タイヤの空気圧とは?高すぎても低すぎても性能と安全性が悪化【バイク用語辞典:ホイール・タイヤ編】

■安全、快適な走行のためには、メーカーが定めた「指定空気圧」を守ること

●走行しなくても自然に抜ける「自然空気漏れ」があるので定期的な管理が必要

空気圧が適正でないとバイクの本来の性能が発揮できません。空気圧が不足するとグリップ力が低下したり、燃費が悪化するなど、様々な問題が発生します。一方、空気圧が高すぎるのも同様に問題が発生します。

タイヤの空気圧の性能に与える影響と重要性について、解説していきます。

●空気圧の自然空気漏れ

メーカーが定めるタイヤの空気圧「指定空気圧」は車種ごとに異なり、一般的には1.5~3.0kg/cm2に設定されています。これを保持すれば、本来の性能を実現することができます。

しかし、ゴムには僅かながら気体が透過する性質があります。パンクしてなくてもタイヤの空気が少しずつ自然と抜けるのは、この性質のためです。この「自然空気漏れ」によって、空気圧は1ヶ月で5%程度抜けるといわれており、例えば2kg/cm2の空気圧であれば、1か月後には1.9kg/cm2に下がります。

したがって、安全で快適にバイクで走行するためには、定期的な空気圧管理が不可欠です。

●空気圧の影響

空気圧が変化するとタイヤのたわみ量が変わり、接地面積、転がり抵抗などが変化するので様々な影響が出てきます。

・空気圧過多の場合

空気圧が上がり過ぎるとタイヤのたわみ量が少なくなって硬い乗り心地になり、路面によっては飛び跳ねるようなフィーリングになります。転がり抵抗が小さくなるので燃費が向上し、グリップ力は一般的には接地面積が減るので低下します。

・空気圧不足の場合

空気圧が下がり過ぎるとタイヤがたわみ、柔らかい乗り心地になります。その分、転がり抵抗が大きくなるので燃費は悪化傾向になり、グリップ力は過度な範囲でなければ接地面積が増えるので高まります。

通常は指定圧力に設定するのが基本ですが、用途やライダーの好みで多少設定を変更するにしても、前述のようなリスクは認識しておかなければいけません。

●タイヤ圧力監視システム

クルマでは、TPMS(タイヤ圧力監視システム)の装着が2007年に米国で義務化され、日本車でも一部のモデルは採用しています。最近、バイクでも採用しているモデルが登場しました。

TPMSの仕組み
TPMSの仕組み

TPMSの役割は、タイヤ空気圧センサーによって空気圧が低下した時に、ライダーに警告して空気圧減少によるトラブルを未然に防止することです。これは、前後の2 本のタイヤそれぞれに空気圧センサーを装着し、空気圧と温度の情報を無線でECUに送り、メーターに圧力を表示する仕組みです。

空気圧が所定の閾値(いきち)を下回った場合に、警告灯の点灯で空気圧不足であることをライダーに知らせます。

●窒素ガスを充填するメリット

最近、タイヤに空気の代わりに窒素ガスを充填させたバイクを見かけます。そのメリットは、次の通りです。

・空気が抜けにくい

窒素ガスは空気に比べて分子が大きいのでゴムの透過率が低く自然空気漏れが減少

・不活性ガスなのでタイヤやホイールが劣化しづらい

不活性で酸化させにくい特性があるので、ゴムやライナー、金属の劣化を抑制

・温度による空気圧変化が小さい

温度変化に対する体積変化が少ないのでタイヤ圧の変動を抑制


タイヤの空気圧は、燃費やグリップ力などに大きな影響を与えます。そのほかにも、空気圧不足は発熱による損傷や偏摩耗、空気圧過多によるセンター摩耗や損傷しやすいなど、不具合の原因になるので日常的な管理が不可欠です。

(Mr.ソラン)