MotoGP:ダビデ・ブリビオ代表離脱のスズキ「自分たちで管理しようと思う」と佐原伸一氏

 1月14日、スズキはMotoGPに参戦しているチーム・スズキ・エクスターのプロジェクトリーダーを務める佐原伸一氏のインタビューを公式サイトに掲載し、チームマネージャーを務めていたダビデ・ブリビオがチームから離脱することや2021年の計画と今後の方向性について語った。

 スズキは1月7日、チーム・スズキ・エクスターのチームマネージャーを務めていたダビデ・ブリビオがチームから離脱することをアナウンス。そして1月17日にアルピーヌF1チームがブリビオをレーシングディレクターとして加入させることを発表した。

 ブリビオは、スーパーバイク世界選手権(SBK)でヤマハに関わり、2001年からはMotoGPに参戦するヤマハに移りチームマネージャーに就任。MotoGPではバレンティーノ・ロッシが獲得したことでチャンピオンを経験し、2013年からスズキに関わっている。

 スズキでは2015年に参戦復帰したチーム・スズキ・エクスターのチームマネージャーを務め、2020年にはジョアン・ミルがチャンピオンを獲得、チームチャンピオンも得る2冠を達成した。

 そんなブリビオがMotoGPからF1へ転向することが明らかになり、チームはスズキレーシングカンパニーレース車両開発課 佐原伸一プロジェクトリーダーがブリビオが抜けた2021年シーズンの計画と方向性を語ったインタビューを掲載した。

2020MotoGP:チャンピオンを獲得したチーム・スズキ・エクスターのジョアン・ミル、アレックス・リンスとダビデ・ブリビオ代表
2020MotoGP:チャンピオンを獲得したチーム・スズキ・エクスターのジョアン・ミル、アレックス・リンスとダビデ・ブリビオ代表

──ダビデがチームを離脱した今、スズキにとって新しい時代が始まります。この最新ニュースはあなたにどのような影響を与えましたか?
佐原氏:
それは衝撃的なニュースでした。ダビデがスズキに入社して以来、プロジェクトを新たに立ち上げ、それを成長させてトップチームにさせたことには本当に感謝しています。

確かに影響を受けていますが、我々はいつも同じように物事を見て、方向性を決めていたので、彼がいないからといって進むべき道を失うことはないと思います。また、マネジメントを助ける専門スタッフもいます。我々のチーム体制と、それを構築してきた残りの人々を全面的にに信頼しています。

──この発表後のチーム内の雰囲気はいかがですか?
佐原氏:
ダビデがチームスタッフ全員に話したとき、もちろん、誰もがショックを受けました。しかし、やがてこの状況を一緒に克服するための次のステップに向けて気持ちを切り替えていました。

私たち全員がこのブランド、このチームを愛しているからこそ、これまで以上に団結し、新しい挑戦を最善の方法で継続するために150%の力を出します。

──スズキとジョアン・ミルがタイトル防衛を目指す重要な2021年シーズンに向けて、それはファクトリーチームにどのような影響を与えますか?
佐原氏:
私の考えでは、今後は何の影響も受けないはずです。我々が知っている方法で、そしてチャンピオンシップを勝ち取ったように今まで以上に取り組んでいきます。

ふたりの強いライダー、ミルとリンスと再びタイトルを争いをしていく姿勢は変わっていません。

──ライダーへの影響はありますか?
佐原氏:
チャンピオンシップを戦うライダーの能力には影響ないでしょう。我々はすでにチャンピオンになっているし、ふたりの若くて才能のある素晴らしいライダーがいます。

彼らはトラブルや困難な状況を対処する方法を知っており、常にプレッシャーを管理しています。この観点からは全く心配していません。ふたりともプロフェッショナルであり、2021年のチャンピオンシップの準備ができています。

──これは現在のチーム部門を再構築する必要があることを意味しますか?
佐原氏:
ダビデが離脱しなくても、標準的な手順として各メンバーが最大のパフォーマンスを発揮するために、チーム体制を微調整することは常に必要です。

しかし、誰もが十分にプロフェッショナルであり、可能な限り最善の方法で進むためのノウハウを持っていると思います。

──スズキにはチーム外からダビデの代わりを選ぶか、チーム内にいる誰かを昇進させるかのふたつの選択肢があります。この時点でどちらがより良い選択だと思いますか?
佐原氏:
スズキ内の人たちと一緒に状況を管理していくことが私たちにとって最善の方法だと思います。

我々が誰であるか、どのように働くか、どのように相互作用するか、そして何が必要かを知っています。今は社外のマネージャーを探すのではなく、自分たちで管理しようと思います。

──2021年シーズンに向けての話ですが、スズキは冬休みの間、どこを一番プッシュしてきたのでしょうか?
佐原氏:
これまでと同じように、バランスを崩すことなく、バイクのパフォーマンスのあらゆる領域を改善しようとしています。

おそらく、レース距離に応じてパフォーマンスを損なうことなく、グリッドポジションを上げていくことを目指すべきでしょう。

──ジョアンとアレックスのライバル関係は、バイクをよりよくするためにどのように役立つでしょうか?
佐原氏:
ライディングスタイルの異なるふたりの特性から収集されたさまざまなデータを非常に高いレベルで共有することで、開発の方向性に関する重大なミスを回避できなければなりません。

彼らはデータを共有することの利点を理解しており、それが私たちのバイク開発を助け、両ライダーにとってより競争力のあるものにしてくれています。

──ジョアン・ミルの最高バージョンはまだ見ることはできますか?
佐原氏:
はい、もちろんです。彼はまだ若く、我々と一緒に3シーズン目を迎えようとしているので、バイクやチームを知り、改善するための大きなマージンがまだあります。

チャンピオンシップで優勝した後、彼も成熟してきたと思うし、プレッシャーにどう対処するのかを知っていると思います。

──アレックスについてはどうですか?
佐原氏:
リンスがチームメイトと戦いながら、どのように強くなるのかを見ることになるでしょう。

昨年、残念ながら彼は絶好調だったのに怪我をしてしまったため、それがシーズンを通して彼のパフォーマンスを大きく左右しました。

──開発の凍結はスズキに有利に働きますか?
佐原氏:
私はノーと言います。エンジニアリングの観点からは、常にバイクをより良くするための新しいアイデアを持っています。しかし、幸いなことに2020年のバイクのパッケージは悪くなかったので、作業が許可されている領域を慎重に開発していきます。

いずれにしても、新しいレギュレーションが物事にどのように影響するかはわかりませんが、すべてのメーカーにとって同じ状況だと思います。これらは誰にとっても同じルールなので、フェアプレーがテーブルにあり、全員がこれに対応する必要があります。

──2022年に参加する可能性のあるサテライトチームの状況はどうですか?
佐原氏:
我々はまだ最善の方法が何であるかを調査しています。シーズン中には、もう少し情報が得られるかもしれませんね。