「ひとつのドアが閉まると、他のドアが開く」ベッテル、フェラーリF1離脱とアストンマーティン加入を振り返る

 セバスチャン・ベッテルは、アストンマーティンでF1キャリアの新しい章を始めようとしているところだが、F1における彼の時間の終わりが近づいていることも認識している。

「僕はこうしたことに関してとても合理的だ」と4度のF1世界チャンピオンである33歳のベッテルは、今週『RACER』誌に語った。

「考えてみても、自分が40歳でF1にいるとは思わない」

「あと数年はあるだろう。でもあと10年ということはない。そのことは意識しておく必要があると思う」

 ベッテルは2007年のアメリカGPでザウバーからF1にデビューし、これまでに257回のグランプリに出走している。彼は2020年の5月に突然フェラーリからの放出が決まった後、昨シーズンの終わりにF1を退く可能性もあったことを認めた。

「ひとつのドアが閉まると、他のドアが開くものなんだと強く思うよ」とベッテルは、フェラーリが彼との契約を延長しない決断をしたことについて語った。

「もちろん少し時間はかかったし、どのドアを自分が開けたいのかについて多くの疑問が湧いたけどね」

「F1で僕が達成してきたことの後には、次に何をしたいかということを考える時間と余裕があったんだ。それは公平なことだと思う」

「僕が将来に向けてさらにやりたいこと、F1に残りたいか否かという点に関しては、すべてのチームが選択肢になったわけではない。でも僕は自分の決断を下してドアを開けた」

アストンマーティンF1に加入したセバスチャン・ベッテル
アストンマーティンF1に加入したセバスチャン・ベッテル

 フェラーリにいる多くの良き友人やスタッフに別れを告げるのは辛いことだと認めているものの、ベッテルは移籍が難しい変化になるとは思っていない。

「それほど大ごとにはならないと思う。僕はいつも自分で物事を管理していた。誤解しないでほしいのは、親しい人や手助けをしてくれる人はいる。でも僕は甘やかされたことは一度もないと思う」

「僕はそのことを特権だと思っている。自分の人生を送ることができ、何に気をつけるべきかといったことを分かっている。誰かに手をつないでもらう必要はないんだ」

 ベッテルはまた、彼の放出を決断したことについてフェラーリのチーム代表であるマッティア・ビノットに悪感情を抱いてはいないと主張している。しかしその決断は当時の彼を“混乱”させ、今もすべての答えが得られていないことを認めた。

「僕は完全にそのことを受け入れているし、マッティアが電話で僕に伝えてきたときも明快だった。僕が反撃したり、さもなければ彼を納得させようとすることはまったくなかった」

「タイトルは重要なものだから、何かが欠けていることは確かだった。でも僕が残りの人生において、このことに悩まされることがないことは確信している」

「何事も理由があって起きるのだと考えている。良いことも悪いことも理由があって起きるんだ。(フェラーリでの)この6年間、コースでのパフォーマンスなどについて言えば、僕は多くを学んだ」

「このことはF1での残りの道のりと、F1の外の世界において僕を助けてくれるだろう。自分自身や、人々についてね。以前よりも豊かになって去るのだと確信している」

「それは経済的なことや、多くの勝利のことを意味しているわけではない。経験や、これまでに僕を助けてくれた物事が豊かになったと思っているんだ」

2020年F1第17戦アブダビGP フェラーリのチームメンバーがセバスチャン・ベッテルに記念のトロフィーをプレゼント
2020年F1第17戦アブダビGP フェラーリのチームメンバーがセバスチャン・ベッテルに記念のトロフィーをプレゼント