「24時間・週7日」で進めたアキュラDPiへの鞍替え。WTRの“忙しすぎるオフ”/IMSA

 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のDPiクラスに参戦するウェイン・テイラー・レーシング(WTR)は、昨年までのキャデラックDPiから、2021年はアキュラDPiへとマシンをスイッチする。チームオーナーのウェイン・テイラーは、11月にアキュラARX-05シャシーを受け取ってから2021年1月の開幕戦デイトナ24時間レースに備えることは、非常に大変な作業だったと語る。

 キャデラックDPi-V.Rを4シーズンにわたって走らせてきたWTR。チームはデイトナ24時間レース前の公式テスト『ロア・ビフォア・ザ・ロレックス』の開催週に入った1月19日火曜日にデイトナ・インターナショナル・レースウェイでテストに臨み、リッキー・テイラー、フィリペ・アルバカーキ、アレクサンダー・ロッシ、エリオ・カストロネベスの手によって、よやくアキュラDPiでのトラックデビューを果たした。

 テイラーによると、チームによるこのオフの準備は、チーム・ペンスキーから受け取った2台のシャシーをリビルドする作業と同時に、新たな1台を組み上げるというものだったという。

「IMSAがロア・テストを1月初旬から(デイトナ24時間の)レース前週に変更してくれたのは、本当にラッキーだった。準備ができていなかったからね」とテイラー。

「(2020年最終戦の)セブリング後に2台の車を受け取ったが、その2台はもう寿命が尽きていた。基本的に、それらに装着されていたものは使うことができなかったんだ」

「そこで我々は2台の新車をオーダーした。同時に、すでに手元にあった2台のうち1台に新たなコンポーネントを取り付けていき、その後(完全な新車を)もう1台を組み上げることになった」

「時間が必要だと感じたので、(年内の)テストには行かなかった。スタッフは文字どおり24時間・週7日働いており、本当に、ものすごく疲れ切っていたんだ」

「火曜日にセブリングで走り、アレックス、エリオ、リッキー、フィリペをマシンに乗せた。問題はなかったようだ」

「ある夜、トラックの裏側で作業していたしていた我々のチーフエンジニアは、ふと時計を見ると午前3時だったそうだ。彼はトレーラーの中で寝ることにしたんだ」

「クルマやその他のものを作り上げるだけでなく、クルマを学ぶ必要もあるため、これは準備がもっとも難しいレースだ。ピットストップやドライバー交替を素早く行なう方法など、さまざまなことを学ぶ必要がある」

「このような素晴らしい仕事をしてくれたすべてのスタッフに、敬意を表したい」

■「ロア・テストが非常に重要」とアレキサンダー・ロッシ

 チームはアキュラのDPiプラットフォームを初めて使用するが、ロッシ、カストロネベス、リッキー・テイラーはいずれもアキュラ・チーム・ペンスキーにおいて豊富な経験がある。

 アルバカーキは、セブリングのテストまではアキュラDPiのドライブ経験がなかったが、マシンのベースシャシーであるオレカ07では数千マイルを走破している。

 テイラーは、今季は準備期間が短かったため、マシンを知り尽くしたドライバーを選ぶことが重要だったと語った。

「アレックスとエリオを迎え入れることに頭を悩ます必要はなかった」とテイラー。

「リッキーと彼らふたりは、ともに3シーズンをアキュラで過ごしていたからね」

「リッキーのチームメイトとしてフィリペをフルシーズンドライバーに迎え入れたのは、同じベースシャシーであるオレカでWECの(LMP2)チャンピオンシップを勝ち取ったばかりだからだ。実際、彼ら4人は我々がまだ知らないことを教えてくれる。我々には時間がないからね」

「フィリペはすべてを受け入れているし、他のドライバーとも仲を深めている。働きやすいね」

「いまの大きな仕事は、チームがプログラムを遂行できるようにすること。これらのレースをやり遂げることが重要だ。ひとつ確かに言えることは、我々は適切なドライバーラインアップを手にしている、ということ。これが100%だ」

1月21日、翌日からの『ロア』テストを前にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイのガレージで整備が進められるウェイン・テイラー・レーシングのアキュラARX-05
1月21日、翌日からの『ロア』テストを前にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイのガレージで整備が進められるウェイン・テイラー・レーシングのアキュラARX-05

 IMSAの長距離レースであるミシュラン・エンデュランス・カップでチームに加わるロッシは、WTRが彼らにとって新しい車をすぐにものにできたことに、感銘を受けたと語った。

「僕にとって、チームが大きなチャレンジと、先進的なマシンに短い時間で挑むのを目の当たりにすることは、非常に印象的だった」とロッシは語る。

「火曜日に初めてマシンを走らせて、問題がほとんどないということは、ウェインがチームをまとめあげた証だ。彼らがこれまで、たくさんの成功を収めてきた理由は明白だね」

「まだまだ多くのなすべき作業がある。(火曜日のテストは)全員がクルマに順応するため手始めにやってみたという感じだったが、今週末のロア・テストは我々が現在なぞっている軌道を維持していくために、とても重要なものとなるだろう」