エイドリアン・カンポスの急死に、サインツ父子やアロンソ、ジャンカルロ・ミナルディらから悲しみの声

 エイドリアン・カンポスの死去という衝撃的なニュースを受けて、モータースポーツ界、とりわけ彼が1997年に自ら立ち上げたレーシングチームから計り知れないほどの影響を受けたスペインとイタリアの関係者たちは、大きな悲しみに包まれた。

 スペイン人ドライバーとして最も成功したフェルナンド・アロンソは、ツイッターに以下ように投稿した。

「モータースポーツファミリーにとって最もつらい日だ。ドライバーであり、このスポーツを支えてきた偉大なる力だった。F1で夢を追求してくれてありがとう。若い才能を信じてくれてありがとう。ありがとう、そして安らかにお眠り下さい」

 2度の世界チャンピオンであるアロンソは、元ミナルディのF1ドライバーでもあったカンポスから多大な恩恵を受けてきた。彼の才能を信じていたカンポスは、1999年に自らのチームからアロンソをオープン・フォーチュナ・バイ・ニッサンに参戦させ、個人的な支援者を抱えていなかった彼がレースに臨めるようスポンサーを探し、ファクトリーがあったバレンシアの近郊に家を借りる余裕のなかった彼を自宅に住まわせてくれたのだ。アロンソが2001年にミナルディF1と契約できるように費用を工面し、フラビオ・ブリアトーレを説得して若いアロンソのマネージメントを託したのもカンポスだった。

2001年F1開幕戦オーストラリアGP ミナルディのタルソ・マルケス(左)とフェルナンド・アロンソ(右)
2001年F1開幕戦オーストラリアGP ミナルディのタルソ・マルケス(左)とフェルナンド・アロンソ(右)

 他にも、カンポスに多大な恩恵を受けた元F1ドライバーたちが木曜日朝に続々と弔意をよせた。F1を目指す過程でやはりカンポス・レーシングに所属していたマルク・ジェネは、以下のように書いた。

「今日、僕は大きな悲しみにくれている。スペインのモーターレースの発展を大きく発展させたひとりが、僕たちのもとを去った。エイドリアンがいなければ、僕は絶対にF1までたどり着けなかっただろう。偉大なるドライバーであり、チーム代表であり、なにより素晴らしい人だった。彼の子どもたち、家族、友人たちに心からのお悔やみを申し上げる」

 2017年から2019年にかけて日本で好成績をあげた後、現在もカンポスのマネージメントを受けながらインディカーに参戦しているアレックス・パロウは、短文を寄せた。

「あなたがいなければ、僕は今の場所にいなかった。RIP(安らかにお眠り下さい)、エイドリアン」

 そして、元カンポス・グランプリのドライバーで、ごく短期間HRTからF1にも参戦していたロベルト・メリも、以下のように記した。

「今朝起きて、とても悲しいニュースを知った。偉大なる人物、エイドリアン・カンポスが僕たちのもとを去った。今まで僕を応援してくれて、そしてスペインのモーターレースをおおいに支えてくれてありがとう。これほどつらい時期にあるカンポス・レーシングのファミリーに大きな抱擁を。RIP」

 カンポス・レーシングとは繋がりを持たなかったものの、エイドリアンと面識があり、尊敬していたサインツ父子も、弔意をよせた。WRC世界ラリー選手権のレジェンドであるカルロス・サインツは以下のように書いた。

「ドライバーであり、マネージャーであり、スペインのモーターレース界における熱意あふれる起業家だったエイドリアン・カンポスの死を深く悲しんでいる。ご家族に心からのお悔やみを申し上げる。ここまでの道のりは決して平坦なものではなかった。RIP。エイドリアン」

 息子のカルロス・サインツJr.は、フィオラノで行われるフェラーリF1での初テストに参加するために滞在していたイタリアで訃報を知った。

「エイドリアン・カンポスが亡くなった。とても悲しい日だ。彼は間違いなくスペインで、そして世界で、このスポーツの道しるべだった。ご家族と友人たちに、心からのお悔やみを申し上げる。RIP、エイドリアン」

 そのイタリアでは、カンポスの元代表だったジャンカルロ・ミナルディがニュースに接して激しいショックを受けた。

「息子のジョバンニが2日前に彼と話したばかりだった。こんなことになろうとは思いもよらなかった。言葉が見つからない。エイドリアンの死去は、到底受け入れがたい。なにしろ、深刻な問題を抱えているような兆候は一切なかったのだから」

 チームの元ドライバーを偲んで、ミナルディはこう述べた。

「正直に言えば、彼はドライバーとしてよりもチームオーナーとして、また才能の発掘者として、はるかに優れた能力を発揮していた。しかし、あの情熱と献身があったからこそ、彼はF1にまで行けたのだ。チームのシートを獲得するために、重要なスポンサーのロイスを持ち込んできた。彼はチームマネージャーとしてさらに大きな成果を上げたが、それよりもっと好ましく思い出されるのは、彼の素晴らしい人間性だ。彼が進めていた素晴らしい仕事を、彼の息子たちが続けてくれることを願っている。来たるべきシーズンに備えて懸命に働いてほしい。なぜならそれこそがエイドリアンに対する最高の弔いになるからだ」

ミナルディのM188をドライブするエイドリアン・カンポス(1988年)
ミナルディのM188をドライブするエイドリアン・カンポス(1988年)