トヨタ勢まさかの失速。最終戦を前にシボレーの元王者カナピノが肉薄/STC2000第9戦

 2020-21年シーズンも大詰めを迎えたアルゼンチン最高峰のツーリングカー選手権、スーパーTC2000(STC2000)の第9戦が2月6~7日にブエノスアイレスで開催され、2016年王者アグスティン・カナピノ(シボレーYPFクルーズ/シボレーYPFチーム)を擁するシボレー勢が躍動。選手権首位を行くTOYOTA GAZOO Racing YPF・インフィニアのマティアス・ロッシ(トヨタ・カローラSTC2000)らを抑え、週末のセッションを制圧するパフォーマンスを披露した。

 首都ブエノスアイレス郊外のオスカー・ファン・ガルベスで開催された第9戦は、次週2月13~14日の最終戦を含めた同一サーキット2連戦として設定され、シリーズの行方を占う大事な天王山となった。

 その公式練習からトヨタ勢を圧倒したのはChevrolet YPF Team(シボレーYPFチーム)のシボレー・クルーズ勢で、まずはベルナルド・レイバー(シボレーYPFクルーズ)がトヨタのロッシとそのチームメイトを務めるスピードスター、ジュリアン・サンテロを抑えてFP1、FP2ともトップタイムをマークする。

 さらに午後の予選ではレイバーの僚友でチームのエースでもあるカナピノが実力を発揮し、2019年王者のリオネル・ペーニャ(ルノー・フルーエンスGT/ルノー・スポール・カストロール・チーム)やロッシらを従え、今季初のポールポジションを射止めた。

 引き続き土曜の午後に開催されたクオリファイレースでは、スタートで飛び出したニコラス・モスカルディーニ(ホンダ・シビックSTC2000/プーマエナジー・ホンダ・レーシング)の勢いを冷静に見極め、シボレーのレイバーが10周目のターン1で首位浮上に成功。

 そのままレイバーが17周を走破して今季3勝目を飾り、その後方からルノーのペーニャ、シボレーのカナピノが続く表彰台に。ホンダのモスカルディーニは4位まで陥落。トヨタのロッシは5位が精一杯という苦しいリザルトとなった。

 迎えた日曜。最大33周、最長時間50分のフィーチャーレースは正午過ぎにスタートが切られると、ポールシッターのレイバーがホールショットを決め1コーナーへ。2番手ペーニャをカナピノが追う展開となる。

 しかし2周目にはペーニャが早くも仕掛け、レイバーのシボレーにフルーエンスGTのボディを擦り付けるようにしてオーバーテイクを決め、ディフェンディングチャンピオンが早くも首位奪還に成功する。

 この時点で2番手に下がったレイバーは、選手権での順位を勘案して背後にいるチームのエースをすぐさま前に出し、タイトル候補のカナピノが首位ルノーを追う体勢を整える。

土曜の午後に開催されたクオリファイレースでは、スタートで飛び出したニコラス・モスカルディーニ(ホンダ・シビックSTC2000/Puma Energy Honda Racing)の勢いを冷静に見極め、ベルナルド・レイバー(シボレーYPFクルーズ/Chevrolet YPF Team)が勝利
週末の始めからシボレー、ルノーの勢いに押される展開となったトヨタ勢。同一サーキット連戦の最終戦を前に、挽回が急務となる
公式練習から速さを見せたベルナルド・レイバー。日曜はタイトル候補のエースをアシストする活躍を演じる

■今戦でのトヨタ戴冠はならず。勝負は最終戦に持ち越し

 一方、集団後方でのスタートとなったトヨタのロッシは、5番グリッドからさらにポジションを落として7番手でレースを強いられる。苦しむトヨタと対照的に、6番グリッドから発進した2017、2018年連覇のファクンド・アルドゥソ(ルノー・フルーエンスGT/ルノー・スポール・カストロール・チーム)は、フルーエンスGTのスピードも活かしてレース前半戦でレイバーまでを捉え、表彰台圏内に進出してくる。

 その同じ頃、首位を行くペーニャのルノーには異変が生じ、レイバーとのバトルでコンタクトした際に左フロントのフェンダーにダメージを受け、そのパーツがタイヤと干渉。摩耗に苦しむペーニャはペースダウンを余儀なくされ、背後のシボレーにあっさりと首位を明け渡すことに。

 その後、22周目にはマシントラブルでストップした車両の回収でセーフティカーが導入され、先頭集団のマージンが消滅する事態となるも、リスタートを冷静に決めた首位カナピノはそのまま33周を走破してトップチェッカー。

 2位にはレイバーを仕留めたアルドゥソが先行してフィニッシュラインを越え、表彰台を確保。4位にもルノーのマティアス・ミラ(ルノー・フルーエンスGT/ルノー・スポール・カストロール・チーム)が続き、トヨタのロッシはトップ5挽回が精一杯と、このラウンドでのタイトル決定はならず。

 以下、トヨタ勢のサンテロ、リカルド・リサッティ(トヨタ・カローラSTC2000/ミーダス・カレラ・チーム)、フランコ・ヴィヴィアン(トヨタ・カローラSTC2000/TOYOTA GAZOO Racing YPF・インフィニア)と4台が並び、カローラには厳しい展開の週末となった。

 これで首位ロッシがポイントランキングで170点まで伸ばすも、2位のカナピノが145点で猛追。3位アルドゥソは99点とタイトル争いからは事実上の脱落となり、2月13~14日の最終戦ブエノスアイレスは、トヨタvsシボレーの一騎打ちでチャンピオン決定のときを迎える。

日曜フィーチャーレースは正午過ぎにスタートが切られると、ポールシッターのレイバーがホールショットを決め1コーナーへ
首位攻防のコンタクトでダメージを負ったリオネル・ペーニャ(ルノー・フルーエンスGT/Renault Sport Castrol Team)。これが致命傷となってしまう
逆転王座に向け望みを繋いだ2016年王者アグスティン・カナピノ(シボレーYPFクルーズ/Chevrolet YPF Team)。最終戦ブエノスアイレスは、2月13~14日に決着のときを迎える