ルノーで連覇の元王者がホンダへ電撃移籍。トヨタ勢はニュル24時間参戦を検討/STC2000

 アルゼンチン最高峰のツーリングカー選手権、スーパーTC2000(STC2000)に参戦する2020年チャンピオンチームのTOYOTA GAZOO Racing Argentina(トヨタ・ガズー・レーシング・アルゼンティーナ)が、自身5度目の王座を獲得したマティアス・ロッシや元跳ね馬ドライバーのルーベンス・バリチェロらとともに、トヨタ・カローラSTC2000でのニュルブルクリンク24時間参戦のプログラムを検討中であることが明らかになった。

 また、STC2000に4台体制で挑むPuma Energy Honda Racing(プーマ・エナジー・ホンダ・レーシング)は2021年のドライバーラインアップを発表し、Renault Sport Castrol Team(ルノースポール・カストロール・チーム)のフルーエンスGTをドライブし、2017~2018年連覇を達成したファクンド・アルドゥソの電撃加入をアナウンスしている。

 2021年シーズンも引き続き4台のトヨタ・カローラSTC2000を投入するトヨタ・ガズー・レーシング・アルゼンティーナ/TGR・YPF・インフィニアは、不動のエースを務めるロッシを筆頭に、FFツーリングカー2年目のシーズンを迎えるバリチェロと、シリーズ随一のスピードを誇るジュリアン・サンテロ、そしてフランコ・ヴィヴィアンのラインアップで挑む。そのTGRAはこの4名のドライバーとともに、現状は6月3~6日に開催される予定のニュルブルクリンク24時間参戦に向け、関係各所と調整に入ったことを認めた。

 主な課題は各ドライバーを含めた参戦資格の取得、クラス分けの認定と車両規格の調整、そして渡航にまつわるタイムリミットに分けられるが、チームは2021年のイベント参戦に間に合わないと判断した場合、2022年大会へのスライドも考慮するとしている。

 参戦が実現した場合、フランス・オレカ製の2リッター直列4気筒直噴ターボのワンメイク・エンジンを搭載するトヨタ・カローラSTC2000は、例年はスバルWRX STIなどが参戦してきた排気量が2000ccまでのターボエンジン搭載モデル向けのSP3Tクラスか、どの規格にも適合しない車両向けのSP-Xクラスでのエントリーが見込まれている。

 TGRAとしては、2019年シーズンを前にSTC2000の空力ホモロゲーション取得に向けた開発作業のため、ドイツ・ケルンのTMG(現TOYOTA GAZOO Racing Europe GmbH/TGR-E)の風洞施設を活用しており、カローラにとってはそのとき以来のドイツ上陸となる。

2020年から母国のSCBと並行してSTC2000挑戦を開始したルーベンス・バリチェロは、ルーキーイヤーで1勝を挙げた
トヨタ・カローラSTC2000のニュルブルクリンク24時間参戦が実現した場合、SP3TかST-Xクラスでのエントリーが見込まれる
2017~2018年連覇を達成したファクンド・アルドゥソの電撃加入をアナウンスしたPuma Energy Honda Racing(プーマ・エナジー・ホンダ・レーシング)

■王者アウドゥソはランキング5位に終わった2020年を最後にチーム離脱を決意

 一方、南米大陸を代表する石油エネルギー企業プーマ・エナジーのサポートを受け、ホンダ系ファクトリーチームを運営するRAM Racing Factory(RAMレーシング・ファクトリー)は、ファビアン・シャナントゥオーニとファン-アンヘル・ロッソのチーム残留と同時に、STC2000で2冠獲得のファクンド・アルドゥソと、WTCR世界ツーリングカー・カップにも参戦した若手有望株、ホセ-マニュエル・サパーグの新加入を発表した。

 昨季までRenault Sport Argentina(ルノースポール・アルゼンティーナ)のエースとして活躍し、フルーエンスGTで通算13勝、18回のポールポジションを獲得する32歳のアルドゥソは、タイトル戦線に加わりながらランキング5位に終わった2020年を最後にチーム離脱を決意。新たにホンダのマシンをドライブすることを決断した。

 一方、今年25歳を迎えるサパーグは、2019年にマルセロ・チャロッキとペアを組むゲストドライバーとして、名物イベントの『ブエノスアイレス200km』でシトロエンC4ラウンジをドライブ。

 2020年は新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の厳しい条件下ながら、引き続きFDCモータースポーツやMonti Motorsport(モンティ・モータースポーツ)が走らせる同車をドライブしつつ、Target Competition(ターゲット・コンペティション)のヒュンダイi30 N TCRで、WTCRやTCRヨーロッパにも挑戦する精力的な活動を続けてきた。

 この元王者アルドゥソの移籍劇により、ルノースポール・カストロール・チームも2019年チャンピオンのリオネル・ペーニャとマティアス・ミラの新たなパートナーになる3人目のドライバーを発表。かつてはプライベーターのフォード・フォーカスIIIで印象的な速さを披露し、トヨタやフィアットなど数多くのブランドを経験するダミアン・フィネンチの起用をアナウンスしている。

2020年までRenault Sport Argentina(ルノースポール・アルゼンティーナ)のエースとして活躍し、フルーエンスGTで通算13勝、18回のポールポジションを獲得する32歳のアルドゥソ
2020年は2度の表彰台獲得に留まったプーマ・エナジー・ホンダ・レーシングとホンダ・シビックSTC2000
昨季はSTC2000に加えてTCRで活躍したホセ-マニュエル・サパーグも、ホンダ陣営の一翼を担う