青木拓磨の夢ふたたび。SRT41“革新的な車両”で5年ぶりのル・マン24時間出場へ

 フランス人実業家のフレデリック・ソーセが率いるアソシエーション・SRT41は、3月9日に発表された第89回ル・マン24時間レースの暫定エントリーリストに名を連ね、チームとして5年ぶりに特別枠“ガレージ56”のイノベーティブカーとして伝統の1戦に臨むことになった。

 ソーセが四肢切断者として初めてル・マンに挑み、見事完走を果たした2016年と同様に、SRT41は特別に改造された革新的なLMP2カーをサルト・サーキットに持ち込む。フランスのレーシングチーム、グラフで準備されたオレカ07・ギブソンには障害を持つふたりの選手を含むドライバー陣が搭乗するが、そのなかのひとりが元WGPライダーの青木拓磨だ。

 ともに、二輪事故の後遺症で下半身を動かすことのできない青木とナイジェル・ベイリー。そこにソーセがチーム監督としてレースに復帰することで、同チームはル・マンのグリッドに並ぶ62台のリストに選ばれることになった。

 なお、9日に公開された暫定エントリーリストのドライバー欄に名前はなかったが、ふたりとマシンを共有する3人目のドライバーとして、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズのLMP3クラスで優勝経験を持つフランソワ・エリオーがチームに加わる予定だ。

 また、ベイリーと青木は8月21~22日のル・マンデビューに備え、ELMS開幕戦バルセロナと第3戦ポール・リカールへの参戦を予定している。この両ラウンドでは、アルピーヌ・エルフ・ヨーロッパカップの初代チャンピオンであるピエール・サンシネナとチームを組むことになる。

 シルバーレーティングのペアは、昨年もスヌーシ・ベン・ムッサを加えた体制で、ル・マンの暫定エントリーリストに名を連ねた。彼らはサルト・サーキットで開催された2019ロード・トゥ・ル・マンを含む複数のレースに、改造されたリジェJS P3・ニッサンで出場。ハンドドライブでのレース経験を積んできた。

 しかし、不運にも新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが2020年大会を襲ったため、チームは計画を放棄せざるを得ない状況に陥る。

 1度は潰えた夢。だが、SRT41はふたたびル・マンに向けて動き出し、5年ぶりの24時間レース出場を実現させようとしている。8月に延期された2021年大会ではベン・ムッサが一身上の都合でプログラムから撤退したものの、アソシエーション・SRT41はチームとして2度目、青木とベイリーは待望のル・マン初参戦を果たす予定だ。