新型ノート e-POWERでお買い得グレードを見極める2つのポイント

日産が約8年ぶりにフルモデルチェンジを行なった新型ノート。全体の8割もの人が最上級グレードの「X」を選ぶほど販売が好調だというが、グレード選びにおいて注意すべきポイントがある。
TEXT●今 総一郎(KON Soichiro)

結論から言うと、新型ノートのグレード選びは複雑だ。

グレード構成は「F」「S」「X」の3種類を基本に、「S FOUR」と「X FOUR」という4WDも設定されている。車両本体価格は以下の通り。

S:202万9500円(FF)/S FOUR:228万8000円(4WD)
F:205万4800円(FF)
X:218万6800円(FF)/X FOUR:244万5300円(4WD)

先日発表されたプレスリリースでのグレード別構成比(FF車)を見ると、以下のような結果が出ている。

S:15.6%
F:0.2%
X:84.2%

極端に「F」が少ない理由は、「F」は燃費の数値を追求した一方で、実用性を割り切っているから。リヤ間欠ワイパーやスピーカー、運転席シートリフター(上下調整)といった装備を省いた分、車両重量は「S」と「X」よりも30kg軽く、JC08モード燃費は38.2km/L(「S」と「X」は34.8km/L)を達成している。

新型ノートに搭載される第二世代のe-POWER。走行時のノイズに合わせてバッテリーを充電することで、モーター走行時の静粛性を際立たせる制御が盛り込まれている。

燃費を追求した「F」を除けば、「S」と「X」で悩むことになるが、両者の価格差は15万7300円と思ったよりも僅差に留まる。ちなみにパワートレーンは「S」と「X」で性能に差はない。

見た目で分かるポイントを挙げると、「X」はホイールが16インチとなり、シート表皮がグラデーショントリコットとなる。

X

S

S

S

X:グラデーショントリコット

S:トリコット

S:トリコット

S:トリコット

後席リクライニング機構を「X」に採用。2段階の調節ができる。

そのほかに実用的な機能として「X」は後席のリクライニングが可能となる。

さらにカタログの主要装備一覧を細かく見ると、インテリジェントキーや合皮アームレスト、シフト周りのピアノブラック調フィニッシャー、メッキインナードアハンドルなど、「X」は内装の質感が「S」よりも高まる。

ここで、疑問が浮かぶはずだ……。
あれ? 「プロパイロット」は?

これが新型ノートのグレード選びの肝で、「プロパイロット」は最上級グレード「X」(および4WDの「X FOUR」)だけがオプションで装着できるのだ。

しかも、新型ノートに搭載される「プロパイロット」は地図情報からカーブやジャンクションの情報を予め取得したうえで車速をコントロールするナビリンク機能付きで、この機能にはNissan Connectナビゲーションが必要となるが、これも「X」だけ装着可能なオプションだ。

つまり、「プロパイロット」が欲しい場合、最上級グレード「X」を選んだ上で、さらに42万200円のオプションを装着しなければならない。先のプレスリリースに戻ると「プロパイロット」の装着率は41%だという。あくまで推測だが、販売店で見積もりを出してみて、その総額に思わず躊躇したのではないだろうか?

こうして見ると、「最上級グレードでも車両本体価格(218万6800円)は一見リーズナブルだが、結局はオプションを上乗せしなければならないなんて、けしからん」と思うかもしれない。しかし、逆に考えると、このことを見抜けば新型ノートのグレード選びは以下の2点を基準に考えれば良い。

①:プロパイロットは必要か?
②:後席リクライニングや合皮アームレスト、ピアノブラック調フィニッシャーは必要か?

特に①に該当するならグレードは「X」に絞られる。②で悩むなら「S(202万9500円)」を選んで、ディーラーオプションの日産オリジナルナビゲーションやラゲッジアンダーボックスなどを装着して実用性を高めるという選択肢を検討してみてはいかがだろうか?

ちなみに、Nissan Connectナビゲーションはプロパイロットの有無で価格が異なり、プロパイロット付きは42万200円で、プロパイロットなしは34万8700円。インテリジェントアラウンドビューモニターやSOSコール、後側方衝突防止支援システム、後側方車両検知警報、後退時車両検知警報はどちらにも共通しているから、差額の7万1500円がプロパイロットに換算できる。この差だったら、「X」でプロパイロットを付けないのは、もったいない?