モーターファン・イラストレーテッド(MFi)174号は直列3気筒を大特集

コンパクトカークラスでも長らく主流の座を占めていた直列4気筒エンジンだが、国産メーカーでも直列3気筒へのスイッチがいよいよ本格化しつつある。熱効率やメカフリクション低減でメリットのある直3がなぜこれまで主流となりえなかったのか、そしてその改善策をMFi次号では徹底分析した。

自動車用エンジンは高出力と低燃費を追求し続けてきたが、もうひとつ「振動との戦い」で進歩してきたと弊誌アドバイザーの畑村耕一博士は語る。排気量1.0ℓから2.5ℓ程度の範囲では直4は得られる出力と燃費性能の両立をある程度のバランスで実現でき、コストも手頃で1次振動もないことから多くのモデルで採用された。

畑村博士が作成したエンジンの各種振動がどのように発生するのかを解説した図版。

しかし、近年より厳格化してきた燃費規制に対してよりいっそうの熱効率向上が必要となり、1気筒あたりの排気量500cc程度が理想として求められるようになった。さらに、2.0ℓ直4から1気筒を削減し1.5ℓ直3とすれば燃焼解析や生産設備の共用化など多くのメリットも生み出せる。こうした要因からまず欧州勢が2010年代序盤に1.5ℓ近辺のエンジンを直3へとスイッチさせていった。

フォードの多くのモデルに採用されているEcoBoost直3ターボエンジン。

ここで問題となるのが、直3エンジン特有の振動/騒音である。日本では軽自動車が直3ということもあり、登録車での直3採用にハードルがあったことも事実だ。MFi最新号では「直3特有の振動/騒音とはどのようなものなのか、そしてなぜその違いが起こるのか」を平易に解説した。加えて重量や体格、損失低減の大小などを多方面から分析している。

直3のトヨタ・ヤリスクロスと直4のマツダCX-3、同じ1.5ℓエンジンで振動がどのように違うのかを比較試乗してみた。

さらに、TNGAパワートレーンの末弟としてM15系エンジン、そして従来のラインナップから独立して競技でのポテンシャルを重視しゼロから開発したG16系ターボエンジンというふたつのトヨタ最新直列3気筒ユニットの詳細を開発エンジニアに訊いた。また、日産の主力に成長したe-POWER用HR12DE型エンジンの進化、日本国内では馴染みが薄いものの欧州、アジア市場で確固たる地位を築いているホンダのP10A系1.0L直3ターボエンジンの最新スペックの狙いも開発陣に解説いただいている。

ボア・ストロークが共用となるトヨタM20A型2.0ℓ4気筒エンジンとM15 型1.5ℓ3気筒エンジンの損失比較。
専用ラインで手組みで生産されるGRヤリス用G16E-GTS型ターボエンジン。
Cセグ用に開発された1.0ℓ直3ターボをBセグのシティに搭載するために補機類レイアウトを大幅に見直したホンダP10A型エンジン。

3月15日発売のモーターファン・イラストレーテッドvol.174は「直3 vs 直4 3気筒エンジン隆盛の理由」のタイトルのもと、直3にまつわるさまざまな要素を分析。エンジン自体だけではなく体格や重量、マウントや振動など自動車に搭載するにあたって避けては通れない多くの視点から直3エンジンを検証した。傍流から主流へと変わりつつある直3の今が見えてくる1冊だ。