【今週の気になるニュース】ロバーツの正式なチーム代表就任で思い出されるマクラーレンF1の“アンタッチャブルズ”

 12月17日に、ウイリアムズ・レーシングが新CEOにヨースト・カピートを指名したことを発表した。
※ウイリアムズCEOに元VW&マクラーレンF1のヨースト・カピートが就任。サイモン・ロバーツが正式なチーム代表に

 カピートといえば、2016年にマクラーレンのCEOに抜擢されたことが記憶に新しいが、わずか1シーズンで離脱していた。カピートをフォルクスワーゲン(モータースポーツディレクター)から招聘したのはかつてマクラーレンを率いてきたロン・デニスだったが、カピートを招き入れた直後にマクラーレン・グループ総帥のロン・デニスが2016年11月に失脚。後ろ盾を失ったカピートも、その直後の2017年2月にマクラーレンを離脱していた。

2016年の数カ月間、マクラーレンのCEOを務めていたヨースト・カピート
2016年の数カ月間、マクラーレンのCEOを務めていたヨースト・カピート

 今回のこのニュースで注目したいのは、カピートのCEO就任よりも、むしろ9月から暫定代表を務めてきたサイモン・ロバーツが、正式なチーム代表に就任することが決定したことだろう。ロバーツもまた、元マクラーレンのメンバーだったからだ。さらにウイリアムズにはロバーツが移籍してくる直前に、チームマネージャーのデイブ・レディングもマクラーレンから移籍している。つまり、いまウイリアムズの首脳陣の多数を元マクラーレン・メンバーが占めつつある。

 ロバーツといえば、マクラーレン時代の“あの”事件が忘れられない。それは、マシンをアップデートするために休みなく働き続けた報酬として手渡されたのが、安価なチョコレート菓子のフレッドだったという『フレッドバー事件』だ。従業員の怒りの矛先は、“アンタッチャブルズ”と呼ばれていたチームをマネジメントする要職に就いていた4人に向けられ、そのひとりがロバーツだった。

 それがマクラーレン離脱の理由かは定かではないが、“アンタッチャブルズ”のほかの3人のうちエリック・ブーリエ(レーシングディレクター)は2018年7月に辞任し、マット・モリス(チーフエンジニアリングオフィサー)も2018年7月に退任していることを考えると、ロバーツもマクラーレンに居場所がなかったと考えるのが自然だろう(もうひとつりのデビッド・プロビン/オペレーションディレクターは不明)。

 カピートの加入でウイリアムズのマクラーレン化が加速する中、次なる“アンタッチャブルズ”の移籍はあるのか? そこが気になる。