「夢をかなえるスタートラインに立てた」初めて尽くしの世界にチャレンジする川﨑祥吾・18歳/WSS

 コロナ禍の中、新たなシーズン開幕に向け、各オーガナイザー・プロモーターが準備を進めている。スーパースポーツ世界選手権(WSS)の2021年シーズンエントリーリストが先日発表されたが、その中に、ひとりの日本人ライダーの名前があった。

 川﨑祥吾、この春に高校卒業を控えた18歳。2021年より、初めて世界選手権に挑戦する。

「世界選手権に参戦することになるなんて昨年の始めころには、思ってもいなかったので、自分自身でも、すごく驚いています。初めて尽くしで不安もありますが、だからこそ事前の準備をしっかりして、自分を信じて全力で戦おうと思っています。応援してくださっている皆さまへの感謝を忘れずに飛躍のシーズンにしたいですね」

 6歳のときに、たまたま通りかかった千葉北サーキットでポケバイを体験し、その魅力に取りつかれる。ポケバイ時代の先輩には、現在Moto3クラスに参戦している佐々木歩夢がおり、その走りに追いつこうとしていたと言う。74Daijiro、ミニバイクレースを父・宏幸さんがメンテナンスするバイクで戦い、SRS-J(鈴鹿サーキットレーシングスクールジュニア)にも通った。

 2016年には、アジアタレントカップ(ATC)に参戦しランキング8位となるが、2年目のメンバーには選ばれることはなかった。この2016年シーズンのATCには、チャンピオンとなったソムキャット・チャントラを始め、小椋藍、アンディ・イズディハール、山中琉聖、ゲリー・サリム、國井勇樹、真崎一輝と川﨑の上には、一足先に世界に出て行っているライダーばかりがランクインしていた。

イタリア選手権(CIV)SS300に参戦した川﨑祥吾
イタリア選手権(CIV)SS300に参戦した川﨑祥吾

 その後、川﨑は、イタリア周りで世界を目指す道を模索する。2017年は、筑波ロードレース選手権J-GP3クラスにフル参戦し、シリーズチャンピオンに輝くと、2018年は、Motozoo Racing Teamよりイタリア選手権(CIV)SS300にチャレンジする。1年目は、ノーポイントだったが、2019年は最高位7位、ランキングは15位となっていた。2020年も継続の予定だったが、コロナ禍のため参戦を断念。

 そして、2021年に向けてチームと話し合って行く中でWSSのオファーをもらったと言う。チームは、CIVを戦っていたメンバーのまま、Motozoo Puccetti RacingよりカワサキZX-6Rをライディングする。マシンは、昨年、ランキング3位となったフィリップ・エッテルが乗ったものだ。チームメイトは、ベテランのミッシェル・ファブリッツォ。コーチには、2000年125cc世界チャンピオンのロベルト・ロカテリがいる。

イタリア選手権(CIV)SS300に参戦した川﨑祥吾
イタリア選手権(CIV)SS300に参戦した川﨑祥吾

 先日、鈴鹿で初めて600ccマシンをライディング。久しぶりのサーキット走行ということもあり、慎重に周回を重ね、600のバイクは、どんなものなのかということを吸収した。

「操作や体力的には、特に問題なかったのですが、加速の圧がすごかったですね。乗った後は身体が筋肉痛だらけになりました。乗ってみて初めて分かったこともありましたし、イタリアに渡る前に、まだ何度か乗る機会があるので、少しでも慣れておきたいですね」

「ポケバイのころからの夢がMotoGPでチャンピオンになることです。初めての世界選手権ですが、やっとスタートラインに立てた気分です。夢に少し近づけたかな。1年目ですが、トップ争いに食い込んで行きたいです」

 二階級特進とも言える川﨑のWSSチャレンジとなるが、18歳という年齢のわりには、落ち着いた口調で語り、その瞳からは、不思議な自信が感じられた。初めて尽くしとなる世界で、その才能をぜひ開花させて欲しいものだ。

2021年はMotozoo Puccetti Racingからスーパースポーツ世界選手権(WSS)に参戦する川﨑祥吾
2021年はMotozoo Puccetti Racingからスーパースポーツ世界選手権(WSS)に参戦する川﨑祥吾