【特集】2021年F1はここが変わる(1)ドライバーが大移動、新ブランドが参入

 次世代F1マシンの導入は2022年に先送りにされたが、2021年F1シーズンにもレギュレーションには重要な変更がなされ、ドライバーの移籍、新ブランドの参入など多数の変化がある。2021年F1にどういう変化が見られるのか、主要点を全3回にわたって紹介する。第1回はドライバーラインアップ、エントリーリスト上の主な変化についてだ。

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■新たなブランドの参入で新カラーのマシンが登場

 2021年シーズンも、新規参入チームはない。一方でルノーとレーシングポイントの既存2チームが、新たな名前、新たなカラーリングで再出発する。

 レーシングポイントはシルバーストンにファクトリーを構える中堅チームで、2008年から2018年まではフォース・インディアと呼ばれていた。レーシングポイントという名前がようやく馴染んできたのもつかの間、今季からはアストンマーティンに名称を変更する。

アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチームのロゴ
アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチームのロゴ

 アストンマーティンはかつてF1活動を行っていた時期はあるが、1959年から1960年にかけての5レースのみでF1から去った。しかし今回はチームオーナー、ローレンス・ストロールの潤沢な資金に加え、メルセデスのコピーともいうべき車体が高い戦闘力を発揮しそうなことから、以前のように短命に終わることはなさそうだ。

 一方、ルノーF1は、今年アルピーヌに名称変更する。一世を風靡したアルピーヌブランドを復活させるために、新CEOルカ・デ・メオの肝煎りで発足したプロジェクトだ。

アルピーヌF1マシンのイメージ
アルピーヌF1マシンのイメージ

 アストンマーティンにはセバスチャン・ベッテル、アルピーヌにはフェルナンド・アロンソと、かつての世界チャンピオンが移籍したことも、大きな共通点である。

■3分の1以上のドライバーが移動

 全部で20あるドライバーシートのうち、今季は8つが入れ替わった。角田裕毅をはじめとする3人のルーキー以外は、チーム間を移動する玉突き人事である。現時点でメルセデスのルイス・ハミルトンだけが、まだ今季の契約を交わしていない。

【2021年のドライバー変更】
・レッドブル・ホンダ:アレクサンダー・アルボン→セルジオ・ペレス
・マクラーレン:カルロス・サインツJr.→ダニエル・リカルド
・アストンマーティン:セルジオ・ペレス→セバスチャン・ベッテル
・アルピーヌ:ダニエル・リカルド→フェルナンド・アロンソ
・フェラーリ:セバスチャン・ベッテル→カルロス・サインツJr.
・アルファタウリ・ホンダ:ダニール・クビアト→角田裕毅
・ハース:ロマン・グロージャン、ケビン・マグヌッセン→ミック・シューマッハー、ニキータ・マゼピン

イモラでスクーデリア・アルファタウリ・ホンダのサポートのもと、F1初テストを行った角田裕毅
イモラでスクーデリア・アルファタウリ・ホンダのサポートのもと、F1初テストを行った角田裕毅

■出戻り人事

 今季は「出戻り人事」も目立つ。フェルナンド・アロンソはマクラーレンを離れた時点で、F1引退を余儀なくされたはずだった。しかしダニエル・リカルドがマクラーレンを選んだことで、古巣ルノー(アルピーヌ)への復帰が実現した。しかしナイジェル・マンセルやミハエル・シューマッハーなど、何年かのブランクの末にカムバックした一流ドライバーたちは、多くの場合かつての輝きを取り戻せずにキャリアを終えている。唯一の例外は、キミ・ライコネンぐらいか。今年アロンソがどのようなパフォーマンスを見せるのか、注目していきたい。

2020年F1アブダビテストにルノーから参加したフェルナンド・アロンソ
2020年F1アブダビテストにルノーから参加したフェルナンド・アロンソ

 ドライバー以外ではフェラーリのチーム代表だったステファノ・ドメニカリが、チェイス・キャリーに代わるFOMのトップとして返り咲いた。どん底時代のマクラーレンでごく短期間チーム代表を務めたヨースト・カピートも、ウイリアムズのチーム代表に就任した。

F1のプレジデントおよびCEOのポジションに就くことが決定したステファノ・ドメニカリ
F1のプレジデントおよびCEOのポジションに就任したステファノ・ドメニカリ