし、新車『AT02』のポテンシャルは悪くないと言う。

「新車の印象はいまのところ悪くないです。セットアップに関して、特に大きな問題は出ていません。ただ、ブレーキングに関してはピエールも同じようなことを訴えていますが、リヤロックが多い。それでリヤタイヤを発熱させてしまって、セクター3でタイヤがきつくなって、タイム的に伸びていないという感じです」

 問題はトラブルが多いこと。

「テストなので(トラブルは)出てもいいのですが、ピエール(・ガスリー)に比べると、ちょっと僕のほうに出過ぎている(笑)。最終日ぐらいは、ドライビングに集中して走りたいですね」

 その最終日、午後3時からステアリングを握る角田のプログラムは、レースシミュレーションだ。

「まだ、自分たちがどのポジションにいるかは、まったくわからないです。走っているときのコンディションが違うし、僕もきちんと走ることができていない。まあ、最終日にみんなアタックすると思うので、その結果を見たら、少し景色(勢力図)が見えてくるんじゃないですか」

 取材を終えて、写真の整理をしていたら、朝撮影した角田の写真が。これが45分待って、お願いして撮った写真なのか……。謝らなければならないのは、こちらのほうだった。

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1プレシーズンテスト2日目 サーキットへ出勤してきた角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)。日本、海外問わずメディアへの対応もしっかりしているという

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