【2021年国内ストーブリーグ/ホンダ編】松下信治GT500デビューと他メーカーへ移籍の噂

 12月25日(金)に発売されたauto sport No.1544では2021年シーズンの国内ストーブリーグ情報をまとめている。ここでは各メーカーごとにその情報をチェックしていこう。まずはいち早く体制を固めつつあるホンダ陣営だ。

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 ホンダにとって2020年はClass1規定に準拠した“FR NSX”の投入初年度だったが、レースを重ねるごとに速さを増し、ライバルを凌駕する戦闘力を披露した。

 タイトルを獲得した100号車RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)を筆頭に、17号車KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)がランキング3位、8号車ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)が同5位につけるなど、申し分ないリザルトを残すことに成功した。

“FR NSX”初年度でRAYBRIG NSX-GTがチャンピオンを獲得し、好結果を残したホンダ陣営
“FR NSX”初年度でRAYBRIG NSX-GTがチャンピオンを獲得し、好結果を残したホンダ陣営

 マシンそのものの戦闘力もさることながら、欧州で鍛えられてきた牧野と福住は、シーズンを通じて随所で力強い走りを見せ、NSX勢の躍進に貢献。そうした内容を踏まえれば、ブリヂストンタイヤ(BS)を履く3台のNSXのドライバーラインアップは、2021年も継続されると考えたほうが自然だ。

 また、ランキングこそ12位、14位にとどまったダンロップタイヤ(DL)を履く64号車Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹)とヨコハマタイヤ(YH)の16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/笹原右京)だが、レース内容の仔細を見ればBS勢を脅かす場面が幾度も見られた。

 とくに伊沢は年間2度のポールポジション獲得に加え、高いフィードバック能力がDL開発陣から絶大な信頼を得ている。チームメイトの大津もそうした伊沢の背中を見て急成長を遂げており、将来に向けて可能性を感じさせた。笹原に至っては、実質スーパーGTデビューイヤーとは思えぬパフォーマンスを披露し、チームの期待に応えていた。

中嶋悟総監督と大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)
中嶋悟総監督と大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)

 さらに、ホンダ陣営には、まだまだ期待の持てる若手がそろっている。その筆頭は2020年スーパーフォーミュラ第6戦鈴鹿でルーキーながら初優勝を遂げた大湯都史樹。大湯はスーパーフォーミュラでの優勝直後、中嶋悟監督に「(大湯は)まるで、かつての小暮(卓史)を見ているよう」と言わせしめた。

 ドライビングやレース運びが荒々しく、たしかにミスが目立つものの、そうしたネガを補って余りある爆発的なスピードを秘めているという賛辞でもある。これだけの逸材を「GT500に抜擢しない理由」を挙げるほうが難しい。

 その一方で、パドックでは驚きの噂も広がっている。それは2020年シーズン途中に、志し半ばでFIA F2参戦を断念した松下信治がホンダを離れ、他メーカーへ移籍するというもの。トヨタとニッサンの両陣営が松下獲得に向けて画策していると言われているのだ。2021年に向けた国内ストーブリーグの主役は間違いなく松下といえる。