2021年初走行を終え開幕へ準備を進める佐藤琢磨「インディ500が8月になっても僕は大丈夫」

 2021年になっても新型コロナウィルスのパンデミックは収束の兆しを見せず、今や世界一の新型コロナ感染国となってしまったアメリカ。大統領選も終え、このコロナ禍の中で少しずつ2021年のシーズンインに向けて動き始め、年初めのビッグレースであるデイトナ24時間も開催を終えた。

 NTTインディカー・シリーズもドライバーの移籍、新チーム、ドライバーの発表など、ニュースは飛び込んで来ているが、1月中旬にはセブリングでテストも始まり4月のアラバマでの開幕に向けて動き始めている。

 今年で活動30周年を迎えるレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングで、12年目のインディカー・シーズンを迎える佐藤琢磨は1月になってから渡米。

 1月19日に今年最初のテストを、2月に入ってもう一度セブリングのテストを行っている。それぞれのテストを終えてから、琢磨もチームを通してSNSでテストの様子を簡単にツイートしているが、そのテストの詳細と進捗状況を聞くべくリモートで話を聞いた。

リモートインタビューでテストを振り返る佐藤琢磨
リモートインタビューでテストを振り返る佐藤琢磨

「この冬はスプリングトレーニングの合同テストが行われず、チームごとにテストスケジュールを組むことになりました。RLLRは12月中に僕が日本でプロモーションで駆け回っていたので若いフェリックス・ダ・コスタがバーバーでテストをしたようですが、路面が変わっていたりかなりコンディションが違っていたようです」

「今年になってからは、セブリングで2回のテストを行って、この後にバーバーでロードコースのテスト。そしてテキサスでオーバルのテストを一度する予定になっています」

「昨年から今年になって僕のエンジニアがカーリンから来たマシュー・グリーズリーに変わりました。みんな彼をマットと呼んでますが奇しくも彼もカーリンの出身で、イギリス人だしGP2(F2)などヨーロッパとインディカーを経験しているエンジニアです」

「ただチーム全体のエンジニアリングとして大きく方向転換するわけではないですし、昨年までエディ・ジョーンズが積み上げてきたものを、いろいろリサーチしてやっていく感じです」

レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨
レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの佐藤琢磨

「1回目のセブリングのテストはまずタイムだけを追わずに、ストリートコースで今年やっていくことの確認をマットと進めていく感じでした。セブリングではレースはありませんし、タイムだけを追ってクルマを仕上げるとちょっと特異な感じになってしまうんです」

「少し話を昨年に戻すと、昨シーズンの中で新しいセッティングのトライをしていた部分で、レーススケジュールが変わってしまったおかげで、ぶっつけ本番みたいになってしまったところがありました」

「特にリザルトの悪かったロードコースなどはそんな感じでしたね。そこでもう一度原点に戻って見直すような感じだったのが最終戦のセント・ピータースバーグで、スピードも戻ったしレースも悪くなかった。昨年唯一のストリートコースのレースでしたけど、やっぱりこっちでいこうという方向性があって、それを2021年も進めていこうと」

「2回目もセブリングなのは、1月のテストでやったことの検証と確認をしたかったからです。2回目もトラブルなく140周くらい走れたと思います」

「そして今回は少しタイムも追っていこうと。あくまでストリートのセッティングがメインですが、ロードコースも応用できる部分もあるし、コースに対して合わせ込んでいく作業も必要になるので」

「今回のタイヤは2020年のスペックでしたが、昨年のスケジュール変更でファイアストンもタイヤのロジステックが大変だったようで、そのあたりも影響しているようですただタイヤのグリップレベルが落ちた時には、その時なりに合わせなくてはいけないですし、今回は僕もグラハム・レイホールもタイムを出せていたと思います」

「この後はバーバーで開幕に向けてさらに入念なテストプログラムになります。一緒に走ったライバルを見ると、セブリングではアンドレッティ・オートスポートが速かったですし、ペンスキー、ガナッシ、マクラーレンSPも良かったですね」

「ペンスキー、ガナッシ、アンドレッティ・オートスポーツが今年もエントリーが多い中で、僕たちはインディ500以外は2台のままですから大変だと思いますけど、昨年にも増して頑張りたいですね」

「コロナの影響で開幕戦のセント・ピータースバーグが4月に延期になりましたが、それ以外の新たなスケジュール変更はまだ聞いていません。インディ500も5月の予定ですが、8月になっても僕は大丈夫ですよ(笑)。今年はどのレースもファンの前でレースしたいですし、コロナの影響が早く収まってくれることを願うばかりですね。開幕までの間しっかり準備したいと思います」

 着々と準備を進め、シーズン12年目を新たなエンジニアと共に戦う琢磨。狙うはシリーズチャンピオン、そしてインディ500連覇だ。

15号車と共に黒のカラーリングでテストを行う佐藤琢磨の30号車
15号車と共に黒のカラーリングでテストを行う佐藤琢磨の30号車

レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/佐藤琢磨
レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/佐藤琢磨

レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/佐藤琢磨
レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/佐藤琢磨