フェラーリF1、今年初の18インチタイヤテストを終了。2022年導入に向け大量のデータを収集

 へレス・デ・ラ・フロンテーラの完璧な天候と、フェラーリが持ち込んだSF90の抜群の信頼性のおかげで、ピレリはF1全チームに供給する2022年仕様タイヤの開発作業において、大きく前進することができた。ホイール径の18インチ化によって、来年はF1マシンの外観が劇的に変わることになる。

 ピレリは、2021年最初のタイヤテストで一連のレインタイヤとインターミディエイトタイヤを試す計画を立てた。スペイン南部がヨーロッパでも最高に天候の良い地域であること、またへレス・デ・ラ・フロンテーラ・サーキットには舗装を濡らすための自動スプリンクラー・システムが装備されていないことは十分に承知していたピレリだが、他に空いているコースがなかったため、へレスを2月22日から24日の3日間予約した。 

 当初は、フェラーリSF90はスプリンクラー・システムを持つポール・リカール・サーキットに持ち込まれる予定だった。しかし、現在コースの改修工事が進んでいることから、ピレリはより南方のコースへの変更を余儀なくされた。ところが、この変更が幸運につながった。ピレリはへレスでウエットウェザータイヤのテストに必要な150周分のデータ収集に成功し、2022年に供給予定のスリックタイヤについても開発作業を前に進めることができた。

ピレリF1の13インチタイヤと18インチタイヤ
ピレリF1の13インチタイヤと18インチタイヤ

 18インチタイヤテストを行うにあたり、フェラーリは来季マシンに予想されるダウンフォースレベルを再現するため、SF90にいくつかの変更を加えた。シャルル・ルクレールとカルロス・サインツJr.がヘレスで走らせたシャシーには18インチホイールで作動するよう改造されたサスペンションが使われていた。さらに、やはり来年のマシンの要件に適合させるかたちで空力部分にいくつかの改造が施された。

 2月22日にSF90を走らせたのはルクレールだった。ウエットウェザータイヤのほぼ全プログラムをこなすべく、ウエットとインターミディエイトのタイヤを使って110周を完走した。唯一中断したのは、ピレリがスペインで手配した数台の散水車が路面に水を撒いている最中だけだった。23日は、ルクレールが午前中に2022年仕様のスリックタイヤを履いて走った後、サインツが引き継いでプログラムを継続し、ふたりで合計85周を走り終えた。最終日の24日には、夜間に降った雨にも助けられて、ピレリは午前中にウエットウェザータイヤで37周分のデータを集めた後、スリックタイヤに切り替えた。サインツがさらに88周を走って、テストはすべて終了した。

 今年FIAはピレリに対し、テストプログラムを年間25日間から30日間へ拡大する許可を出しており、各チームが2022年向けに計画されている新しいホイールとタイヤを試す。テストはF1最終戦決勝の2日後に行われるヤス・マリーナ・サーキットでの走行まで続く。そこでは、各チームが新しいホイールとタイヤを装着した2021年仕様マシンを走らせて最大限のデータを収集することになる。