「1380馬力、ゼロヨン8秒612の怪物」伝説のBNR32スーパーチューンドが復活!?【幻の東京オートサロン2021】

「1380馬力、ゼロヨン8秒612の怪物」伝説のBNR32スーパーチューンドが復活!?【幻の東京オートサロン2021】

数々の伝説を打ち立てたヴェイルサイドGT-R

レジェンドマシン「R1 STREET DRAG MODEL」の現在!

ゼロヨン全盛期に確かな輝きを放った『R-1 STREET DRAG MODEL』。ヴェイルサイドが製作したBNR32ベースのドラッグレース専用機だ。“速くてカッコ良い”そんな理想を追い求めた伝説のマシンは、当時のラジアルタイヤGT-R日本最速記録となるゼロヨン8秒612をマークするなど、今でもその活躍ぶりは語り草となっている。

ストリートゼロヨンで頭角を現し、プライベート時代にヨコマクレーシングを立ち上げたヴェイルサイドの横幕代表。その類いまれなるセンスと実力により、瞬く間にトップチューナーの仲間入りをした。東京オートサロンでも数多くのコンプリートカーを発表し、幾度となく賞典を獲得。さらにワイルドスピードの劇中車を手掛けるなど、世界中のカスタムフリークから注目を集めてきた。

そんな横幕代表が本気で作ったRB26DETTユニットは、20年余りの年月が経った今も全く色褪せていない。エンジン本体は、HKS鍛造ピストンやオリジナルのコンロッド、クランクシャフトで強化した上で、HKS GT3540ボールベアリングタービンをツイン装着。レブリミットは1万1000rpmに設定され、最高出力1380㎰&最大トルク118kgmを発揮する。

カムはインテーク&エキゾーストともに290度。大容量サージタンクもワンオフ製作され、スロットルボディは100φの大口径タイプをセットした。さらにインジェクターは1000ccタイプを採用と、当時の最新技術が惜しみなく注入。これらもエンジン製作についても全て独学でマスターしたというから恐れ入る。

ロールケージを張り巡らせた車内はレーシーそのもの。エアシフターも装備されており、アクセル全開状態での電撃シフトが可能だ。ダッシュボードやメーターパネルまでワンオフ製作しているあたりも、ヴェイルサイドの美しさへの追及が並々ならぬものであることを感じさせる。

エアシフターのボンベはロールケージに固定。実はドラッグの本場であるアメリカに遠征した際、走行直前にエアシフターのバルブを閉じてしまい、ミッションをブローさせた苦い思い出があるという。“たられば”になるが、そうしたミスがなければ、更なる好タイムを刻んでいたかもしれない。

足回りにも徹底的に手が入る。アーム類は全て調整式ピロ圧入タイプに変更し、リヤサスメンバーも徹底補強。車高調はオリジナルのドラッグダンパーで、ATSのLSDの特性とバランスまで加味し、トラクション重視でセットアップされている。燃料タンクは超小型のATL安全タンクに変更済みだ。

助手席側から顔を出すツインエキゾーストマフラーがただ者ならぬ雰囲気を醸しだす。当然ながらフルストレート仕様だ。

外装は、ダクトを最小限に抑えたR-1ストリートドラッグバンパーや可変式のドラッグ専用ウイングで武装。軽量化のためにボンネットやドアパネルはFRP化され、アクリルガラスも採用される。トランクに背負うのは、ゼロヨン走行後にクルマを減速させるためのパラシュートだ。

ホイールはボルクレーシングTE37で、サイズは15インチ。タイヤはアメリカ遠征時に履いたグッドイヤーのドラッグスリック。当時から格段にグリップ性能が向上している今、このBNR32が最新タイヤを履いてゼロヨンを走ったらどれくらいのタイムを刻んでくるのか興味は尽きない。

「今となっては古いチューニングカーだよね(笑) だけど、このクルマだけはいつかもう一度走らせたくて手元に残してるんですよ」と横幕代表。およそ20年前にチューニングシーンを賑わせたモンスターマシンが、再び走り回る日はそう遠くないのかもしれない。

●取材協力:ヴェイルサイド 茨城県つくば市真瀬1250-3 TEL:029-838-1104