全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権でのTODA RACINGのエンジン変更の理由とは

 3月10〜11日、三重県の鈴鹿サーキットで行われた全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の合同テスト。11台17名のドライバーが参加したテストだが、今季佐藤蓮を擁して参戦するTODA RACINGが、オリジナルのTODA TR-F301エンジンではなく、スピースA41エンジンを搭載してテストに参加した。いったいなぜエンジン変更に至ったのか、戸田レーシングの戸田憲吾社長に聞いた。

 全日本F3選手権時代から長年シリーズに参戦し、これまで数多くのトップドライバーを輩出してきたTODA RACINGは、その高い技術力を活かし、エンジンビルダーとしてGT用やフォーミュラ用のエンジンを数多く製作。2020年のスーパーフォーミュラ・ライツまでオリジナルのTODA TR-F301エンジンを使用してきた。

 しかし、2021年の開幕に向けた鈴鹿合同テストでは、TODA RACINGはスピースA41エンジンを搭載して2日間のテストに臨んだが、この理由について戸田社長に聞いた。

「もともと、TR-F301エンジンは『グローバル・レース・エンジン(GRE)』などの話のなかで製作したエンジンですが、FIAの方針変更のなかでF3のみでしか使えなくなり、ずっと全日本F3選手権で使用してきましたが、FIAのフォーミュラ再編のなかでマカオGP等もなくなり、シリーズもスーパーフォーミュラ・ライツに変わりました」と戸田社長。

「そのなかで、スーパーフォーミュラ・ライツのダラーラ320となってから、F3用に製作したエンジンの面で厳しいところが出てきました。ここから本格的にやろうとすると、大がかりな変更が必要になってきています」

 また、エントラント間ではコストダウンに関する議論も生じており、戸田社長は「このタイミングをもって現在のエンジンの開発をいったん止めて、今度は値段も安く、皆さんに使ってもらえるようなエンジンを作っていこうか、という方向に転換しようと思っています」と説明した。

 FIAの方針により、現在のエンジンはサイズなど制約も多く、値段が上がる要因にもなっているという。そこで、新たにエントラントも使いやすい新たなエンジン開発に舵を切るということだ。また、TODA RACINGはホンダの若手育成の役割も担っており、スーパーフォーミュラ・ライツ参戦にあたっては同規定のユーロフォーミュラ・オープンでも使われているスピースエンジンの使用が、ドライバー育成という面から理に適った選択だったという。

 マルチメイクのスーパーフォーミュラ・ライツで、エンジンが1種類減ってしまうのは寂しいところだが、今後の新たな戸田レーシング製エンジンに期待したいところだ。