ル・マン・ウイナーのTFスポーツがLMGTEアマからLMP2へ。ティンクネルが加入/ELMS

 2020年のル・マン24時間レースにおいてアストンマーティン・バンテージAMRでLMGTEアマクラスを制したTFスポーツが、『レーシング・チーム・ターキー』の名の下、2021年のELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズでLMP2クラスデビューを飾ることとなった。

 WEC世界耐久選手権の2019/20シーズン、LMGTEアマでランキング2位となったTFスポーツは、トルコ国籍のブロンズドライバー、サリ・ヨルックのためにオレカ07・ギブソンを走らせるプログラムを決定した。

 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のDPiランキング2位であり、ル・マンのLMGTEプロクラス・ウイナーであるハリー・ティンクネルが、ル・マンのLMGTEアマクラス・ウイナーであるヨルックとチャーリー・イーストウッドに加わり、ステアリングを握る。

 ブロンズドライバーを含むラインアップとなるため、このトリオは新たなLMP2プロ/アマ区分の基準を満たすことになる。

 だが、IMSAにおいてマツダDPiのドライバーも務めるティンクネルは、IMSAのミド・オハイオ戦と、ELMSのレッドブルリンク4時間レースで日程のバッティングに直面することになる。

 TFスポーツは先月、新たにオレカ07シャシーのデリバリーを受け、4月にバルセロナで行なわれるシーズン開幕戦でのLMP2デビューに先立ち、間もなくテストを開始するという。

「我々は、この挑戦にとても興奮している」とチームオーナーのトム・フェリエ。

「タフな挑戦になることを過少に見積もってはいないが、そこは我々が常に進化したいと思っていたステージだ。これを可能にし、我々とともに挑戦してくるサリに大いに感謝したい」

「チャーリーとサリは我々のことをよく知っているので彼らをキープすることができてよかったし、そこにハリーを加えることができたのも本当に嬉しい。ハリーのドライバーとしての質の高さと経験は、我々の成長曲線を加速させ、いくつかの強力なリザルトももたらしてくれるだろう」

TFスポーツが2021年のELMSで走らせるLMP2マシン、オレカ07・ギブソンのカラーリング
TFスポーツが2021年のELMSで走らせるLMP2マシン、オレカ07・ギブソンのカラーリング

 ドライバー3人は、オレカ07を初めてドライブすることになる。ティンクネルはカーリン・レーシングでLMP2マシンの経験があるが、シャシーはダラーラP217だった。また、IMSAで乗るマツダDPiのベースシャシーもライリーである。

 ティンクネルの最近のELMS出場はカーリンからの2019年であり、また2019/20シーズンのアジアン・ル・マン・シリーズでは、チームのランキング2位にも貢献している。

「目覚ましい成功により、TFスポーツが現時点で英国におけるトップチームのひとつであることは明らかだ。だから、サリ、チャーリーとともにラインアップに加わることに興奮しているよ」とティンクネルは語る。

「僕は彼らを密接にフォローしてきた。彼らがプロトタイプの舞台に足を踏み入れるのには最適なタイミングだ」

「このところ、競争力のあるクルマでELMSに戻りたいと考えていたんだ。TFの成功がLMP2へと引き継がれることは間違いない」

「僕はGTカテゴリーを通じてサリの急速な進化を目の当たりにしたし、彼はまたル・マンも制した。プロトタイプは彼のドライビングスタイルにマッチすると思う。サリとチャーリーとともにいることで、とても楽しい一年となるだろう」

2020年のル・マン24時間ではLMGTEプロでアストンマーティンのワークス陣営に加わり、クラス優勝を果たしたティンクネル
2020年のル・マン24時間ではLMGTEプロでアストンマーティンのワークス陣営に加わり、クラス優勝を果たしたティンクネル

 ヨルックは以前、2017年以前のスペックではあるがユナイテッド・オートスポーツのリジェJS P2を2018/19シーズンのアジアン・ル・マン・シリーズで走らせた経験を持つが、イーストウッドはプロトタイプ自体が初めてだ。

 ふたりは昨年11月、ポルティマオにおいてユナイテッド・オートスポーツのオレカ07をテストした。その後ヨルックは、ELMSにおける初めてのLMP2参戦に向けTFスポーツに留まることを決めたという。

「ELMSにおいて、レーシング・チーム・ターキーby TFスポーツととにレースができてとてもハッピーだ」とFIAモータースポーツ・ゲームスでトルコを代表してきたヨルックは語る。

「これは僕ら全員にとって新しい挑戦だ。僕らがGTカテゴリーで示してきたのと同じくらいの早さで進歩し、トップへと上り詰める素晴らしいチームになることを信じている」

 イーストウッドは次のように付け加える。

「プロトタイプはGTカーとはまったく異なる“アニマル”だ。(11月の)LMP2の簡単なテストは非常にうまくいったし、サリーは自身のペースにいい印象を持ったようだ」

「今年、いくつかの強力なリザルトを手にできることは間違いない」

 TFスポーツはこの新たなELMS・LMP2プロジェクトと同時に、2021シーズンもWECのLMGTEアマクラスに残ることを計画しているものと思われる。

2020年のル・マン24時間レースでクラス優勝、シリーズランキングではクラス2位となったTFスポーツ
2020年のル・マン24時間レースでクラス優勝、シリーズランキングではクラス2位となったTFスポーツ