世界反ドーピング機関、ハースF1のロシアカラーリングの可否について調査

 2021年型ハースF1マシン『VF-21』のカラーリングがロシア国旗を連想させるものであることについて、世界アンチ・ドーピング機関(WADA)が調査を行っていることが明らかになった。

 ハースは3月4日、世界最大級のカリ肥料の製造および輸出業者であるロシアのウラルカリ社とタイトルパートナー契約を結んだことを発表、チーム名は『ウラルカリ・ハースF1チーム』に変更された。ウラルカリ社の共同オーナーであるドミトリー・マゼピンは、ハースに今年レギュラードライバーとして加入したニキータ・マゼピンの父親だ。

 新スポンサーが加わったことにより、マシンのカラーリングは一新され、ホワイトをベースにレッドとブルーがあしらわれた、ロシアの国旗を思わせるカラーになった。

2021年型ハースF1マシン『VF-21』(カラーリング)のフロント
2021年型ハースF1マシン『VF-21』(カラーリング)のフロント

 ロシアは、過去にオリンピックにおいてドーピングを行ったために、主要国際大会への参加を現在禁止されている。2014年、ロシアが組織的なドーピングを行い、選手の検査データを改ざんしてきたとの報道がなされたことから調査が行われ、昨年12月、スポーツ仲裁裁判所(CAS)がロシアに対し主要国際大会への参加を2年間(2022年12月16日まで)禁止するという決定を下した。選手は“中立選手”として個人資格で参加することが可能だが、ロシアの国旗掲揚、国歌斉唱は許されない。

 この決定はF1ドライバーにも適用されるため、マゼピンは、ロシア国籍での参戦はかなわず、“ロシアからの中立選手”としてグランプリにエントリーすることになる。

 一方で、ロシアカラーをウエアやマシンに使用することは許可されていると言われていた。しかし、WADAはハースVF-21のカラーリングについて調査を行っていると認めた。

「WADAはこの件を認識しており、関係当局とともに調査を行っている」とWADAのスポークスパーソンがコメントしたと、ロイターが6日に伝えた。

 ハースのチーム代表ギュンター・シュタイナーは、マシンの新カラーリングが問題になるとは思っていないと語っている。また、ロシア国旗を使用できないために採用したカラーリングというわけではないという説明も行った。

「何かを回避したわけではない。このカラーリングは、WADAからロシア国旗についての決定が出る前に考えていたものだ」

「もちろんロシア国旗を使用することはできないが、そのカラーをマシンに使うことはできる」

「結局のところ、ロシア国旗の表示ができないのはアスリートであって、チームではない。我々はアメリカのチームだ」

 シュタイナーは、この問題についてはFIAに事前に相談しているが、判断を下すのはWADAであると語った。

「彼ら(FIA)が承認することはできないと思う。これはFIAの規則ではなく、WADAの規則なのだ」