ベッテルは土曜スプリントレース案に反対「F1改善のためには、その場しのぎでなく根本的な問題解決を」

 アストンマーティンF1チームのセバスチャン・ベッテルは、土曜日の午後にスプリントレースを行うというF1の計画の背後にある考えが理解できないと述べ、このアイデアは単なる“つぎ当て”であり、“意味をなさない”と主張している。

 F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリは、土曜予選を100kmのショートレースに置き換え、それによって決勝グリッド順を決めるというアイデアを発案した。

 このコンセプトは、今シーズンの3戦で実施される可能性がある。F1チームは概ねこれを支持しているものの、詳細な情報を得たうえで、最終決定のための正式投票に臨みたいとの考えだ。

 メルセデスF1チーム代表のトト・ウォルフは、チームはこのアイデアを前向きに受け入れ、少なくとも試してみるべきだと考えている。しかしベッテルの考えは異なり、スプリントレースのコンセプトは「本当の問題から意識をそらすための方便に過ぎない」と主張した。

「その背後にある考えが分からない。僕は気に入らないな」と4度の世界チャンピオンであるベッテルは、アストンマーティンのチーム発表会において語った。

アストンマーティンF1の2021年型『AMR21』発表会に出席したセバスチャン・ベッテル
アストンマーティンF1の2021年型『AMR21』発表会に出席したセバスチャン・ベッテル

「なぜ決勝の前にプレファイナル戦をやるというのだ? それには何の意味があるんだろう? 僕には理解できない」

「もちろん土曜日にレースがあるのなら僕は参戦しなければならない。なぜなら日曜日のレースに参戦したいからだ。でも僕の考えでは、これは無意味だ」

「グランプリは300kmを走るものとして行われてきた。それが週末のメインとなる挑戦なんだ」

「ひとつレースを増やすとか、(予選で)Q4やQ5をやるとか、そういうフォーマット変更を導入しなければならないというのなら、他に修正すべきことがあるはずだ」

「本当の問題から焦点をずらしたり、外したりするものだ。根本的に問題点を修正する行動というよりは、つぎ当てのようなものだ」

2020年F1第2戦シュタイアーマルクGP決勝スタート セバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレール(フェラーリ)
2020年F1第2戦シュタイアーマルクGP決勝スタートでのセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)

 ベッテルのチームメイトであるランス・ストロールは、この案に前向きなようだが、それでもF1には対処すべき“根本的な問題”があるという点に同意した。

「F1には対処すべき、もっと大きな根本的な問題があると思う」とストロールは語った。

「このアイデアは素晴らしいものになる可能性がある。僕は反対していないし、ばかげたものではないと思う。ただ、よくあることだけれど、レギュレーションやフォーマットが変わるときには、実際に試してF1にどのような影響が出るか見るまでは、常に疑問がつきまとう」

「僕にとって重要なのは、グリッド上の競争が促進され、チームが拮抗することだ。空力的にもタイヤ的にも、もっと接近した戦いができるようになり、ホイール・トゥ・ホイールで、より激しくバトルができるようなチャンスが与えられることを望んでいる」

「他のマシンの後ろにつくことで空力負荷を失うと、それは不可能だ。それに、タイヤが温度に対してひどく敏感なので、作動領域の温度から外れるとグリップを失ってしまう」