静粛性、乗り心地の向上が図られたスズキ・ソリオ/ソリオ・バンディットの優等生といえる走り

■パワートレーンは継続もボディ、シャーシには手が入れられている

スズキ・ソリオ/ソリオ・バンディットは、新型にスイッチしてハイブリッドが廃止され、マイルドハイブリッド仕様とNAガソリンエンジン車というラインナップになっています。

スズキ ソリオ
新型ソリオ・バンディットの走行シーン

パワートレーンは基本的に踏襲しているものの、ボディやシャシーには手が入れられていて、乗り心地と静粛性の向上が図られているのが朗報です。

そのメニューは、ボディに構造用接着剤が追加されたことで剛性感が高まっています。また、エンジン音を吸収するために、上下分割式だったダッシュアウターサイレンサーを一体成型にすることで、吸音性能が向上。

スズキ・ソリオ
新型ソリオは、背高系でも素直なハンドリングが印象的

加えて、リヤフェンダーのライニングを全面的に採用することにより、ロードノイズの低減が図られています。ただし後席は速度が高まると少し音の進入が大きくなる感じで、リヤスピーカーから進入してくる騒音の手当てが課題だそう。さらに、ルーフパネルとすべてのルーフメンバーの接合部に減衰性に優れたマスチックシーラーが採用され、こもり音、雨音の低減が図られています。

試乗時は、雨が降っていなかったため、後者の確認はできませんでしたが、速度域を問わず耳障りなこもり音を感じられることはありませんでした。FF車は、リヤのスタビライザーにストッパーゴムを追加することで振動を抑制し、ロードノイズの低減が図られているそう。

スズキ ソリオ
ソリオ・バンディットの試乗車は、ダンロップの「エナセーブEC300+」を装着。サイズは165/65R15

また、乗り心地も先代よりも改善しているのがうかがえました。全高が1745mmとかなり高めで、2480mmのホイールベースは短め。全幅も1645mmと抑えられていることもあり、ある程度の上下動は感じられるものの、路面の凹凸に対して比較的マイルドにクリアしていきます。

今回の試乗はタウンユースが中心という条件付きではあるものの、こうした背高、ショートホイールベース、ナローボディというフォルムであることを考えると乗り心地はまずまず。とくに前席は、ダイハツ・トール(マイナーチェンジ前の印象ですが)などのライバルと比べても音・振動面の抑制が効いているように感じられました。

乗り心地の改善策は、先代よりもリヤバネ定数を30%アップさせたほか、リヤサスペンションのストロークを拡大するとともに、フロントバンプストッパーのゴムのウレタン化も効いているようです。リヤのバンプストッパーもウレタン発砲密度が変更され、荒れた路面でのショックを低減。ダンパーにも摺動抵抗低減アイテムが初採用されたほか、高応答・飽和特性ピストンバルブの初めての採用など、先代同様のプラットフォームでありながらも細かな変更により、地道に改善されています。

スズキ ソリオ
「KC12」型の1.2L直列4気筒エンジンを搭載。スペックは91PS/118Nm

一方のハンドリングは、一言でいえば穏やか。コーナーでは多少のロール感を伴うものの、回頭性は素直で運転のしやすさが印象的です。今回は、高速域のスタビリティや直進安定性、山岳路でのフットワークなどは確認できませんでしたが、タウンユース中心であればストレスのない走りが楽しめそう。

1.2Lの直列4気筒エンジンは、3気筒エンジンよりも音・振動面でアドバンテージがあるうえに、マイルドハイブリッド仕様でも加速時にモーター機能付発電機である、ISGによるモーターアシストが実感できます。アイドリングストップから静かで振動の少ない再始動も先代同様の美点です。

エンジンの負荷が高まるとそれなりに音は大きくなりますが、郊外路で流れの乗る程度であれば、パワーの余裕も十分に感じられます。また、CVTならではのラバーバンドフィールは、高負荷域になると、それなりに感じられます。

スズキ ソリオ
マイルドハイブリッド仕様は、助手席座面下にリチウムイオン電池を配置する

それでも、マイルドハイブリッド仕様は、加速時にISG(モーター)による加勢があるため、アクセルペダルをそれほど強く踏み込まなくてもスルスルと加速していくこともあり、その利点を実感できるのも魅力といえます。

(文:塚田 勝弘/写真:井上 誠)